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離婚後の共同親権とは?2024年法改正で何が変わるのか|制度の概要と選択時の考え方

2026.02.24 弁護士コラム

2024年5月17日、民法が改正され、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」が選択できる制度が成立しました。これは、日本の家族法において約80年ぶりの大きな変革とされています。これまで日本では、離婚後は父母のどちらか一方だけが親権を持つ「単独親権」制度のみが採用されており、国際的にも珍しい制度として注目されていました。

共同親権の導入をめぐっては、「離婚しても両親が子どもの養育に関わり続けられる」「子どもにとって父母両方との関係を維持できる」という期待がある一方で、「元配偶者と協議し続けなければならない負担」「DV(ドメスティックバイオレンス)や虐待のケースでの安全性への懸念」といった課題も指摘されてきました。

「離婚を考えているが、共同親権と単独親権のどちらを選べばいいのか」「共同親権になると、日常の決定も元配偶者の同意が必要になるのか」「自分たちの状況では共同親権は向いているのか」。このような疑問や不安を持つ方は非常に多くいます。

この記事では、2024年改正で導入される共同親権制度の基本的な枠組み、従来の単独親権との違い、共同親権を選択する際の考え方、そして制度を利用する上での注意点まで、現時点で分かっている情報を基に解説していきます。

注意:本記事は20245月の改正民法成立時点の情報に基づいています。施行に向けて具体的な運用方法や詳細なルールが定められる可能性があります。実際に離婚を検討される際は、最新の情報を確認し、専門家に相談することを強くおすすめします。

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親権制度の基本と今回の法改正の概要

まず、親権とは何か、そして今回の法改正で何が変わるのかを理解しましょう。

親権とは何か

親権とは、未成年の子どもを養育し、その財産を管理する権利と義務のことです。具体的には、以下のような内容が含まれます。

身上監護に関する権利義務 子どもの生活全般に関する事項です。どこに住むか、どの学校に通わせるか、医療を受けさせるか、日常のしつけをどうするかなど、子どもの生活や教育に関する事項を決定する権限と、それを適切に行う責任を指します。

財産管理に関する権利義務 子どもの財産を管理する事項です。子ども名義の預金、相続した財産、祖父母からの贈与などを、子どもの利益のために適切に管理する責任があります。

法定代理に関する権利 子どもが法律行為をする際に、親が代理人として行動する権利です。契約を結ぶ際の同意や署名、子どもに代わって法的手続きを行うことなどがこれにあたります。

親権は、単なる「権利」ではなく、子どもの健全な成長を保障するための「義務」でもあるという点が重要です。

従来の単独親権制度

2024年改正前の日本では、婚姻中は父母が共同で親権を行使しますが、離婚すると、必ずどちらか一方だけが親権者となる「単独親権」制度が採用されていました。

従来の制度では、親権を持たない親は、法律上、子どもに関する重要な決定に関与する権限がありません。子どもと面会する権利(面会交流権)は認められていますが、学校や進路、医療などの決定には関われませんでした。

統計によれば、離婚後の親権者は約90%が母親となっています。これは、特に子どもの年齢が低い場合に母親との関係が重視されてきたこと、また実際に主たる養育者が母親であるケースが多かったことなどが背景にあります。

従来の単独親権制度に対しては、「親権を失った親が子どもとの関係を断たれる」「子どもが片方の親との関係を失うことで心理的な影響を受ける可能性がある」「国際結婚の離婚時に、一方の親が子どもを自国に連れ帰ると、もう一方の親が親権を失い、国際的な子の連れ去り問題になる」といった指摘がありました。

2024年改正の基本的な枠組み

2024年5月17日に成立した改正民法では、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を選択できる制度が導入されました。ただし、すべての離婚で共同親権が義務づけられるわけではなく、「単独親権」か「共同親権」かを選択できる仕組みとなっています。

改正法の基本的な考え方は以下の通りです。

選択制の導入 離婚時に、父母の協議または裁判所の判断により、共同親権か単独親権かを選択します。父母が合意すれば共同親権を選べますし、合意できない場合や一方が反対する場合は、裁判所が子の利益を基準に判断します。

子の利益の最優先 共同親権か単独親権かの判断において、「子の利益」が最も重要な基準とされます。父母の希望だけでなく、子どもにとって何が最善かを第一に考えて判断されます。

DV・虐待への配慮 父母の一方がDVや児童虐待を行っていた場合など、共同親権が子の利益に反する場合は、共同親権は認められません。被害者や子どもの安全が最優先されます。

親権の変更可能性 離婚時に決めた親権の形態(共同親権または単独親権)は、その後の事情の変化に応じて変更できるとされています。

施行時期と今後の動き

改正民法は2024年5月17日に成立しましたが、施行日は「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日」とされています。つまり、2025年5月までには施行される見込みです。

施行日までに離婚した場合は、従来通り単独親権となります。ただし、施行後に、当事者の合意や裁判所の決定により、共同親権に変更することも可能とされる見込みです。

施行に向けて、法務省や裁判所などで具体的な運用方法、必要な書類や手続き、詳細なガイドラインなどが整備される予定です。実際に制度を利用する際は、最新の情報を確認することが重要です。

共同親権と単独親権の違い

共同親権を選んだ場合と単独親権を選んだ場合で、実際にどのような違いがあるのでしょうか。

親権行使の基本的な考え方

共同親権の場合 父母双方が法律上の親権者となり、子どもに関する重要な事項については、原則として父母が共同で決定します。ただし、すべての事項で常に両方の同意が必要というわけではありません。

法改正の議論では、日常的な事項については一方の親だけで決定でき、重要な事項のみ共同で決定するという方向性が示されていました。また、急を要する場合や緊急時には、一方の親だけで決定できる仕組みも検討されています。

単独親権の場合 一方の親のみが親権者となり、子どもに関するすべての事項を単独で決定できます。もう一方の親は、面会交流を通じて子どもと関わることはできますが、法律上の決定権はありません。

迅速な意思決定が可能である一方、非親権者の意見は法律上反映されないという特徴があります。

決定が必要な事項の範囲

共同親権の場合、どのような事項について共同での決定が必要になるかは、施行までにより詳細に定められる見込みです。一般的には、以下のような区別が想定されています。

日常的な事項(一方の親だけで決定可能と想定されるもの)

  • 毎日の食事の内容や生活リズム
  • 日常的な買い物(衣服、文房具など)
  • 習い事の送迎や日程調整
  • 日常的な健康管理(風邪での通院など)
  • 友人との遊びの許可
  • 門限や日々の生活ルール

重要な事項(共同での決定が必要と想定されるもの)

  • 進学先の選択(進学する学校の決定)
  • 居住地の大きな変更(特に遠方への引っ越し)
  • 手術などの重大な医療行為
  • パスポートの取得
  • 氏の変更
  • 子どもの財産に関する重要な行為

ただし、「日常的」と「重要」の線引きが必ずしも明確でない場合もあり、実際の運用では個別の判断が必要になることが予想されます。

意見が対立した場合の対処

共同親権において、父母の意見が対立し合意に至らない場合、どうなるのでしょうか。

改正法では、このような場合に家庭裁判所が判断を下す仕組みが設けられる予定です。父母のいずれかが裁判所に調停や審判を申し立て、裁判所が「子の利益」を基準に判断します。

ただし、裁判所の手続きには一定の時間がかかるため、その間に子どもの機会を逃してしまう可能性も指摘されています。このため、緊急性のある事項については、別途の対応が検討されています。

単独親権の場合は、このような対立は原則として生じません。親権者が単独で決定するため、意思決定は迅速です。

監護権との関係

親権と似た概念に「監護権」があります。監護権とは、実際に子どもを養育する権利義務のことです。

共同親権であっても、離婚後は子どもがどちらかの親と主に生活することが一般的です。この場合、子どもと同居している親を「監護親」、別居している親を「非監護親」と呼びます。

監護親は、日常的な養育を担当し、前述の「日常的な事項」については単独で決定できると想定されています。一方、非監護親は、定期的な面会交流を通じて子どもと関わり、重要事項の決定に参加します。

つまり、共同親権であっても、日常の養育と決定の大部分は監護親が行い、重要な決定の際に非監護親と協議するという形が基本になると考えられます。

共同親権のメリットとデメリット

共同親権を選択することの利点と課題について考えていきます。

共同親権の期待される利点

子どもが両親との関係を維持しやすい 離婚後も父母双方が親権を持つことで、子どもは法律上も心理的にも、両親が自分の親であり続けるという安心感を持ちやすくなります。「片方の親に捨てられた」という感覚を持たずに済む可能性があります。

一部の研究では、離婚後も両親と良好な関係を保てている子どもは、精神的に安定している傾向があるとされています。ただし、これは「両親の関係が協力的である」ことが前提です。

父母が子どもの養育に関わり続けられる 共同親権では、非監護親も重要な決定に関与できるため、「自分も親として責任がある」という意識を保ちやすくなります。これにより、子どもへの関心や養育への意欲が維持される可能性があります。

従来の単独親権制度では、親権を失った親が子どもとの関係を断ち、養育費も払わなくなるケースが多く見られました。共同親権は、この問題への一つの対応策として期待されています。

重要な決定に両方の視点が反映される 子どもの進学、医療、居住地など、重要な決定において、一方の親だけでなく両方の親の意見が考慮されることで、より慎重で多角的な判断が可能になる可能性があります。

共同親権の懸念される課題

父母の協議が負担になる可能性 重要な決定のたびに元配偶者と協議しなければならないことは、精神的な負担になる場合があります。特に、離婚原因が相手の不倫やDVだった場合、連絡を取り続けること自体が苦痛になることがあります。

また、何が「重要な事項」で協議が必要なのかが曖昧な場合、その判断自体で揉めることも想定されます。

意見が対立した場合の解決に時間がかかる 父母の意見が対立し、合意に至らない場合、最終的には家庭裁判所に判断を求める必要があります。しかし、裁判所の手続きには時間がかかり、その間に子どもの機会を逃してしまうリスクがあります。

例えば、進学先について意見が対立し、裁判所の判断を待っている間に入学手続きの期限が過ぎてしまう、といった問題が起こりえます。

DV・虐待のケースでの安全性への深刻な懸念 最も深刻な懸念は、DV(ドメスティックバイオレンス)や児童虐待があったケースです。加害者である元配偶者と継続的に連絡を取らなければならないことは、被害者にとって恐怖であり、心理的な支配が続く可能性があります。

また、子どもの居場所や学校などの情報を共有することで、加害者が被害者や子どもを追跡し、再び危害を加えるリスクも指摘されています。

改正法では、DVや虐待のケースでは共同親権を認めない方向性が示されていますが、実際の運用でどこまで被害者が保護されるかは、施行後の課題とされています。

子どもが板挟みになる可能性 父母の意見が対立した場合、子どもは「どちらの親の味方をするか」という板挟みの状況に置かれることがあります。本来、離婚によって親同士の対立から解放されるはずの子どもが、かえって紛争の中心に置かれる危険性があります。

メリット・デメリットの実現条件

共同親権のメリットが実現するかどうかは、父母の関係性に大きく依存します。

メリットが実現しやすい条件

  • 父母がお互いを尊重し、建設的に話し合える関係である
  • 子どものことを第一に考え、感情的にならずに協議できる
  • 居住地が近く、頻繁なコミュニケーションが可能である
  • 両親とも子どもの養育に積極的で責任感がある

デメリットが顕在化しやすい条件

  • 父母の対立が激しく、冷静な話し合いができない
  • DVや虐待の経歴がある
  • 一方の親が養育に無関心または非協力的である
  • 居住地が遠く離れている

共同親権を選択する際は、自分たちがどちらの条件に近いかを冷静に判断することが重要です。

共同親権を選択する際の考え方

どのような場合に共同親権を選ぶべきか、または避けるべきかを考えていきます。

共同親権が適している可能性のあるケース

以下のような状況では、共同親権が機能する可能性があります。ただし、最終的には個別の状況を慎重に判断する必要があります。

父母の関係が協力的である場合 離婚の原因が性格の不一致など、相手への強い憎悪や恐怖がない場合です。離婚後も冷静に話し合いができる、メールやLINEで連絡を取ることに抵抗がない、子どもの前では相手の悪口を言わない、といった成熟した関係が築けている場合です。

両親ともに養育に積極的である場合 父母双方が、子どもの養育に強い関心と責任感を持っており、積極的に関わりたいと考えている場合です。従来の制度では養育に熱心でも親権を取れなかった親が、共同親権により親としての役割を果たし続けられます。

子どもが両親との関係を望んでいる場合 子どもが一定の年齢に達しており、自分の意思で「両親と関わり続けたい」と希望している場合、その意思を尊重することが考えられます。ただし、子どもがどちらかの親に遠慮していないか、本心から言っているかを慎重に見極める必要があります。

居住地が近い場合 共同親権を機能させるには、頻繁なコミュニケーションが必要です。父母の居住地が近い場合、協議もしやすく、子どもも両方の親と関わりやすくなります。

共同親権を避けるべきケース

以下のような状況では、共同親権は適さない可能性が高く、単独親権を選択すべきと考えられます。

DV・虐待の経歴がある場合 配偶者へのDV、子どもへの虐待(身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト)があった場合、共同親権は絶対に避けるべきです。改正法でも、DVや虐待のケースでは共同親権は認められない方向性が示されています。

加害者が「反省している」「もう暴力は振るわない」と主張しても、多くの場合、根本的な問題は解決していません。共同親権を通じて、支配や虐待が継続するリスクが高いため、被害者と子どもの安全を最優先すべきです。

父母の対立が激しい場合 離婚原因が不倫などで、相手への憎悪が強く、顔を見ることも話すことも苦痛である場合、共同親権は機能しません。すべての決定で対立し、子どもが紛争の中心に置かれることになります。

このような場合、無理に共同親権を選ぶよりも、単独親権で明確に責任を分け、適切な面会交流を実施する方が、子どもにとって健全な可能性があります。

一方の親が養育に無関心である場合 片方の親が、子どもの養育に興味がなく、関わる意思がない場合、共同親権は意味がありません。形式的に共同親権としても、実際には決定に参加せず、監護親だけが責任を負うことになります。

むしろ、無関心な親が時々思いつきで口を出し、養育を混乱させるリスクもあります。

遠距離または海外居住の場合 父母の居住地が遠く離れている場合、特に一方が海外に住んでいる場合、共同親権の実効性は大幅に低下します。日常的なコミュニケーションが困難で、緊急時の対応もできません。

判断に迷う場合のアプローチ

共同親権を選ぶべきか迷った場合、以下のような視点で考えてみることが有効です。

具体的な場面を想定する 抽象的に「協力できるか」を考えるのではなく、具体的な場面を想定してみましょう。

  • 子どもが私立中学を受験したいと言ったら、元配偶者は協力してくれるか
  • 子どもが怪我をして入院が必要になったら、冷静に話し合えるか
  • 子どもの進路について意見が分かれたら、建設的に議論できるか

このような場面で、建設的な話し合いができると思えるなら、共同親権は機能する可能性があります。

子どもの年齢を考慮する 子どもが乳幼児の場合、今後15年以上、元配偶者と協力し続ける必要があります。一方、子どもが高校生の場合、あと数年で成人し、親権の問題は終了します。

長期間の協力が必要な場合ほど、慎重に判断すべきです。

専門家の意見を聞く 弁護士、家庭裁判所の相談窓口、カウンセラーなど、専門家の意見を聞くことも有効です。自分たちの関係を客観的に見てもらい、共同親権が適しているかのアドバイスを受けられます。

まずは様子を見る選択肢 いきなり共同親権と決めるのではなく、離婚後しばらくは単独親権とし、協力関係が築けるかを確認してから、共同親権に変更するという選択肢もあります。

改正法では親権の変更が認められる見込みですので、当初は保守的に単独親権を選び、実際に協力できることが確認できたら共同親権に移行することも可能です。

共同親権を選択する場合の準備と注意点

共同親権を選ぶと決めた場合、どのような準備が必要かを解説します。

詳細な養育計画の重要性

共同親権を機能させるには、離婚時に詳細な養育計画(ペアレンティングプラン)を作成することが非常に重要です。以下の項目を具体的に決めておくことが推奨されます。

日常的な養育の分担

  • 子どもはどちらの親と主に生活するか
  • 平日と週末の過ごし方
  • 長期休暇の分担
  • 学校行事への参加方法

面会交流の具体的な内容

  • 面会の頻度(月に何回、週に何回など)
  • 時間(何時から何時まで)
  • 場所
  • 宿泊の有無
  • 祝日や誕生日の扱い
  • 子どもの受け渡し方法

重要事項の決定方法

  • どのような事項について協議が必要か
  • 協議の方法(メール、対面など)
  • 意見が対立した場合の解決方法
  • 緊急時の対応

情報共有の方法

  • 学校の成績表、健康診断の結果などをどのように共有するか
  • 日常の様子をどの程度、どのような方法で報告し合うか

養育費と費用分担

  • 月々の養育費の金額と支払方法
  • 臨時の費用(入学金、修学旅行費、医療費など)の分担方法

これらを文書にまとめ、できれば公正証書にしておくことで、後々のトラブルを防げます。

コミュニケーション方法の工夫

共同親権では、継続的なコミュニケーションが必要です。感情的になりやすい元配偶者との連絡は、方法を工夫する必要があります。

記録が残る方法を使う メールやLINEなど、記録が残る文字ベースの連絡を基本とすることをおすすめします。電話は感情的になりやすく、「言った」「言わない」の争いになりがちです。

共同養育支援アプリの活用 最近では、共同養育を支援するアプリも登場しています。スケジュール共有、メッセージ交換、費用の記録などができ、すべて記録として残ります。

返信期限の設定 「連絡があったら○日以内に返信する」といったルールを決めておくと、一方が無視することを防げます。

定期的な見直しの機会

子どもの成長や生活環境の変化に応じて、養育計画を見直す機会を設けることも重要です。

例えば、「子どもが小学校に入学したら見直す」「思春期に入ったら面会の方法を再検討する」「1年ごとに養育計画を確認する」といった取り決めをしておきます。

見直しの場には、可能であれば、カウンセラーや調停委員など、第三者の同席を求めることも有効です。

親権変更の可能性を認識しておく

共同親権を選んだものの、実際には協力が困難だった、対立が激しくなった、という場合は、単独親権への変更を検討できます。

親権の変更は、父母の合意があれば比較的スムーズとされています。合意の上で家庭裁判所に申し立て、裁判所が「子の利益に適う」と判断すれば、変更が認められる見込みです。

合意がない場合でも、一方が家庭裁判所に親権変更の調停を申し立てることができます。

専門家のサポートの活用

共同親権を円滑に運用するには、専門家のサポートが有効です。

弁護士 養育計画の作成、取り決めの法的チェック、トラブル時の対応など、法律面でのサポートが受けられます。特に、共同親権制度は新しい制度であり、専門家のアドバイスが重要です。

家庭裁判所 離婚時だけでなく、離婚後も、養育に関する問題が生じた場合は、家庭裁判所の調停を利用できます。

カウンセラー・心理士 共同養育に関する心理的なサポート、子どもの心理状態の評価、コミュニケーションスキルの向上などをサポートしてもらえます。

支援団体 離婚家庭や共同養育を支援するNPOや団体もあります。同じような状況の人たちと情報交換したり、具体的なアドバイスを受けたりできます。

まとめ

2024年5月の民法改正により、日本でも離婚後の共同親権が選択できるようになりました。この制度は、子どもが両親との関係を維持できる、父母が協力して養育できるという利点が期待される一方、父母の協議が負担になる、DV・虐待のケースでの安全性への懸念といった課題も指摘されています。

共同親権が適している可能性があるのは、父母の関係が協力的で、両親ともに養育に積極的であり、子どもも両親との関係を望んでいるケースです。逆に、DV・虐待の経歴がある、父母の対立が激しい、一方の親が養育に無関心といったケースでは、単独親権を選ぶべきと考えられます。

共同親権を選択する場合は、詳細な養育計画を作成し、コミュニケーション方法を工夫し、定期的な見直しの機会を設けることが重要です。また、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、共同親権をより良く機能させることができます。

重要な注意点: 本記事は2024年5月の法改正成立時点の情報に基づいており、施行に向けて具体的な運用方法や詳細なルールが変更される可能性があります。実際に離婚を検討される際は、施行後の最新情報を確認し、弁護士などの専門家に相談することを強くおすすめします。

最も大切なのは、「子どもにとって何が最善か」という視点です。親の権利や感情ではなく、子どもの幸せを第一に考えて、共同親権か単独親権かを選択しましょう。この記事が、新しい共同親権制度について考える際の参考になれば幸いです。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

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