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自己破産すると家族はどうなる?影響が出ること・出ないことを分かりやすく整理

2026.03.24 弁護士コラム

借金の返済が限界に達し、自己破産を考え始めたとき、真っ先に頭をよぎるのは「家族に迷惑がかかるのではないか」という不安ではないでしょうか。配偶者の財産まで取り上げられるのか、子どもの進学や就職に支障が出るのか、親に知られてしまうのか――心配の種は尽きません。

結論からお伝えすると、自己破産によって財産を処分されたり、信用情報に傷がつくのは本人だけです。家族が直接的に不利益を受けることは、原則としてありません。ただし、同居している場合や、家族が保証人になっている場合には、間接的な影響が避けられないケースもあります。

この記事では、自己破産が家族にもたらす影響を、実際に及ぶものと及ばないものに整理したうえで、家族への負担をできるだけ小さくするための方法までお伝えします。漠然とした不安を抱えたまま動けずにいる方は、ぜひ読み進めてみてください。なお、この記事でいう自己破産とは、裁判所を通じて行う法的な債務整理手続きのことを指しています。

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そもそも自己破産とは?仕組みをおさらい

自己破産とは、裁判所に申し立てを行い、借金の返済義務を免除してもらう手続きです。返済に充てるべき財産がある場合はそれを換金して債権者に配当し、それでも残った借金については免責(返済義務の免除)が認められれば、支払わなくてよくなります。

ただし、何のペナルティもなく借金が消えるわけではありません。本人名義の財産のうち、一定額を超えるものは手放す必要がありますし、いわゆるブラックリストに登録されるため、5年から10年程度は新たな借り入れやクレジットカードの作成ができなくなります。また、手続き中は一部の職業に就けなくなる資格制限もあります。なお、手元に残せる自由財産として99万円までの現金が認められているため、破産後に一切の生活手段を失うわけではありません。

ポイントは、これらのデメリットはあくまで自己破産を申し立てた本人に課されるものだということです。家族の財産が差し押さえられたり、家族の信用情報に傷がついたりすることはありません。この前提を頭に入れたうえで、具体的にどんな場面で家族に影響が出るのかを見ていきましょう。

自己破産で家族に影響が出る5つのケース

原則として家族に直接の影響はないとはいえ、現実には無関係でいられない場面も存在します。特に同居している家族がいる場合は、生活環境の変化を通じて間接的な影響を受ける可能性が高くなります。

持ち家を手放すことになる

自己破産で最も家族への影響が大きいのが、住まいの問題です。破産者本人の名義で持ち家がある場合、その家は換価処分の対象となり、最終的には手放さなければなりません。住宅ローンが残っていればローン会社が抵当権を実行しますし、ローンを完済済みでも20万円以上の資産価値があれば処分対象です。

家族が一緒に暮らしていたとしても例外にはなりません。新しい住居を探す必要が出てきますし、子どもがいれば転校を余儀なくされることもあります。なお、今の住まいが賃貸であれば、自己破産を理由に退去を求められることはないので、その点は安心してください。

また、夫婦共同名義で自宅を所有している場合はさらに複雑です。破産者の持分だけが処分対象となりますが、第三者が持分を取得すると共有関係になり、住み続けることが事実上困難になるケースが多いです。こうした場合、共有者である配偶者に持分の買い取りを打診されることもあります。

家族が保証人になっている借金がある

自己破産によって本人の返済義務は免除されますが、保証人や連帯保証人の返済義務はそのまま残ります。もし配偶者や親が保証人になっていた場合、債権者からの請求がそちらに向かうことになります。

しかも、保証人への請求は通常、残債の一括払いです。毎月少しずつ返していた借金が、ある日突然まとめて保証人に降りかかるわけですから、家族にとっては大きな負担となります。最悪の場合、保証人になっている家族自身も債務整理を検討しなければならなくなるケースすらあります。

特に多いのが、子どもの奨学金の連帯保証人に親がなっているパターンです。子どもが自己破産すると親に一括請求が届く可能性があるため、事前の話し合いが不可欠になります。住宅ローンや事業資金の借入で家族が保証人になっているケースも同様です。

自動車やその他の財産が処分される

本人名義の自動車も、査定額が20万円を超える場合は処分の対象になります。家族の送迎や買い物など、日常的に車を使っている家庭では、車がなくなることで生活が一変するかもしれません。特に公共交通機関が発達していない地域にお住まいの方は、影響が大きいでしょう。

また、本人名義の生命保険も、解約返戻金が20万円を超える場合は解約を求められることがあります。子どものために掛けていた学資保険なども、名義が破産者本人であれば対象です。ただし、自由財産の拡張が認められれば手元に残せる可能性もあるため、弁護士に相談してみる価値はあります。

家計全体の資金繰りが変わる

自己破産すると、本人名義の預貯金のうち一定額を超える分は回収されます。また、ブラックリストに載ることで、本人はクレジットカードを持てなくなり、新たなローンも組めなくなります。

共働き世帯であっても、家計のやりくりに影響が出る場面は少なくありません。たとえば、これまで本人名義のカードで支払っていた家族カードも使えなくなりますし、携帯電話の端末分割購入もできなくなります。日常の買い物から大きな出費まで、支払い方法を見直す必要が出てきます。ETCカードやポイントカードとの連携も途切れるため、生活のあちこちで小さな不便を感じる場面が増えるでしょう。

手続きの過程で家族に知られる

できれば家族に内緒で自己破産したいと考える方もいますが、同居家族に隠し通すのは現実的にかなり難しいです。裁判所への申し立てには、同居家族の収入証明や家計の状況を示す資料の提出が求められます。配偶者の給与明細や通帳のコピーなどを、本人に気づかれずに用意するのは容易ではありません。

また、家族が債権者(お金を貸している側)である場合は、弁護士から受任通知が届くことで自己破産の事実が発覚します。別居している親族にまで知られる可能性は低いものの、同居家族に対しては、隠すよりも事前に打ち明けて協力を求めるほうが賢明でしょう。

誤解されがちだけど、実は家族に影響しないこと

自己破産に対するネガティブなイメージが強い日本では、実際にはないデメリットまで心配してしまう方が少なくありません。ここでは、よくある誤解を解いておきます。

家族の信用情報には傷がつかない

ブラックリストに登録されるのは自己破産をした本人だけです。配偶者や子どもの信用情報には一切影響しません。そのため、家族名義でクレジットカードを作ったり、住宅ローンを申し込んだりすることは、本人の自己破産とは無関係に審査されます。ただし、破産者本人が契約していた家族カードは使えなくなるため、配偶者が改めて自分名義でカードを申し込む必要がある点は覚えておきましょう。

家族の就職・進学に支障は出ない

親が自己破産したからといって、子どもの就職活動や入学試験に不利になることはありません。自己破産の事実は戸籍や住民票に記載されませんし、学校や企業が個人の信用情報を照会することも通常はありません。破産手続き中に一部の資格が制限されることはありますが、それは破産者本人だけの話であり、家族には一切関係のないことです。

家族名義の財産は処分されない

処分の対象になるのは、あくまで破産者本人名義の財産に限られます。配偶者名義の預貯金、親名義の不動産、子ども名義の貯金などは原則として手をつけられません。ただし、破産直前に本人の財産を家族名義に移し替えるような行為は、財産隠しとみなされて免責が認められなくなるリスクがあるため、絶対に避けてください。管財人は財産の動きを細かくチェックしますので、少額であっても不自然な名義変更は見つかると考えておくべきです。

戸籍や住民票に記録は残らない

自己破産の事実は、官報という政府発行の機関紙に氏名と住所が掲載されます。しかし、官報を日常的にチェックしている人はほとんどいません。戸籍にも住民票にもマイナンバーカードにも記載されないため、近隣住民や知人に知られる心配はまずないと考えて大丈夫です。「近所で噂になるのでは」「子どもが学校でいじめられるのでは」と不安に思う方は多いですが、破産の事実が第三者に漏れる可能性は極めて低いのが実情です。

配偶者との離婚は不要

「破産するなら離婚しなければ配偶者に迷惑がかかる」と考える方がたまにいますが、その必要はありません。自己破産は本人だけの手続きであり、婚姻関係には何の影響も及ぼしません。離婚して財産を分けてから破産しようとすると、むしろ財産隠しとみなされるおそれがあるので注意が必要です。同様に、「配偶者も一緒に破産しなければならない」というのも誤解です。破産するのは債務者本人だけであり、配偶者に自動的に影響が波及することはありません。

家族への影響をできるだけ抑えるためにできること

自己破産が避けられない状況であっても、事前の準備と正しい選択によって、家族への影響を最小限に食い止めることは十分に可能です。

早い段階で弁護士に相談する

借金問題は、追い詰められてからよりも、まだ選択肢があるうちに専門家へ相談するのが鉄則です。弁護士に早期に相談すれば、自己破産以外の方法(任意整理や個人再生)で解決できる可能性も含めて、家族への影響が最も小さい手段を一緒に検討してもらえます。

特に、持ち家を残したい場合は個人再生の住宅ローン特則が有効ですし、保証人がいる借金を対象から外したい場合は任意整理が適しています。どの手続きが最善かは個々の状況によって異なるため、自己判断で動く前にプロの意見を聞くことが大切です。初回相談を無料で受け付けている事務所も多いので、費用面のハードルは思っているより低いはずです。

家族には正直に事情を伝える

内緒にしたい気持ちは痛いほど分かりますが、同居家族に隠したまま手続きを進めるのは現実的に難しく、仮にできたとしても後からバレたときに信頼関係を大きく損ないます。

家族に打ち明けることで、今後の生活設計を一緒に考えられるようになります。たとえば、家族名義での賃貸契約や、家族カードに代わる支払い方法の検討など、事前に話し合っておけば混乱を防げます。精神的にも、一人で抱えているときよりずっと楽になるはずです。切り出しにくければ、弁護士との相談に家族を同席させるのも一つの方法です。専門家から客観的に状況を説明してもらうことで、冷静に受け止めてもらいやすくなります。

保証人への対応を事前に考えておく

家族が保証人になっている借金がある場合は、自己破産の前に必ず本人と話し合いの場を設けましょう。いきなり債権者から一括請求の通知が届くのと、事前に事情を説明されているのとでは、受ける衝撃がまるで違います。場合によっては、保証人である家族自身も任意整理や個人再生を検討する必要があるため、弁護士を交えて対応策を練っておくのが理想的です。

まとめ

自己破産が家族に与える影響は、世間で思われているほど大きくはありません。財産の処分やブラックリスト登録といったデメリットは本人にしか及ばず、家族の就職や進学、信用情報、戸籍に傷がつくことはありません。

ただし、持ち家を失う、保証人に請求が行く、家計のやりくりが変わるといった間接的な影響は確かに存在します。大切なのは、これらの影響を正しく理解したうえで、被害を最小限にとどめる手を早めに打つことです。

借金の問題は、先送りにすればするほど選択肢が狭まります。もし今、返済に行き詰まりを感じているなら、家族のためにこそ、一日でも早く専門家に相談してみてください。正しい知識と適切なサポートがあれば、自己破産を経ても家族との生活を立て直すことは十分にできます。自己破産は人生の終わりではなく、家族と一緒に再スタートを切るための制度です。必要以上に恐れず、冷静に最善の道を選んでいきましょう。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

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