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【速報】盗撮で逮捕されたら?早期示談で人生を取り戻すための全知識

2025.07.21 弁護士コラム

もしも、大切な人が盗撮で逮捕されてしまったら――。あるいは、ご自身が思わぬ形でその渦中に巻き込まれてしまったら――。頭の中は真っ白になり、どうすればいいのか分からず、ただ途方に暮れてしまうかもしれません。

「盗撮」という言葉は、社会的に厳しい目が向けられる犯罪です。しかし、適切な対応を早期に行うことで、事態を好転させ、人生を立て直す道は必ず存在します。

この記事では、あなたが知りたい情報を網羅的に、そして分かりやすく解説していきます。逮捕後の流れから、早期示談の重要性、具体的な進め方、そして弁護士の選び方まで、あなたの不安を少しでも和らげ、希望を見出すためのヒントを提供します。

突然の逮捕!盗撮事件で何が起きるのか?

ある日突然、警察官が目の前に現れ、逮捕を告げられる――。映画やドラマの中の話だと思っていたことが、現実になる瞬間です。盗撮事件における逮捕は、大きく分けて2つのパターンがあります。

現行犯逮捕:その場で取り押さえられるケース

駅のエスカレーター、商業施設、イベント会場などで盗撮行為を行い、被害者や周囲の目撃者、あるいは警備員などによってその場で取り押さえられ、警察に引き渡されるケースです。

この場合、目撃情報や現行犯性が明確であるため、逮捕される可能性が非常に高くなります。その場で取り調べが始まり、警察署へと連行されることになります。

通常逮捕:後日逮捕状によって身柄を拘束されるケース

防犯カメラの映像解析、目撃者の証言、あるいはデジタルフォレンジック(スマートフォンの解析など)によって、後日犯行が特定され、逮捕状が発行されて逮捕されるケースです。

現行犯逮捕と比較して時間差がありますが、警察は証拠を固めてから逮捕に踏み切るため、逮捕状が発行された時点で、かなり捜査が進んでいると考えて良いでしょう。突然自宅や職場に警察が来て逮捕されるため、精神的なショックも大きくなります。

逮捕後の流れ:時間との闘いが始まる

逮捕されると、以下の流れで手続きが進んでいきます。この段階から、いかに早く弁護士を選任し、適切な対応を取るかが、その後の展開を左右します。

警察署への連行と身体検査・持ち物検査

逮捕後は、まず警察署に連行され、所持品や身体の検査が行われます。

取調べの開始

逮捕直後から、警察官による取調べが開始されます。黙秘権があること、供述調書は後々証拠となることを理解し、慎重に対応することが重要です。

留置場での生活

逮捕された場合、原則として警察署内の留置場で生活することになります。外部との連絡が制限され、孤独な状況に置かれます。

送致(検察庁への送致)

逮捕から48時間以内に、警察は事件を検察庁に送致します。この48時間という期間が、初期対応の非常に重要なタイムリミットとなります。

  • 勾留請求・勾留決定
    • 検察官は、事件を受け取ってから24時間以内に、被疑者(逮捕された人)を勾留する必要があるかどうかを判断します。逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されると、裁判所に勾留を請求し、裁判官が勾留を決定します。
    • 勾留が決定すると、原則として10日間身柄が拘束されます。さらに、必要に応じて最大10日間の延長が認められるため、合計で最大20日間、身体が拘束される可能性があります。この間も、取調べは継続されます。
  • 起訴・不起訴の判断

勾留期間満了までに、検察官は被疑者を起訴するかどうかを判断します。

  • 起訴(公判請求):刑事裁判が開かれることになります。
  • 略式起訴(略式命令請求):罰金刑で済まされるケースで、裁判は開かれず、書面審理のみで罰金刑が確定します。
  • 不起訴処分:刑事事件として裁判にはならず、前科もつきません。

なぜ「早期示談」が重要なのか?その驚くべきメリット

「早期示談」という言葉を耳にしても、具体的に何が良いのかピンとこないかもしれません。しかし、盗撮事件において、この早期示談はあなたの未来を大きく左右する、極めて重要な要素となります。

不起訴処分の可能性が格段に高まる!

これが最も重要なメリットです。不起訴処分とは、検察官が「刑事裁判にかける必要がない」と判断することです。不起訴になれば、前科がつくことはありません。

示談が成立しているということは、被害者の方が加害者のことを許し、刑事罰を望んでいないという意思表示になります。検察官は、この被害者の意向を非常に重く見て、不起訴処分とする可能性が格段に高まります。

勾留期間を短縮できる可能性がある

示談交渉が進み、被害者との間で和解の目処が立つと、検察官や裁判官が「逃亡や証拠隠滅のおそれが低い」と判断し、勾留請求を取り下げたり、勾留を決定しなかったりする可能性も出てきます。これにより、早期に身柄を解放される可能性が高まります。

職場や学校への影響を最小限に抑えられる

逮捕されて勾留されると、職場や学校を長期間休むことになり、その理由を説明しなければなりません。しかし、早期に示談が成立し、不起訴処分となれば、事件が公になることを防ぎ、職場や学校への影響を最小限に抑えることができます。

精神的負担の軽減

事件が長期化すればするほど、加害者本人やその家族の精神的負担は増大します。早期に示談を成立させることで、事件が解決に向かう安心感を得られ、精神的な負担を軽減することができます。

民事裁判への発展を防ぐ

刑事事件とは別に、被害者から損害賠償を求める民事裁判を起こされる可能性もあります。しかし、示談の中で慰謝料などの賠償も含まれているため、示談が成立すれば、基本的に民事裁判に発展するリスクを回避できます。

早期示談を成功させるための具体的なステップ

早期示談の重要性は理解できたものの、実際にどうすれば良いのか、具体的な方法が気になるところでしょう。ここでは、早期示談を成功させるための具体的なステップを解説します。

弁護士にすぐに相談する

これが最も重要な第一歩であり、唯一と言っても過言ではないほど大切なことです。逮捕直後から勾留期間中にかけて、弁護士は以下の役割を果たすことができます。

  • 被疑者との接見(面会)

逮捕直後から、弁護士は被疑者と接見(面会)することができます。外部との連絡が遮断されている中で、唯一の味方となってくれる存在です。被疑者は弁護士から、取調べにおける注意点や権利(黙秘権など)についてアドバイスを受けることができます。

  • 取調べへの適切な対応の助言

警察官による取調べは、精神的に大きなプレッシャーがかかります。弁護士は、どのような点に注意して供述すべきか、嘘や曖昧な供述を避ける方法など、具体的なアドバイスを提供します。

  • 証拠の収集・検討

弁護士は、被疑者に有利な証拠がないか、独自に調査・収集を行います。

  • 被害者との示談交渉

最も重要な役割が、被害者との示談交渉です。加害者本人やその家族が直接被害者と交渉しようとすると、感情的になったり、二次被害を生む可能性もあります。弁護士が間に入ることで、冷静かつ円滑に交渉を進めることができます。

  • 検察官・裁判官への意見書提出

弁護士は、示談交渉の状況や被疑者の反省の態度などを踏まえ、検察官や裁判官に対し、不起訴処分や勾留の取消しなどを求める意見書を提出します。

被害者との示談交渉の進め方

示談交渉は非常にデリケートなプロセスです。弁護士に依頼することで、以下のような形で進められます。

  • 被害者の特定と連絡

警察は個人情報を開示してくれません。弁護士は、警察や検察を通して、被害者の連絡先(あるいは弁護士の連絡先)を入手できるよう働きかけます。

  • 謝罪と反省の意思表示

まずは、加害者からの心からの謝罪と反省の意思を伝えることが重要です。書面や手紙を通じて、誠意を伝えることも有効です。

  • 示談金の提示と交渉

盗撮事件における示談金には、明確な相場があるわけではありません。被害者の精神的苦痛、犯行態様、被害の程度などによって異なります。弁護士は、これまでの経験と類似案件のデータに基づき、適切な示談金の金額を提示し、被害者側と交渉します。

  • 示談書の作成

示談交渉が合意に至ったら、示談書を作成します。示談書には、示談金の金額、支払方法、そして「被害者が加害者の刑事処罰を望まない」旨の条項(宥恕文言:ゆうじょもんごん)を盛り込むことが非常に重要です。

  • 示談金の支払い

示談書に基づいて、示談金を支払います。

示談金の相場は?

前述の通り、盗撮の示談金に明確な相場はありませんが、一般的には数十万円から100万円程度の範囲で示談が成立することが多いです。しかし、事案によっては、それ以上の金額となることもあります。

示談金の額は、以下の要素によって変動します。

  • 被害者の精神的苦痛の度合い:被害者が受けた精神的なショックが大きいほど、示談金は高くなる傾向があります。
  • 犯行の悪質性:計画性があったか、常習性があるか、複数の被害者がいるか、盗撮した動画や画像を拡散したかなど、犯行の悪質性が高いほど、示談金も高額になります。
  • 被害者の年齢や社会的立場:未成年者や社会的弱者への盗撮は、より悪質性が高いと判断される傾向があります。
  • 加害者の資力:加害者に十分な資力がある場合、被害者側から高額な示談金を求められることもあります。
  • 弁護士の交渉力:弁護士の交渉力によっても、示談金の金額は左右されることがあります。

示談交渉が難しい場合の対処法

全ての被害者が示談に応じてくれるわけではありません。被害感情が強く、示談交渉が難しいケースも存在します。そのような場合でも、弁護士は以下のような対応を検討します。

供託制度の利用

被害者が示談に応じない場合でも、加害者には被害弁償の意思があることを示すために、法務局に示談金を供託する制度です。供託することで、「被害者への弁償の意思があるにもかかわらず、被害者が受け取らない」という状況を客観的に示すことができます。

供託は、示談には至らないものの、検察官が起訴・不起訴を判断する際に、加害者の反省や更生の態度を示す有利な材料となり得ます。

謝罪文の提出

被害者への謝罪と反省の気持ちを示す謝罪文を作成し、検察官に提出することも有効です。示談ができない場合でも、加害者の反省の姿勢を示すことで、処分の軽減につながる可能性があります。

反省を示す行動

示談交渉とは別に、加害者自身が反省の姿勢を示す行動を取ることも重要です。例えば、家族や友人からのサポートを得て、二度と犯罪を繰り返さないための具体的な計画を立てる、専門機関でのカウンセリングを受けるなどが挙げられます。

早期示談を実現するための弁護士選びのポイント

早期示談の成功は、適切な弁護士を選ぶことにかかっていると言っても過言ではありません。では、どのような弁護士を選べば良いのでしょうか?

刑事事件の経験が豊富であること

一口に弁護士と言っても、得意分野は様々です。刑事事件、特に性犯罪や盗撮事件の弁護経験が豊富な弁護士を選ぶことが重要です。経験豊富な弁護士は、事件の見通しを正確に判断し、適切な戦略を立てることができます。

示談交渉に長けていること

示談交渉は、単に法律知識があるだけでなく、相手の感情に配慮し、円滑なコミュニケーションを図る能力が求められます。被害者との示談交渉の実績が豊富で、交渉力に定評のある弁護士を選びましょう。

スピード感のある対応ができること

逮捕後の時間は限られています。特に、勾留の判断が下されるまでの48時間や24時間という期間は非常に短いため、スピーディーに動いてくれる弁護士を選ぶことが不可欠です。

連絡が密に取れること

事件の進捗状況や今後の見通しについて、依頼者への報告・連絡・相談を密に行ってくれる弁護士は、依頼者にとって安心感を与えてくれます。初回の相談時に、連絡の頻度や方法について確認しておくことをお勧めします。

費用について明確な説明があること

弁護士費用は、着手金、報酬金、実費など、様々な項目があります。契約前に、費用について明確な説明があり、納得できる弁護士を選びましょう。費用の目安だけでなく、どのような場合に費用が発生するのか、追加費用が発生する可能性はあるのかなども確認しておくべきです。

初回相談の機会を活用する

多くの弁護士事務所では、初回無料相談を実施しています。この機会を積極的に活用し、複数の弁護士に話を聞いてみましょう。弁護士との相性も重要です。あなたが安心して任せられると感じる弁護士を選ぶことが大切です。

盗撮事件の解決を弁護士に依頼した場合の費用相場

弁護士費用は、事務所や事件の難易度によって大きく異なりますが、一般的な相場としては以下のようになります。

  • 着手金:20万円~50万円程度

弁護士に依頼する際に最初に支払う費用です。事件の着手時に発生します。

  • 報酬金:30万円~80万円程度(不起訴の場合、さらに高額になることも)

事件が解決した際に、その成果に応じて支払う費用です。不起訴処分や執行猶予を獲得した場合など、弁護活動が成功した場合に発生します。

  • 実費:数万円~数十万円

交通費、通信費、印紙代、謄写費用など、弁護活動に必要な実費です。

これらの他に、示談交渉が成功した場合には、示談金額の一定割合が報酬金として加算されるケースもあります。具体的な費用については、必ず契約前に弁護士から詳細な説明を受け、納得した上で契約を結ぶようにしましょう。

盗撮事件と向き合うあなたへ:人生を取り戻すために

盗撮という行為は、被害者に深い心の傷を負わせる許されない犯罪です。しかし、もしあなたが、あるいはあなたの大切な人がその渦中にいるのであれば、まずは現実と向き合い、適切な対応を早期に行うことが何よりも重要です。

早期示談は、刑事処分を回避し、社会生活への影響を最小限に抑え、そして何よりも、あなたの人生を再スタートさせるための大きな希望となり得ます。そのためには、弁護士という専門家の力を借りることが不可欠です。

この困難な状況から抜け出し、人生を取り戻すために、勇気を出して一歩を踏み出してください。適切なサポートを受けることで、きっと道は開けるはずです。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

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