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弁護士コラム

交通事故の通院慰謝料はいくらもらえる?

2026.05.19 弁護士コラム

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3つの計算基準と通院期間別の相場を分かりやすく解説

交通事故で怪我を負い、通院を続けている方にとって最も気になるのは、慰謝料がいくらもらえるのかという点ではないでしょうか。痛みを抱えながら仕事や家事の合間を縫って病院に通う日々は、身体的にも精神的にも大きな負担です。この負担に対する補償が通院慰謝料です。

通院慰謝料の金額は、どの計算基準を使うかによって大きく変わります。保険会社から提示される金額は最低限の基準で計算されていることが多く、適正な金額とはかけ離れている場合が少なくありません。自分が本来受け取れるはずの金額を知らないまま示談に応じてしまうと、数十万円以上の差が出ることもあります。

この記事では、通院慰謝料の計算に使われる3つの基準の違いを明確にし、通院期間ごとの相場金額、金額を左右するポイント、そして適正な慰謝料を受け取るためにやるべきことまでを網羅的に解説します。交通事故に遭ったばかりの方も、すでに治療中で保険会社から示談の話が出始めている方も、ぜひ参考にしてください。

1. 通院慰謝料とは

通院慰謝料は、交通事故による怪我の治療のために通院を余儀なくされたことに対する精神的苦痛への補償です。正式には入通院慰謝料と呼ばれ、入院期間と通院期間をもとに金額が算出されます。治療費や休業損害とは別に請求できるもので、示談金の中でも大きな割合を占める項目です。

通院慰謝料は、通院期間が長いほど、また実際に通院した日数が多いほど高くなる傾向にあります。ただし、単に通院日数を増やせば金額が上がるというものではなく、治療の必要性が認められる範囲での通院が前提です。医師の指示に従って適切に通院を続けることが、適正な慰謝料を受け取るための基本になります。

なお、交通事故の慰謝料には通院慰謝料のほかに、後遺障害が残った場合に支払われる後遺障害慰謝料と、被害者が亡くなった場合の死亡慰謝料があります。本記事では通院慰謝料に焦点を絞って解説しますが、後遺症が残りそうな場合は後遺障害慰謝料も重要な請求項目になるため、弁護士に相談しておくことをおすすめします。

2. 慰謝料を決める3つの計算基準

通院慰謝料の金額は、どの計算基準を採用するかによって大きく変わります。3つの基準を理解しておくことが、適正な補償を受け取るための第一歩です。

自賠責基準

自賠責保険は、すべての自動車に加入が義務づけられている強制保険であり、交通事故被害者への最低限の補償を目的としています。そのため、3つの基準の中で最も低い金額になるのが一般的です。

自賠責基準の計算式は、1日あたり4,300円に対象日数を掛けるというシンプルなものです。対象日数は、治療期間の総日数と実通院日数を2倍にした数のうち、少ないほうが採用されます。例えば治療期間が180日で実際の通院日数が60日の場合、60日×2=120日と180日を比較して少ないほう、つまり120日が対象日数となり、慰謝料は4,300円×120日=51万6,000円となります。

なお、自賠責保険には傷害部分の支払い上限が120万円と定められています。治療費や交通費、休業損害なども含めた合計がこの上限に達すると、慰謝料の支払いがその分だけ削られてしまう点に注意が必要です。

任意保険基準

任意保険基準は、各保険会社が社内で独自に定めている算定基準です。計算式は非公開ですが、一般的には自賠責基準を若干上回る程度の金額になることが多いとされています。保険会社が示談交渉で提示してくる金額は、ほとんどの場合この任意保険基準で算出されたものです。

保険会社の担当者から示談金の提示を受けた際に、書面に弊社基準などと記載されていたら、それは任意保険基準で計算されていることを意味しています。この場合、自賠責基準と比べてどの程度上乗せされているかを確認し、弁護士基準との差額を把握しておくことが重要です。

弁護士基準(裁判基準)

弁護士基準は、裁判所が損害賠償額を算定する際に参照する基準であり、3つの中で最も高い金額になります。日弁連交通事故相談センター東京支部が発行する損害賠償額算定基準(通称:赤い本)に掲載されている算定表をもとに計算されます。

弁護士基準では、怪我の程度に応じて2種類の算定表を使い分けます。骨折や脱臼などの重傷には別表I、むちうちや打撲などの軽傷には別表IIが適用されます。通院期間が長くなるほど金額は高くなりますが、弁護士基準では実通院日数よりも通院期間の長さが重視される点が自賠責基準との大きな違いです。

弁護士基準の慰謝料を受け取るには、弁護士に示談交渉を依頼するか、裁判を起こす必要があります。被害者本人が保険会社に弁護士基準を主張しても、保険会社が応じることはまずありません。弁護士が介入した途端に保険会社の態度が変わり、弁護士基準に近い金額で和解に至るケースは実務上非常に多いです。

3. 通院期間別の慰謝料相場

ここでは、通院のみ(入院なし)のケースで、自賠責基準と弁護士基準それぞれの慰謝料の目安を通院期間別に紹介します。自賠責基準は月の半分程度の日数を通院した場合の概算、弁護士基準は別表II(軽傷)の金額です。

  • 通院1か月:自賠責基準 約12.9万円/弁護士基準 19万円
  • 通院2か月:自賠責基準 約25.8万円/弁護士基準 36万円
  • 通院3か月:自賠責基準 約38.7万円/弁護士基準 53万円
  • 通院4か月:自賠責基準 約43万円/弁護士基準 67万円
  • 通院6か月:自賠責基準 約68.8万円/弁護士基準 89万円

このように、同じ通院期間でも自賠責基準と弁護士基準では数十万円の開きがあります。通院期間が長くなるほどその差は広がるため、保険会社の提示額をそのまま受け入れることがいかに損であるかが分かるのではないでしょうか。

なお、骨折など重傷の場合は弁護士基準の別表Iが適用され、上記よりもさらに高い金額になります。例えば通院6か月で別表Iが適用される場合、慰謝料の目安は116万円程度です。同じ6か月の通院でも、怪我の内容によって89万円と116万円という27万円もの差が生じるわけです。自分の怪我がどちらの算定表に該当するかは、弁護士に確認してもらうのが確実です。

4. 通院慰謝料を左右する5つのポイント

同じ事故であっても、以下の要素によって慰謝料の金額は変動します。

  • 通院の頻度:月に1、2回程度の通院では、治療の必要性が低いと判断され慰謝料が減額される場合がある。医師の指示に従い、目安として週2回から3回程度の通院を継続することが望ましい
  • 治療期間と実通院日数のバランス:治療期間に対して実通院日数が極端に少ないと、保険会社から通院の必要性を疑問視されることがある。逆に、毎日通院していたとしても、医学的に不要と判断されれば過剰通院として減額される可能性もある
  • 整骨院のみの通院:整骨院での施術も慰謝料の対象にはなりうるが、医師の指示なく整骨院だけに通院していると治療費や慰謝料が認められないケースがある。整骨院に通う場合でも、まず整形外科を受診し、医師の許可を得たうえで併用する形が安全
  • 症状固定の時期:保険会社は治療費を早期に打ち切りたいため、まだ症状が改善途中であっても治療終了を打診してくることがある。医師が治療の継続が必要と判断しているなら、安易に治療を終了しないことが慰謝料に直結する
  • 後遺障害の認定:治療を続けても症状が完全に消えず後遺障害として認定された場合は、通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料を請求できる。後遺障害等級によって金額は異なるが、14級でも弁護士基準で110万円程度が相場となる

5. むちうちの場合に注意すべきこと

交通事故で最も多い怪我はむちうち(頚椎捻挫・腰椎捻挫)です。むちうちはレントゲンやMRIに映りにくいため他覚的所見がないケースが多く、弁護士基準では軽傷用の別表IIが適用されます。そのため、骨折などの明確な外傷がある場合と比べると、慰謝料の金額は低くなります。

むちうちで特に問題になるのが、保険会社からの治療費打ち切りの打診です。事故から3か月程度が経過すると、保険会社がそろそろ治療を終了しませんかと連絡してくることがあります。しかし、むちうちの症状が3か月で完全に消えるとは限りません。医師がまだ治療の必要性を認めているのであれば、保険会社の打診に安易に応じず、治療を継続することが重要です。治療を途中でやめてしまうと、その分だけ通院期間が短くなり、慰謝料が減額されてしまいます。

治療を6か月以上続けても痛みやしびれが残る場合は、症状固定として後遺障害等級の認定申請を検討しましょう。むちうちでは14級9号の認定を受けられる場合があり、認定されれば通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料を請求できます。

6. 保険会社の提示額をそのまま受け入れてはいけない理由

交通事故の示談交渉では、加害者側の保険会社が慰謝料の金額を提示してきます。しかし、保険会社は営利企業であり、支払額をできるだけ抑えたいという立場にあります。そのため、提示される金額は自賠責基準か任意保険基準で計算されたものであることがほとんどで、弁護士基準の金額と比べると相当低い水準になっています。

保険会社の担当者が提示する金額は書面で示されることが多く、一見するときちんとした計算に基づいているように見えます。しかし、それが適正な金額かどうかは、弁護士基準と比較して初めて判断できるものです。提示額に疑問を感じたら、示談書にサインする前に弁護士に相談することを強くおすすめします。示談は一度成立すると原則としてやり直しがきかないため、慎重な判断が必要です。

実際に、弁護士に依頼したことで保険会社の提示額から大幅に増額された事例は数多く存在します。特に通院期間が3か月以上のケースでは、弁護士基準と保険会社の提示額の差が顕著になるため、弁護士への相談によるメリットが大きくなります。

7. 適正な慰謝料を受け取るために弁護士に依頼するメリット

弁護士に示談交渉を依頼することで得られるメリットは、慰謝料の増額だけにとどまりません。

  • 弁護士基準での請求が可能になる:弁護士が交渉の窓口に立つことで、保険会社は弁護士基準をベースにした金額を認めざるを得なくなる。これだけで慰謝料が2倍近くに増える事例も珍しくない
  • 保険会社とのやり取りを任せられる:怪我の治療をしながら保険会社と交渉するのは精神的にも時間的にも大きな負担。弁護士に一任すれば、治療に専念できる環境が整う
  • 後遺障害等級の認定をサポートしてもらえる:後遺症が残った場合、等級の認定手続きを弁護士がサポートしてくれる。適切な等級認定を得ることで、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求額が大きく変わる
  • 弁護士費用特約があれば自己負担ゼロで依頼できる:自動車保険に弁護士費用特約が付帯していれば、弁護士費用は保険から支払われるため、持ち出しなしで依頼が可能。特約の有無を保険証券で確認してみてほしい

まとめ

交通事故の通院慰謝料は、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準のどれで計算するかによって金額が大きく変わります。保険会社が提示する金額は最低限の基準で計算されていることが多いため、そのまま受け入れると本来受け取れるはずの金額を大幅に下回る結果になりかねません。

慰謝料の金額は、同じ通院期間でも基準の選択によって数十万円単位で変わります。保険会社からの提示額が適正かどうかを判断するためにも、まずは弁護士基準での相場と照らし合わせてみてください。

適正な慰謝料を受け取るためには、弁護士基準での相場を把握したうえで、弁護士に示談交渉を依頼するのが最も確実な方法です。特に通院期間が3か月を超えるケースや後遺症が残る可能性があるケースでは、弁護士の介入による増額効果が大きくなります。弁護士費用特約を利用すれば費用の心配もないため、まずは自分の保険内容を確認し、交通事故に強い弁護士に相談してみることをおすすめします。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

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