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広島でDVから逃れて離婚するための完全ガイド|今すぐ知るべき保護と法的手続き

2025.11.08 弁護士コラム

あなたの身に危険が迫っているなら、今すぐ110番してください 広島市配偶者暴力相談支援センター:082-254-022024時間対応) DV相談ナビ:#8008(全国共通・最寄りの相談窓口につながります)

殴られた。蹴られた。物を投げつけられた。首を絞められた。

配偶者からの暴力は、犯罪です。「夫婦だから」「家族だから」許されることではありません。我慢する必要も、隠す必要もありません。

この記事は、広島でDV被害に遭っている方が、安全に逃れて離婚するための実践的なガイドです。今日からできる身の守り方、証拠の集め方、利用できる支援制度、そして法的な手続きまで。命を守るための情報を、緊急度の高い順にお伝えします。

通常の離婚とは違い、DV離婚では「スピード」と「安全確保」が最優先です。読みながら、今すぐ実行できることから始めてください。

一人で悩んでいませんか?

弁護士に相談することで、解決への道筋が見えてきます。

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目次 [閉じる]

【緊急】今すぐ実行すべき5つの安全対策

暴力がエスカレートする前に、まず身を守る準備をしましょう。

緊急連絡先を携帯に登録

すぐに電話できる体制を

  • 警察:110
  • DV相談ナビ:#8008
  • 広島市配偶者暴力相談支援センター:082-254-0220
  • 実家や友人の電話番号(複数)

スマホの緊急連絡先に登録しておけば、ロック画面からでも電話できます。

逃げる時の持ち物リストを作る

いざという時、慌てて何も持たずに逃げることになりがちです。事前にリストを作り、すぐに持ち出せる場所にまとめておきましょう。

絶対に必要なもの

  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証)
  • 通帳とキャッシュカード、印鑑
  • 携帯電話と充電器
  • 家や車の鍵
  • 常備薬

子どもがいる場合

  • 子どもの身分証明書(保険証、母子手帳など)
  • 子どもの着替えとおむつ
  • 学校の連絡先

あれば持っていくもの

  • 現金(数万円あると安心)
  • DVの証拠(写真、診断書、メモ)
  • 年金手帳
  • 戸籍謄本や住民票(コピーでも可)

これらを目立たない袋やリュックに入れて、クローゼットの奥や車のトランクなど、相手に気づかれない場所に隠しておきましょう。

信頼できる人に状況を伝えておく

DVのことを誰かに話しておくことは、命を守ることにつながります。

実家の親、兄弟姉妹、親友。信頼できる人に、「実は暴力を受けている」と打ち明けてください。

「何かあったら連絡する。その時はすぐに来てほしい」「○日以内に連絡がなかったら、警察に通報してほしい」。こうした約束をしておくだけで、安全性が高まります。

避難場所を決めておく

いざという時、どこに逃げるか。事前に決めておきましょう。

選択肢

  • 実家(相手が場所を知らない親族の家も可)
  • 友人の家
  • ホテル
  • DVシェルター(広島県女性総合相談支援センター等)
  • 警察署(一時的な避難場所として)

シェルターは場所が秘密で、加害者に居場所を知られる心配がありません。後述する支援機関に相談すれば、利用方法を教えてもらえます。

スマホの位置情報をオフにする

GPSで居場所を追跡されないよう、スマホの設定を確認しましょう。

  • 位置情報サービスをオフ
  • 「友達を探す」「位置情報の共有」などの機能をオフ
  • 相手がインストールした可能性のあるアプリをチェック(見覚えのないアプリは削除)

新しいスマホを用意できるなら、それが最も安全です。古いスマホは電源を切って、避難後に処分しましょう。

DV(ドメスティック・バイオレンス)の全体像を理解する

落ち着いて行動するために、DVとは何か、基本を理解しましょう。

DVとは何か

ドメスティック・バイオレンス(DV)とは、配偶者や恋人など親密な関係にある者からの暴力のことです。法律上は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(DV防止法)で定義されています。

DVの種類

身体的暴力 殴る、蹴る、平手打ち、髪を引っ張る、物を投げつける、首を絞める、突き飛ばす、階段から突き落とす、熱湯をかける、刃物で脅す。

精神的暴力 大声で怒鳴る、侮辱する、無視する、生活費を渡さない、外出を禁止する、行動を監視する、「殺すぞ」と脅す、大切なものを壊す、ペットを虐待する。

性的暴力 性行為を強要する、避妊に協力しない、中絶を強要する、見たくないポルノを見せる、性的な行為を強要する。

経済的暴力 生活費を渡さない、仕事を辞めさせる、収入を取り上げる、借金を負わせる。

社会的隔離 友人や家族との交流を禁止する、外出を制限する、携帯電話やメールをチェックする、行動を監視する。

DVのサイクル

DVには、特徴的なサイクルがあります。

1段階:緊張の蓄積期 些細なことでイライラする、機嫌が悪い、被害者は相手の顔色を伺いながら生活する。

2段階:爆発期 暴力が起こる。殴る、蹴る、物を壊す。

3段階:ハネムーン期 暴力の後、加害者は優しくなる。「もうしない」と謝る、プレゼントを買ってくる。被害者は「変わってくれるかも」と期待する。

そして再び第1段階へ

このサイクルを繰り返すうちに、暴力の程度はどんどんエスカレートしていきます。「今回は本当に変わってくれる」という期待は、ほとんどの場合、裏切られます。

なぜ被害者は離れられないのか

「なぜ逃げないの?」と思う人もいるでしょう。でも、被害者が離れられないのには、理由があります。

恐怖 「逃げたら殺される」「もっとひどいことをされる」という恐怖。

経済的な依存 専業主婦で収入がない、仕事を辞めさせられた。離婚後の生活が不安。

子どものため 「父親がいないと子どもが可哀想」「子どもを連れて逃げられない」。

孤立 友人や家族との交流を断たれ、相談できる人がいない。

自責の念 「自分が悪い」「自分がもっと良い妻(夫)になれば、暴力はなくなる」と思い込まされている。

愛情と期待 「本当は優しい人」「変わってくれるはず」という期待。

でも、あなたが悪いわけではありません。暴力を振るう方が100%悪いのです。

DVは命に関わる

DVは、エスカレートします。最初は平手打ちだったものが、殴る蹴るになり、武器を使うようになり、最悪の場合、命を奪われることもあります。

警察庁の統計によると、配偶者からの暴力による死亡事件は、毎年数十件発生しています。「まさか殺されることはないだろう」と思っていた被害者が、命を落としているのです。

「まだ大丈夫」ではありません。今すぐ、行動を起こしてください。

広島で利用できるDV支援機関と相談窓口

一人で抱え込まず、専門機関の力を借りましょう。広島には、あなたを助けてくれる機関がたくさんあります。

広島市配偶者暴力相談支援センター

連絡先:082-254-022024時間対応) 住所:広島市中区基町10-52 広島市こども未来局こども・家庭支援課内

DV被害者のための総合的な支援を行っています。相談、緊急時の一時保護、自立支援。すべて無料です。

匿名での相談も可能。「まだ離婚するかわからない」という段階でも、相談できます。

広島県女性総合相談支援センター(エソール広島)

連絡先:082-247-1120 受付時間:月〜土曜 9:0016:00(祝日・年末年始を除く) 住所:広島市中区大手町1-2-1 おりづるタワー10

女性が抱える様々な悩みの相談窓口。DV相談も受け付けています。必要に応じて、一時保護施設への入所も調整してくれます。

広島県警察 性犯罪被害相談電話

連絡先:082-228-0110(または#8103) 受付時間:24時間対応

性的DVを受けている場合、こちらにも相談できます。被害届の提出方法なども教えてもらえます。

各市町の相談窓口

福山市配偶者暴力相談支援センター 連絡先:084-928-1043

呉市配偶者暴力相談支援センター 連絡先:0823-25-3179

東広島市男女共同参画推進室 連絡先:082-420-0927

お住まいの市町にも、相談窓口があります。市役所や区役所に問い合わせてください。

弁護士会の法律相談

広島弁護士会 連絡先:082-228-0230 広島市中区上八丁堀2-73

無料法律相談を実施しています(要予約)。DV被害を受けていることを伝えれば、専門の弁護士を紹介してくれます。

法テラス広島

連絡先:0570-078-377 住所:広島市中区上八丁堀3-3 広島三井ビルディング2

収入が一定以下の方は、無料で法律相談を受けられます。弁護士費用の立替制度もあります。

民間支援団体

NPO法人 ウィメンズネット・ひろしま DV被害者の支援を行う民間団体。同行支援、居場所づくりなどを行っています。

DVの証拠を安全に集める方法

離婚を有利に進めるため、そして保護命令を得るためにも、証拠は重要です。ただし、安全が最優先。無理はしないでください。

怪我の写真を撮る

暴力を受けて怪我をしたら、必ず写真を撮りましょう。

撮影のポイント

  • できるだけ早く撮影(アザが消える前に)
  • 顔全体と怪我の部分、両方を撮影
  • 複数の角度から撮影
  • 日付がわかるように(新聞と一緒に撮る、スマホなら自動で日時が記録される)
  • 全身の写真もあると良い

写真は、クラウドにバックアップを取っておきましょう。スマホを壊される可能性もあります。

診断書を取得する

怪我をしたら、すぐに病院に行って診断書をもらってください。

診断書に記載してもらうべきこと

  • 怪我の詳細(打撲、擦過傷、骨折など)
  • 受傷日時
  • 「夫(妻)から殴られた」など、原因

診断書は、DVの客観的な証拠として非常に強力です。恥ずかしがらず、正直に医師に伝えましょう。

広島市内の病院なら、夜間休日診療所もあります。すぐに受診してください。

警察に相談・通報する

暴力を受けたら、警察に通報してください。110番です。

警察が来れば、記録が残ります。被害届を出せば、さらに正式な記録になります。

「被害届を出すと、相手が逮捕されてしまうのでは?」と心配する方もいますが、被害届を出したからといって、必ずしも逮捕されるわけではありません。でも、記録は残ります。それが後で保護命令を得る際の証拠になります。

広島県警では、DV被害の相談記録も残してくれます。通報や相談をした回数、日時。これらがすべて証拠になります。

日記をつける

いつ、どこで、どんな暴力を受けたか。詳しく記録しましょう。

記録すべき内容

  • 日時
  • 場所
  • 暴力の内容(殴られた、蹴られた、物を投げつけられた、など具体的に)
  • 怪我の程度
  • その時の状況(何がきっかけだったか)
  • 目撃者の有無

手書きのノートに、その日のうちに書くのがベスト。改ざんされていないことを示せます。

壊された物の写真

物を壊された場合も、写真を撮っておきましょう。

壊れた食器、穴の開いた壁、壊された携帯電話。これらも、DVの証拠になります。

録音

暴言を吐かれている時、怒鳴られている時。可能なら録音しましょう。

スマホのボイスレコーダー機能で十分です。ポケットやカバンに忍ばせて録音してください。

ただし、録音しようとして相手を刺激し、さらに暴力がエスカレートしては本末転倒です。安全を最優先に。

メールやLINEの保存

「殺すぞ」「どこに逃げても見つけ出す」といった脅迫のメッセージがあれば、スクリーンショットを取って保存しましょう。

第三者の証言

DVを目撃した人がいれば、証言してもらえるようお願いしましょう。

子ども、近所の人、友人、親族。「○月○日、○○さんが夫から殴られているのを見ました」という証言書を書いてもらえると、証拠になります。

DVから安全に逃れる具体的な方法

証拠が集まったら、または危険が迫っているなら、逃げる準備をしましょう。

逃げるタイミング

ベストなタイミング

  • 相手が仕事に行っている間
  • 相手が出張で不在の時
  • 相手が寝ている時(ただし起こさないように)

避けるべきタイミング

  • 相手が酔っている時
  • 相手が興奮している時
  • 密室で二人きりの時

冷静に、計画的に。焦りは禁物ですが、危険を感じたら即座に逃げてください。

子どもを連れて逃げる

子どもがいる場合、必ず一緒に連れて逃げてください。

子どもを残して逃げると、後で親権争いで不利になります。また、子どもが相手に「人質」にされる可能性もあります。

学校には後から連絡すれば大丈夫です。まず安全な場所に避難することが最優先。

避難先での注意

実家に避難する場合 相手が場所を知っているなら、実家も安全ではありません。相手が押しかけてくる可能性があります。

その場合、警察に事前に相談しておきましょう。「元配偶者が来るかもしれない」と伝えておけば、すぐに対応してもらえます。

シェルターに避難する場合 シェルターは場所が秘密なので、最も安全です。広島市や県の相談窓口に連絡すれば、手配してもらえます。

シェルターでは、食事や生活必需品が提供されます。滞在期間は通常2週間程度ですが、状況に応じて延長も可能です。

滞在中に、今後の生活について相談員がサポートしてくれます。アパートの契約、就職活動、子どもの転校手続きなど。

住民票を移す際の注意

避難先に住民票を移す際、「住民票の閲覧制限」の手続きを忘れずに行いましょう。

これをしないと、相手があなたの住民票を取得して、居場所がバレてしまいます。

市区町村の窓口で、「DV被害者なので、住民票の閲覧制限をお願いします」と伝えてください。警察や配偶者暴力相談支援センターの証明書があれば、すぐに手続きできます。

携帯電話・銀行口座

相手と共有していた携帯電話の契約や、銀行口座は、できるだけ早く解約または変更しましょう。

携帯電話の位置情報や通話履歴から、居場所がバレる可能性があります。

銀行口座も、相手が引き出せる口座は空にして、新しい口座を作りましょう。

SNSの注意

Facebook、Instagram、Twitter。SNSに現在地がわかるような投稿をしないよう、十分注意してください。

友人に対しても、「今、DVから逃げている。SNSには何も投稿しないで」とお願いしましょう。

保護命令の申立て

相手の接近を法的に禁止できる「保護命令」について説明します。

保護命令とは

配偶者からの身体的暴力または生命・身体に対する脅迫を受けた場合、裁判所に申し立てることで、相手に以下の命令を出してもらえる制度です。

命令の種類

接近禁止命令 6ヶ月間、あなたの身辺につきまとったり、住居や勤務先などの近くをうろついたりすることを禁止。

退去命令 2ヶ月間、自宅から退去し、家の付近をうろつくことを禁止。

電話等禁止命令 6ヶ月間、電話やメール、SNSでの連絡を禁止。

子どもへの接近禁止命令 6ヶ月間、子どもの身辺につきまとることを禁止。

親族等への接近禁止命令 6ヶ月間、あなたの親族や友人への接近を禁止。

申立て方法

広島地方裁判所に申立書を提出します。

必要書類

  • 保護命令申立書
  • DVを証明する資料(診断書、写真、警察の相談記録など)
  • 配偶者暴力相談支援センターまたは警察への相談証明書

弁護士に依頼すれば、申立書の作成から裁判所への同行まで、すべてサポートしてもらえます。

保護命令違反の罰則

保護命令に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑事罰があります。

もし相手が命令を破って接近してきたら、すぐに警察に通報してください。逮捕してもらえます。

DV離婚の法的手続き

ここからは、離婚の法的手続きについて説明します。

DVは明確な離婚事由

DVは、民法第770条の「婚姻を継続し難い重大な事由」に明確に該当します。相手が離婚を拒否しても、裁判で離婚が認められます。

協議離婚は避ける

DV加害者と直接交渉するのは危険です。協議離婚を目指すのは避けた方が良いでしょう。

弁護士を介して交渉するか、最初から調停や裁判に進むことをお勧めします。

調停を申し立てる

広島家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。

調停では、あなたと相手が別々の部屋で待機し、調停委員が交互に話を聞きます。相手と顔を合わせることはありません。

DV案件であることを伝えれば、裁判所も特別な配慮をしてくれます。入口を別にする、時間をずらす、警備員を配置する、などの対応が取られます。

裁判で争う

調停で合意に至らない場合、裁判で決着をつけます。

証拠がしっかりしていれば、DVを理由とした離婚は、ほぼ確実に認められます。

親権

DV加害者に親権が渡ることは、ほとんどありません。子どもへの悪影響が明らかだからです。

特に、子どもの前でDVが行われていた場合、「面前DV」として、子どもへの虐待とも見なされます。

慰謝料

DVを理由とした慰謝料の相場は、50万円から500万円程度です。

暴力の程度、期間、怪我の重さ、後遺症の有無などによって変わります。

骨折や入院が必要なほどの重傷、PTSDなどの精神疾患を発症、複数年にわたる継続的な暴力。こうしたケースでは、300万円、500万円、あるいはそれ以上の慰謝料が認められることもあります。

財産分与

DVがあっても、財産分与は基本的に2分の1ずつです。

ただし、DVが原因で仕事ができなくなった、医療費がかかった、などの事情があれば、配分が変わることもあります。

養育費

DVと養育費は別問題です。暴力を振るった親でも、子どもの親であることに変わりはなく、養育費を支払う義務があります。

面会交流

DV加害者との面会交流は、慎重に判断されます。

子どもが会いたがらない、会わせることで子どもに悪影響がある、面会交流を口実にあなたに接触しようとする恐れがある。こうした事情があれば、面会交流を制限または拒否できます。

DV離婚で弁護士に依頼すべき理由

DV離婚では、弁護士の存在が極めて重要です。

身の安全を守ってもらえる

弁護士がいれば、相手と一切接触せずに離婚手続きを進められます。すべての連絡を弁護士経由にできます。

調停でも裁判でも、弁護士が代理人として出席してくれます。あなたは相手の顔を見なくても済みます。

保護命令の申立てをサポートしてもらえる

保護命令の申立書作成、必要書類の準備、裁判所への同行。すべて弁護士がサポートしてくれます。

一人で手続きするのは大変ですが、弁護士がいれば安心です。

証拠集めをアドバイスしてもらえる

「どんな証拠が有効か」「どう集めればいいか」。弁護士なら的確にアドバイスできます。

証拠が不十分な状態で離婚を切り出すと、不利になることもあります。事前に弁護士に相談して、戦略を立てましょう。

適切な慰謝料を請求してもらえる

DVでの慰謝料は、ケースによって金額が大きく変わります。

弁護士なら、過去の判例やあなたの被害の程度から、適切な金額を算出できます。低すぎて損をすることも、高すぎて却下されることもありません。

子どもの親権を確実に取ってもらえる

DV加害者に親権が渡ることはほぼありませんが、油断は禁物です。

弁護士がいれば、「この親に親権を渡すことは、子どもの福祉に反する」と、法的に明確に主張してくれます。

迅速に手続きを進めてもらえる

DV離婚は、スピードが大切です。早く離婚を成立させて、安全で安心な生活を取り戻したいですよね。

弁護士がいれば、手続きを迅速に進められます。書類の準備、裁判所への申立て、相手との交渉。すべてプロのスピードで進みます。

精神的な支えになってもらえる

DV被害者は、「自分が悪いのでは」「離婚なんてできないのでは」と、自信を失っていることが多いです。

弁護士に「あなたは悪くない」「必ず離婚できます」「一緒に戦いましょう」と言ってもらえるだけで、どれだけ心強いでしょうか。

費用の心配

「弁護士費用が払えない」という方も、諦めないでください。

法テラスの民事法律扶助制度を使えば、弁護士費用を立て替えてもらえます。収入が一定以下なら、分割での返済も可能です。

DV被害者の場合、特に優遇措置があります。まずは法テラスや弁護士に相談してみてください。

DV離婚後の生活を立て直す

離婚が成立したら、新しい生活を立て直しましょう。広島には、様々な支援制度があります。

生活保護

収入がなく、生活に困窮している場合、生活保護を受けられます。

広島市の各区役所、または市町村役場の福祉課で相談できます。

児童扶養手当

ひとり親家庭には、児童扶養手当が支給されます。子どもの人数や所得に応じて、月額数万円が支給されます。

母子生活支援施設

母子家庭が生活を立て直すまでの間、住居を提供してくれる施設です。広島市にも複数あります。

就労支援

広島県ひとり親家庭等就業・自立支援センターでは、就職相談、職業紹介、職業訓練などのサポートを行っています。

連絡先:082-227-2377

住宅支援

ひとり親家庭向けの公営住宅があります。通常より優先的に入居できます。

広島市住宅政策課や各市町村に相談してください。

医療費助成

ひとり親家庭には、医療費の助成制度があります。親と子の医療費が無料または軽減されます。

心のケア

DVによるトラウマは、簡単には癒えません。専門家のカウンセリングを受けることをお勧めします。

広島市こころの健康センター(082-245-7746)では、無料で相談できます。

最後に:あなたは一人じゃない

DVに苦しんでいるあなたへ。

暴力は、絶対に許されません。「夫婦だから」「家族だから」という理由で、暴力が正当化されることはありません。

あなたは悪くありません。どんな理由があっても、暴力を振るう方が100%悪いのです。

「自分が我慢すれば」「子どものために」。そう思う必要はありません。暴力のある家庭で育つことは、子どもにとっても大きな傷になります。

DVから逃れることは、逃げることではありません。自分の命を守る、子どもを守る、正当な行動です。

広島には、あなたを助けてくれる機関がたくさんあります。支援センター、警察、弁護士。みんな、あなたの味方です。

一人で抱え込まないでください。今日、今すぐ、誰かに相談してください。

この記事を読んでいるあなたが、一日も早く暴力から解放され、安全で穏やかな日々を取り戻せることを、心から願っています。

あなたには、幸せに生きる権利があります。 暴力のない人生を、取り戻してください。

緊急連絡先(再掲)

  • 警察:110
  • DV相談ナビ:#8008
  • 広島市配偶者暴力相談支援センター:082-254-0220(24時間)

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

初回相談は無料です

DVが原因で離婚する際はまずご相談ください。

9:00~24:00 / 定休日:なし

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