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弁護士コラム

弁護士が明かす:不倫慰謝料を高額化させるための秘訣!

2025.01.17

パートナーの不倫が発覚したとき、まず頭をよぎるのは「慰謝料はどれくらい請求できるのか?」という疑問ではないでしょうか。さらに、「どうすれば高額な慰謝料を得られるのか?」「どんな証拠を集めれば有利になるのか?」など、悩みは尽きないかと思います。

本記事では、不倫慰謝料請求の基本的な金額相場から、高額化を目指すための具体的なポイントをわかりやすく解説します。長期間の不倫や妊娠中の不倫など、高額の慰謝料が認められやすいケースの実例に加え、「示談交渉を成功させるコツ」や「弁護士の上手な活用法」まで、押さえておきたい実践的な情報を網羅。さらに、慰謝料を請求する相手が配偶者なのか、不倫相手なのか、それとも両方なのかといった、気になる手続き上のポイントも詳しく取り上げます。

誰しも、辛い思いをした分はしっかりと取り戻したいもの。本記事が、不倫問題の解決に向けて行動するあなたの一助となれば幸いです。ぜひ最後までご覧いただき、確実な一歩を踏み出してください。

不倫の慰謝料っていくらもらえるの?

一般的な慰謝料の相場金額

不倫による慰謝料請求において、最も気になるのは「いくらもらえるのか」という点ですよね。多くの方がこの悩みを抱えています。

慰謝料の基本的な相場をお伝えしますと、配偶者への請求では200万円~300万円、不倫相手への請求では100万円~200万円が一般的な金額となっています。また、両方に請求する場合は、300万円~500万円程度となることが多いのです。

具体的な事例を見てみましょう。たとえば、会社員の夫が同僚と不倫していた場合、妻から夫への請求額は250万円、不倫相手への請求額は150~200万円といった形が一般的です。しかし、これはあくまでも基本的な相場であり、実際の金額は様々な要因によって変動します。

このような相場を知っておくことで、ご自身の状況に応じた適切な請求額を検討することができます。

不倫の期間や回数による金額の違い

不倫の期間や回数は、慰謝料額を大きく左右する重要な要素となります。なぜなら、長期間の不倫や複数回の不倫は、より大きな精神的苦痛を伴うと考えられているからです。

具体的な金額の違いを見ていきましょう: ・一回限りの不倫:基本相場(200万円~300万円) ・半年以上の不倫:基本相場の1.5倍(300万円~450万円) ・1年以上の不倫:基本相場の2倍(400万円~600万円) ・複数回の不倫:基本相場の2~3倍(400万円~900万円)

たとえば、このような事例があります。夫が3年間にわたって不倫を続けていた場合、精神的苦痛の度合いが著しく大きいと判断され、基本相場の2.5倍となる750万円の慰謝料が認められました。このように、不倫の継続期間が長ければ長いほど、慰謝料額は増加する傾向にあるのです。

示談と裁判での金額の違い

慰謝料請求の方法として、示談と裁判という2つの選択肢がありますが、それぞれで得られる金額に違いがあります。

示談の場合は、一般的に100万円~300万円程度での解決となることが多く、1~3ヶ月という比較的短期間で解決できるメリットがあります。たとえば、不倫が発覚後、すぐに謝罪があり、誠実な対応があった場合などは、示談での解決が望ましいケースと言えます。

一方、裁判では200万円~500万円程度の認定額となることが多く、示談よりも高額な慰謝料を得られる可能性が高くなります。ただし、6ヶ月~1年程度の期間がかかり、弁護士費用などの経費も必要となります。

具体例を挙げると、ある裁判では、不倫の証拠が明確で、相手方の収入も高額だったことから、600万円という高額の慰謝料が認められました。このように、裁判では様々な要素を総合的に判断した上で、慰謝料額が決定されるのです。

最後に、重要なのは、示談か裁判かの選択は、単に金額の多寡だけでなく、以下の要素も考慮して決めることです:

  • 解決までにかかる時間
  • 精神的な負担
  • 費用対効果
  • 証拠の有無や質
  • 相手方の態度や経済状況

このように、慰謝料請求は様々な要素を考慮しながら、ご自身の状況に最も適した方法を選択することが大切です。

どんな場合に慰謝料が高額になるの?

長期間の不倫が発覚した場合

不倫の期間は、慰謝料額を決める重要な要因となります。一般的な不倫の慰謝料が200万円から300万円程度なのに対し、長期間の不倫では大幅な増額が認められます。1年以上継続していた場合は基本額の約2倍、3年以上になると2.5倍から3倍、さらに5年以上続いていた場合には3倍から4倍という具合に増額されていきます。

これは、長期間にわたる不倫によって、配偶者が受ける精神的苦痛がより深刻なものとなるためです。実際の裁判例では、7年間続いた不倫のケースで、1,200万円という高額な慰謝料が認められています。このように、不倫期間が長期化すればするほど、慰謝料額も比例して高くなる傾向にあります。

妊娠中や子育て中の不倫

妊娠中や子育て期間中の不倫は、特に悪質な行為として扱われます。この時期の不倫が発覚すると、基本額の2倍から3倍という大幅な増額が認められることが一般的です。特に妊娠期間中や出産直後の不倫は、母体の健康や胎児への影響も考慮され、より深刻に受け止められます。

ある裁判例では、妊娠7ヶ月の妻が夫の不倫を知り、強いストレスにより切迫早産の危険にさらされたケースで、800万円という高額の慰謝料が認められました。これは、妊婦の心身の安定が特に重要な時期であることや、生まれてくる子どもへの影響も考慮されたためです。

生活費や貯金を使い込んでいた場合

不倫相手との交際に家族の生活費や貯金を使用していた場合、精神的苦痛に加えて経済的損失も考慮され、慰謝料は大幅に増額されます。一般的に、流用された金額と同額が慰謝料に上乗せされる傾向にあります。

たとえば、3年間にわたって毎月10万円の生活費を不倫相手との交際に費やしていた場合、360万円という損害額が通常の慰謝料に加算されることになります。さらに、クレジットカードの利用や高額な贈り物、旅行費用なども含めて計算されます。このように、金銭的な被害を伴う不倫では、実際の損失額に加えて、家族の生活基盤を脅かした点も考慮され、最終的な慰謝料額は非常に高額になることがあります。

これらのケースでは、不倫の事実に加えて金銭の流用額を立証することが重要になります。通帳の写しやクレジットカードの利用明細など、具体的な証拠を早い段階から収集・保管しておくことで、より確実な慰謝料請求が可能になります。

高額の慰謝料をもらうために必要なこと

不倫の証拠集めのコツ

不倫の慰謝料を高額にするためには、何よりも確実な証拠の存在が重要です。ただし、証拠集めには適切な方法と慎重さが求められます。

まず、スマートフォンやパソコンに残された電子記録は重要な証拠となります。LINEやメールのやり取り、写真データ、位置情報の履歴などは、不貞行為を証明する有力な証拠になります。これらをスクリーンショットで保存する際は、日時が分かるように撮影することが大切です。

また、ホテルの領収書やデート場所での支払い記録、クレジットカードの利用明細なども有効な証拠となります。これらの記録は、できるだけ原本を保管し、コピーも取っておくことをお勧めします。

ただし、尾行や盗撮など、違法行為や過度な追跡は、なるべく避けるべきです。探偵社に依頼する場合も、信頼できる業者を選び、法的に認められる範囲内での調査を依頼することが重要です。

示談交渉で高額を引き出すポイント

示談交渉では、冷静さを保ちながら戦略的に進めることが高額の慰謝料を引き出すカギとなります。

示談交渉の初期段階では、全ての証拠を一度に見せるのではなく、段階的に提示していくことが効果的です。まず、決定的な証拠の一部を示して相手の反応を見極め、その後、追加の証拠を提示することで、より有利な交渉が可能になります。

また、感情的な言葉は避け、具体的な被害事実や金額を淡々と提示することが重要です。特に経済的損失については、具体的な金額と証拠を示しながら、冷静に交渉を進めましょう。

相手の態度や発言内容は必ずメモを取り、日付と内容を記録していくことも大切です。これらの記録は、後の交渉や裁判で重要な資料となります。

弁護士さんの上手な活用方法

弁護士の選択と活用は、高額慰謝料を獲得する上で非常に重要な要素となります。

まず、弁護士選びでは、不倫事件の取り扱い実績が豊富な弁護士を選ぶことが大切です。初回相談の際には、これまでの勝訴実績や得意分野について確認し、自分のケースに最適な弁護士かどうかを見極めましょう。

弁護士との相談では、できるだけ詳細な情報と収集した証拠を整理して提示することが重要です。時系列に沿って事実を整理し、証拠と共に説明することで、より効果的な法的戦略を立てることができます。

また、弁護士費用についても、着手金や成功報酬の仕組みをしっかりと確認しておくことが大切です。一般的に、着手金は20万円から30万円程度、成功報酬は獲得額の10%から20%程度となりますが、弁護士によって異なります。

最後に、弁護士からのアドバイスは必ずメモを取り、分からない点があればその場で確認することをお勧めします。専門的な法律用語は、分かりやすく説明を求めることで、より良い理解と判断が可能になります。

誰に慰謝料を請求できるの?

配偶者に請求する場合のポイント

配偶者への慰謝料請求は、婚姻関係における誠実義務違反を根拠としています。より確実に慰謝料を獲得できる相手として、まず検討されることが多い方法です。

配偶者への請求では、婚姻関係における様々な事情が考慮されます。結婚期間の長さ、子供の有無、家計の状況など、これらの要素が慰謝料額に影響を与えます。特に、配偶者の収入が安定している場合は、支払い能力の面からも有利な選択となります。

ただし、配偶者への請求では、離婚に発展する可能性も考慮する必要があります。慰謝料請求と同時に、養育費や財産分与なども含めた包括的な解決を目指すことが賢明です。

不倫相手に請求する場合のポイント

不倫相手への請求は、婚姻関係を破壊した不法行為に基づくものです。相手の社会的地位や収入によっては、高額な慰謝料を期待できる場合があります。

不倫相手への請求では、特に証拠の重要性が高くなります。不貞行為の事実を明確に証明できる証拠、例えばホテルの領収書やメールのやり取り、写真などが必要です。また、不倫相手の収入や資産状況も、請求額を決める重要な要素となります。

ただし、不倫相手が既婚者の場合は、その配偶者への影響も考慮する必要があります。また、職場の同僚との不倫の場合は、職場への影響も慎重に検討すべきでしょう。

両方に請求する場合の注意点

配偶者と不倫相手の両方に請求する場合、総額としてより高額な慰謝料を期待できます。しかし、以下の点に特に注意が必要です。

まず、請求の順序を慎重に検討する必要があります。一般的には、まず配偶者に請求し、その後に不倫相手へ請求するケースが多くなっています。これは、配偶者との関係を優先的に整理し、その後に不倫相手への対応を進めるという考えに基づいています。

また、両方への請求では、それぞれの支払い能力や生活状況を考慮した金額配分が重要です。例えば、配偶者より不倫相手の方が収入が多い場合は、不倫相手により多くの負担を求めることも検討できます。

さらに、両方に請求する場合は、より多くの時間と労力、そして費用が必要になります。弁護士費用も二重にかかる可能性があるため、費用対効果を十分に検討する必要があります。

結論として、誰に請求するかは、以下の要素を総合的に判断して決めることが重要です:

  • ・それぞれの支払い能力
  • ・証拠の有無と質
  • ・今後の人間関係への影響
  • ・請求にかかる時間と費用
  • ・将来的な生活設計

まとめ

不倫による慰謝料請求は、決して簡単なプロセスではありません。しかし、適切な知識と準備があれば、納得のいく解決を導くことは十分に可能です。

まず、慰謝料の相場を理解し、ご自身のケースでどの程度の金額が見込めるのかを把握することが重要です。そして、増額が認められる要因を確認し、該当する事実があれば、それを裏付ける証拠をしっかりと収集します。

高額の慰謝料を獲得するためには、証拠収集から示談交渉、そして必要に応じて法的手続きまで、一連の流れを戦略的に進めることが大切です。この過程では、感情的になりすぎず、冷静な判断を心がけましょう。

また、請求の相手についても、配偶者なのか不倫相手なのか、あるいは両方なのか、状況に応じて最適な選択をする必要があります。この選択は、将来の生活にも大きく影響する重要な決断となります。

こうした慰謝料請求の過程では、必要に応じて弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家のサポートを受けることで、より確実で適切な解決への道が開けるでしょう。

最後に大切なのは、慰謝料請求は決してゴールではなく、新しい人生を歩み出すためのスタートラインだということです。金銭的な解決と共に、精神的な回復も大切にしながら、前を向いて歩んでいってください。

あなたの新しい人生のために、このガイドが少しでもお役に立てば幸いです。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

平田弁護士について

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