高校生が逮捕された場合に起きることとは?現実的な影響と取るべき対応をわかりやすく解説

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想定外の出来事が、突然家族を襲うとき
子どもが高校生になったとはいえ、まだまだ未熟な面も多く、「まさかうちの子がそんなことを」と思う保護者は少なくありません。
しかし、警察からの一本の電話で、日常は一変します。仲間とのふざけ合いや軽い気持ちの行動が、思いもよらぬ結果を招き、刑事手続きの対象となる――それは現代では現実に起こりうることなのです。
未成年だからといって見逃される時代ではありません。高校生であっても、法律に触れる行為をすれば、それに応じた手続きが進みます。本人も家族も、「高校生が事件に関わった場合、どう扱われるのか」を冷静に理解しておくことが重要です。
少年事件としての取り扱い
未成年の関与する事件は「少年事件」として扱われます。刑事責任の追及方法や処分の考え方が大人とは異なり、教育的観点を重視して進められるのが特徴です。
ただし、処分が軽いという意味ではありません。事件の内容が悪質であれば、厳しい措置が取られることもあります。本人の反省の有無、家庭環境、再発の可能性などが総合的に見られることになります。
実際に進む手続きの流れ
高校生が警察に連れて行かれた場合、どのような過程をたどるのかを知っておくと、保護者としての対応も冷静に進めやすくなります。
【逮捕後の主な流れ(未成年・高校生の場合)】
- 警察署での取調べ(最長48時間)
- 少年事件として検察に送致
- 家庭裁判所に送られ、審判対象か判断
- 必要に応じて少年鑑別所にて観護措置(最大4週間)
- 家庭裁判所での審判(保護観察・少年院送致など)
この過程では、保護者の姿勢や家庭内の状況も重視されます。信頼できる生活環境が整っているかどうかが、処分の方向性を左右するのです。
学校や進路への影響は避けられるのか?
事件が学校に知られると、一定の処分が下される可能性があります。これは内容や態度次第で異なりますが、停学や退学処分、進学推薦の取り消しなどの可能性は否定できません。
一方で、反省と改善の姿勢が認められれば、学校側が復学や在籍継続を支援するケースもあります。そのためには、保護者と学校の丁寧な連携が欠かせません。
家族ができるサポートとは?
感情的に責めたり、事件そのものを否定したりすることは逆効果になる場合があります。本人が現実としっかり向き合い、再出発を目指すためには、家族の冷静な支えが必要です。
【家庭ができる具体的な支援】
- 本人の話を遮らずに聞き、動機や状況を把握する
- 家庭内での再発防止策を具体的に立てる
- 学校と協力して、学習や生活支援の体制を整える
- 信頼できる専門家に相談し、対応方針を固める
家庭が“安全な場所”として機能することは、本人の更生にとって大きな意味を持ちます。
弁護士に相談するメリット
法律の知識がなければ、どう動くのが正しいのか分からず、不安だけが膨らんでしまいます。少年事件に詳しい弁護士であれば、今後の見通しを整理しながら、必要な対応を一つずつ明確にしてくれます。
特に次のような局面では、専門家の関与が状況改善のカギを握ります。
- 家庭裁判所の審判前に、反省や更生計画を整理する必要がある
- 学校や第三者機関との交渉をサポートしてほしい
- 保護者だけでは対応に限界を感じている
- 本人が自責の念で心を閉ざしてしまっている
早めに相談することで、精神的な安心感と法的な見通しの両方が得られます。
まとめ:その後の人生は、いまの対応で決まる
高校生であっても、法律の枠組みに従って裁かれる時代です。ですが、それは同時に「教育的な更生の機会が与えられる」という意味でもあります。
逮捕という出来事を、本人にとっても家族にとっても“終わり”にしないために。正しい情報と冷静な行動で、新しいスタートを支えていくことが、何よりも大切です。

この記事を監修した弁護士
代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)
所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。
