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【現役弁護士が徹底解説!】年金滞納で差し押さえ!? 今すぐ知っておくべき対処法と注意点

2025.01.20 弁護士コラム

「年金を滞納したら本当に差し押さえられるの…?」と不安に思っている方は、意外と多いのではないでしょうか。実は、年金の支払いを長期間放置すると、給料や預貯金が差し押さえの対象になるだけでなく、延滞金や信用情報への悪影響など、大きなリスクが待っています。

本記事では、現役弁護士の視点から「年金滞納がもたらす危険」と「今すぐにできる対処法」をわかりやすく解説します。突然届く督促状や、思わぬ財産の差し押さえを防ぐために、何をすればいいのか――支払いが厳しいときに役立つ分割払いや免除・猶予制度、専門家への相談方法など、具体的なアクションプランを徹底的にご紹介。さらに、今後同じトラブルを起こさないための予防策や制度の理解も、丁寧に解説していきます。

年金滞納の問題に直面している方も、将来に備えたい方も、まずはここで正しい知識を身につけて不安を解消し、安心して日々を過ごしましょう。

年金滞納がなぜ危険なのか?

年金を滞納していると、思った以上に大変なことになってしまいます。給料が差し押さえられたり、将来もらえるはずの年金が減ったりしてしまうんです。ちょっと見ていきましょう。

差し押さえられる可能性があるもの

もし年金を滞納していると、私たちの大切な財産が差し押さえられてしまう可能性があります。例えば:

毎月の給料やボーナスはもちろん、銀行口座にあるお金も対象になります。さらに驚くことに、マイホームや車、生命保険の解約返戻金まで差し押さえられる可能性があるんです。しかも、これらが同時に複数押さえられることだってあります。

差し押さえまでの流れ

差し押さえは、いきなり行われるわけではありません。まずは「督促状」という手紙が届きます。これは支払期限から1ヶ月以内に送られてきて、20日以内に支払うように書かれています。

それでも支払いがないと、今度は「催告書」という少し強めの手紙が来ます。ここまでくると、役所があなたの財産を調べ始めます。銀行にどれくらいお金があるのか、不動産を持っているのか、給料はいくらもらっているのかなどを確認します。

最後に「差し押さえ予告通知」が届きます。これが最後のチャンスです。ここで示された期限までに支払わないと、本当に差し押さえが始まってしまいます。

滞納するとどんな困ったことが起きるの?

滞納すると、お金の面でも社会生活の面でも困ったことが起きます。

まずお金の面では、延滞金という余計な支払いが発生します。これが年利で最大8.9%もかかります。1万円の滞納でも、1年で890円も増えてしまうんです。それに、差し押さえの手続きにかかる費用も自己負担です。

もっと困るのは、滞納の記録が残ってしまうことです。この記録は信用情報として残るので、クレジットカードが作れなくなったり、住宅ローンが組めなくなったりする可能性があります。就職や転職のときの審査でも、マイナスになることがあります。

でも、大丈夫です。一人で悩まないでください。年金事務所に相談すれば、分割で支払えたり、場合によっては免除してもらえたりする制度があります。あなたの状況に合った解決方法が必ずあるはずです。早めに相談することが、問題解決への近道になります。

年金滞納に気づいたときの対処法

まずは落ち着いて状況を把握

年金の滞納に気づいて焦っていませんか?大丈夫です、まずは深呼吸をして落ち着きましょう。

手元にある納付書や督促状をゆっくり確認してみましょう。いつから滞納が始まったのか、合計でいくら滞納しているのか、どんな通知が届いているのかをノートに書き出してみるのもいいですね。焦って状況を見誤ってしまうより、きちんと整理することで解決への第一歩を踏み出せます。

日本年金機構への連絡

状況が分かったら、できるだけ早く年金事務所に連絡を入れましょう。「督促状が来ているから連絡するのが怖い」という気持ちはよく分かります。でも、実は早めに連絡することで、かえって対応がスムーズになるんです。

電話をかける前に、基礎年金番号の分かる書類や、最近届いた納付書、給与明細などを用意しておくと安心です。これらの書類があれば、年金事務所の方とスムーズにお話ができます。

支払い方法の相談

年金事務所では、あなたの状況に合わせてアドバイスをくれます。たとえば、一括で払うのが難しい場合は分割払いができます。毎月少しずつ返していけるので、家計への負担も軽くなります。

収入が少なくて本当に支払いが難しい場合は、免除制度を使えるかもしれません。50歳未満の方なら納付猶予制度で支払いを先送りすることもできます。学生さんの場合は、学生納付特例という制度で在学中の支払いを後回しにすることができるんです。

専門家への相談

もっと詳しい相談をしたい場合は、専門家を頼るのも良い選択です。社会保険労務士さんは年金の制度に詳しいプロフェッショナル。年金手続きのエキスパートとして、あなたの状況に合った解決方法を提案してくれます。

一方、差し押さえの心配がある場合は、弁護士さんに相談するのがおすすめです。法律の専門家として、あなたの権利を守りながら、最適な解決方法を見つけ出してくれます。

どちらの専門家も、最初の相談は無料のことが多いので、気軽に連絡してみましょう。一人で悩まず、プロの力を借りることで、より良い解決方法が見つかるはずです。

年金滞納を予防するための対策

自動引き落とし設定

年金の支払い忘れを防ぐ一番確実な方法は、口座からの自動引き落としです。手続きは意外と簡単で、お近くの年金事務所か金融機関で15分ほどで済みます。引き落とし日は毎月末なので、給料日後に設定しておけば安心です。ただし、残高不足には注意が必要です。引き落とし日の前日までに、必ず口座に必要な金額を入れておきましょう。

年金事務所への連絡

引っ越しをしたときや、収入が大きく変わったときは、すぐに年金事務所に連絡をしましょう。特に住所変更の届け出を忘れると、大切なお知らせが届かなくなってしまいます。また、扶養に入る・扶養から外れるといった変更があったときも、すぐに連絡することで余計な手続きや支払いトラブルを防げます。

経済状況の変化時の対応

収入が減ったり、失業したりしたときこそ、すぐに年金事務所に相談することが大切です。「収入が減ったから支払えない」と諦めてしまう前に、免除制度や猶予制度を利用できないか確認しましょう。一時的な収入減少でも対応できる制度があります。早めに相談することで、滞納を防ぎつつ、将来の年金受給権も守れます。

年金制度の理解を深める

年金って難しそう…と避けていませんか?実は、基本的な仕組みを知っているだけでも、大きな安心につながります。年金事務所では無料の説明会を開いていますし、ホームページでも分かりやすい説明動画を公開しています。

特に知っておきたいのは:

  1. 支払った保険料が将来どう返ってくるのか
  2. 免除や猶予の制度をいつ使えるのか
  3. 追納(後から保険料を支払うこと)の仕組み

年金は私たちの老後の大切な収入源です。「難しそう」と避けずに、少しずつ理解を深めていきましょう。分からないことがあれば、年金事務所の窓口で気軽に質問してくださいね。

まとめ

年金滞納の問題は、誰にでも起こり得る身近な問題です。しかし、適切な知識と対策があれば、十分に防ぐことができます。

まず、年金滞納が危険な理由をしっかり理解することが大切です。滞納が続くと、給料や預貯金、場合によっては自宅までもが差し押さえの対象となってしまいます。また、延滞金という追加の支払いが発生するだけでなく、クレジットカードが作れなくなったり、住宅ローンが組めなくなったりする可能性もあります。このような事態を避けるためにも、早めの対応が重要なのです。

もし滞納に気づいたら、慌てずに行動することがポイントです。まずは落ち着いて滞納期間や金額を確認し、年金事務所に連絡を入れましょう。年金事務所では、分割払いや免除制度など、あなたの状況に合わせた支払い方法を提案してくれます。状況が複雑な場合は、社会保険労務士や弁護士といった専門家に相談するのも賢明な選択です。

そして、今後の滞納を防ぐためには、自動引き落としの設定が最も確実な方法です。また、引っ越しや収入の変化があったときは必ず年金事務所に連絡を入れ、状況に応じて免除制度なども活用しましょう。年金制度について基本的な知識を持っておくことで、困ったときの対応もスムーズになります。

大切なのは、一人で抱え込まないこと。年金の問題は、必ず解決への道があります。早めの相談と適切な対応で、あなたの未来を守りましょう。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

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