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債務整理の種類を徹底比較!任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の違いと選び方

2026.05.23 弁護士コラム

借金の返済が苦しくなってきたとき、ネットで検索すると必ず出てくるのが債務整理という言葉です。ただ、調べれば調べるほど任意整理・個人再生・自己破産など似たような言葉が並んでいて、どれが自分に合うのかよくわからないという方も多いはずです。

この記事では、債務整理の主な4つの手続を正確な情報にもとづいて比較し、それぞれの特徴と費用、向いている状況をわかりやすく整理します。どの方法を選ぶかによって、生活への影響やその後の再建スピードが大きく変わります。じっくり読んで、自分に合った選択肢を検討してみてください。

なお、最終的な判断は必ず弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。この記事は正確な情報提供を目的としていますが、個別の状況に応じたアドバイスは専門家にしかできません。

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1. 債務整理とは何か、4つの手続の全体像

債務整理とは、法的な手続によって借金の減額や返済免除を求めることができる制度の総称です。手続の種類によって、裁判所を通すかどうか、どれだけ借金を減らせるか、財産や生活にどんな影響が出るかが異なります。

主な手続は以下の4つです。

  • 任意整理 債権者(お金を貸した側)と直接交渉し、将来利息をカットしてもらう。裁判所を通さない手続。
  • 個人再生 裁判所を通じて借金を大幅に圧縮し、残額を原則3年で返済する手続。圧縮幅は借金総額によって異なる。
  • 自己破産 裁判所の判断によって返済義務を全額免除してもらう手続。一定の財産は処分の対象になる。
  • 特定調停 裁判所が間に入り、債権者との返済条件を調整する手続。費用は安いが減額効果は限定的。

各手続の概要比較

項目任意整理個人再生自己破産特定調停
裁判所不要必要必要必要
減額幅利息カット総額により異なる(※)全額免除ほぼなし
財産への影響なし原則なし処分ありなし
官報掲載なしありありなし
手続期間3〜6カ月1〜1.5年5カ月〜1年3〜4カ月

※個人再生の減額幅は第2章で詳しく解説します

2. 各手続の特徴を詳しく比較する

2.1 任意整理 負担を抑えながら借金を整理したい人に

任意整理は、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉し、将来発生する利息の支払いをカットしてもらう手続です。裁判所を使わないため手続の負担が少なく、4つの中で最も多く利用されている方法です。

任意整理の大きなメリットは、整理する相手を自分で選べる点にあります。たとえば連帯保証人がついている借金だけを対象から外すことで、保証人に迷惑をかけずに済みます。車のローンを外せば車を手放さなくてよいケースもあります。また、裁判所を通さないので官報に名前が載らず、手続をしていることが外部に伝わりにくいのも特徴です。

一方で、あくまでも将来利息のカットが主な内容であり、元金そのものを大幅に減らすことは基本的にできません。借金の総額が多く、3〜5年で元金を返し切れる見通しが立たない場合は、任意整理よりも個人再生や自己破産が向いています。

弁護士費用の目安は1社あたり3万〜5万円程度(着手金と報酬の合計)で、弁護士に依頼した時点から督促がストップするのも安心材料のひとつです。

2.2 個人再生 家を守りながら借金を大幅に減らしたい人に

個人再生は、裁判所に申立てを行い、法律の規定にもとづいて借金を大きく圧縮してもらう手続です。圧縮後の金額を原則3年間(事情によっては最長5年)で返済することで、残りの債務は免除されます。なお、利用できるのは借金総額(住宅ローンを除く)が5,000万円以下の方に限られます。

個人再生の最大の強みは、元金ごと借金を減らせる点です。ただし、減額後の最低弁済額は借金の総額によって法律で定められており、一律に5分の1になるわけではありません。小規模個人再生の場合、おおまかな目安は以下のとおりです。

  • 借金総額が100万円以下の場合 減額なし(全額が最低弁済額)
  • 100万円超〜500万円未満の場合 最低弁済額は100万円
  • 500万円〜1,500万円未満の場合 最低弁済額は借金総額の5分の1
  • 1,500万円〜3,000万円以下の場合 最低弁済額は300万円
  • 3,000万円超〜5,000万円以下の場合 最低弁済額は借金総額の10分の1

ただし、上記はあくまで最低弁済基準の目安です。保有する財産の価値(清算価値)がこの金額を上回る場合は、財産の評価額以上を返済しなければなりません。また、給与所得者等再生という手続では、可処分所得の2年分という別の基準も加わるため、借金の減額効果が小さくなるケースがあります。実際にいくら減らせるかは弁護士に試算してもらうのが確実です。

また、住宅ローン特則と呼ばれる制度を利用することで、持ち家を手放さずに他の借金だけを整理することができます。自己破産では家を失う可能性が高いことを考えると、持ち家がある方にとって個人再生は有力な選択肢になります。

デメリットとしては、整理する債務を選ぶことができない点が挙げられます。個人再生を申立てると、奨学金の連帯保証人になっている親に請求がいくといったケースもあるため、事前に弁護士に確認が必要です。費用は50〜80万円程度かかり、手続期間も1年から1年半と長めです。

2.3 自己破産 どうしても返済できない場合の最終手段

自己破産は、裁判所に返済不能であることを認めてもらい、借金の返済義務そのものを全額免除してもらう手続です。4つの中で最も借金の減額効果が大きい反面、生活や職業への影響も大きくなります。

自己破産の主なデメリットは次のとおりです。

  • 一定額以上の財産(現金・不動産・車など)が処分の対象になる。手元に残せる現金は原則99万円まで。
  • 手続中(破産手続開始決定から免責許可決定の確定まで)は、弁護士・司法書士・税理士・警備員・生命保険募集人など一部の職業や資格が制限される。ただし制限期間は免責後に解除され、多くの場合3〜6カ月程度で終わる。
  • 氏名と住所が官報に掲載される。
  • ギャンブルや浪費が主な原因である場合など、免責不許可事由に該当すると返済義務が免除されないことがある。

費用は財産の状況や手続の種類によって大きく変わります。財産が少なく同時廃止という手続になれば20〜35万円程度で済むケースもありますが、管財事件になると50〜130万円以上かかることがあります。

自己破産は、収入がなく今後も返済の見通しが立たない方、借金の総額が非常に大きい方に向いています。ただし、安易に選ぶと後悔することもあるため、他の手続で解決できないかを弁護士と一緒に確認することが大切です。

2.4 特定調停 費用を抑えたいがデメリットも知っておきたい

特定調停は、裁判所の調停委員を仲介役にして、債権者と返済条件を話し合う手続です。弁護士を立てなくても自分で申立てができるため、費用が1社あたり500〜1,000円程度と非常に安く済みます。

ただし、借金の元金を減らすことはほとんどできません。あくまでも返済条件の調整を目的とした手続であり、利息カットや元金圧縮といった効果は期待しにくいです。また、合意に至らなかった場合や、返済を途中で滞らせた場合は強制執行されるリスクもあります。

平日に裁判所へ出向く必要があること、手続の進め方に専門知識が求められることも考えると、費用だけを見て選ぶのは注意が必要です。他の3つの手続と比べると利用件数は少なく、特殊な状況での選択肢になっています。

3. 費用相場を手続別に整理する

債務整理を検討するうえで費用は重要なポイントです。弁護士費用と裁判所費用の両方がかかる場合があり、手続の種類によって大きく差があります。以下は一般的な目安です(事務所や状況によって異なります)。

  • 任意整理 弁護士費用は1社あたり3万〜5万円程度。裁判所費用はかかりません。債権者が3社あれば合計10〜15万円前後が目安になります。
  • 個人再生 弁護士費用と裁判所費用を合わせて50〜80万円程度が相場です。住宅ローン特則を使う場合は10〜20万円ほど上乗せになることがあります。
  • 自己破産 財産が少なく同時廃止になる場合は20〜35万円程度。財産がある管財事件の場合は50〜130万円程度かかります。
  • 特定調停 1社あたり500〜1,000円程度で、弁護士を使わない場合は数千円から数万円で済みます。

費用を工面するのが難しい場合は、法テラス(日本司法支援センター)の利用を検討する方法もあります。収入や資産が一定基準以下の方は費用の立替制度を利用でき、月5,000〜10,000円程度の分割払いで済ませることができます。生活保護受給者は費用の返還が免除されるケースもあります。

また、多くの弁護士事務所は初回相談を無料で受け付けています。弁護士に依頼した時点で督促がストップするため、それまで返済に充てていたお金を弁護士費用の積立に回せるという側面もあります。

4. 自分に合う手続はどれか 状況別の選び方

4つの手続から自分に合うものを選ぶには、大きく3つの軸で考えると整理しやすくなります。

1つ目は返済能力があるかどうかです。弁護士への依頼後に元金を3〜5年で返し切れる見通しがあるなら、任意整理が最初の選択肢になります。それが難しければ、個人再生か自己破産を検討することになります。

2つ目は財産と持ち家の有無です。持ち家を守りたい場合は個人再生の住宅ローン特則が使えるかどうかを確認します。車や保険など手元に残したい財産がある場合も、自己破産より個人再生や任意整理の方が適しています。

3つ目は保証人への影響です。任意整理は対象とする債権者を選べるため、保証人がいる借金を手続から外すことができます。個人再生や自己破産では原則として全ての債務が対象になるため、保証人に請求がいく可能性があります。

状況別の選択の目安

こんな状況なら向いている手続
収入があり、3〜5年で元金を返せそう任意整理
借金が多く元金を大幅に減らしたい、持ち家がある個人再生
収入がなく、どうしても返済できない自己破産
費用を抑えたい、少額の調整で済む特定調停(要相談)

5. ブラックリストへの影響と期間を確認する

どの手続を選んでも共通して起こることが、信用情報機関への事故情報の登録です。いわゆるブラックリストに載った状態になり、その間はクレジットカードの新規作成、住宅ローンや自動車ローンなどの新たな借入れ、スマートフォンの分割購入などが難しくなります。

登録される期間はおおむね以下のとおりです(信用情報機関や起算点の解釈によって異なる場合があります)。

  • 任意整理 完済から5年程度で登録が抹消されるのが一般的とされています。
  • 個人再生 5〜10年程度。官報への掲載もあります。
  • 自己破産 5〜10年程度。官報への掲載があります。

ブラックリストに入っている期間は確かに不便を感じますが、それは借金が整理された後の話です。返済が続いていること自体の精神的・経済的負担と比較しながら、前向きに検討してみてください。

まとめ

債務整理の4つの手続を比較すると、それぞれに明確な特徴と向いている状況があることがわかります。

  • 任意整理は、裁判所を使わず将来利息をカットする。費用が安く、対象の債権者を選べる点が強み。
  • 個人再生は、元金を大幅に圧縮できる。圧縮幅は借金総額によって段階的に異なるため、事前に専門家への確認が必要。持ち家を守りながら借金を減らしたい方に向いている。
  • 自己破産は、借金の返済義務を全額免除してもらえる。財産への影響や手続中の資格制限があるため、最終手段として検討する。
  • 特定調停は費用が最も安いが、借金の減額効果は限定的。特殊な状況での選択肢となる。

どの手続が自分に合っているかは、借金の総額、毎月の収入、財産の有無、保証人の有無などによって異なります。一人で判断するよりも、弁護士や司法書士に無料相談した上で決めるのが確実です。初回相談が無料の事務所も多いので、まずは専門家に状況を話してみることから始めてみてください。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

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