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弁護士コラム

離婚後の共同親権とは?実際の生活への影響を徹底解説

2026.05.15 弁護士コラム

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子どもの住まい・学校・転居・再婚まで離婚後の暮らしへの影響がわかる

2026年4月1日から、離婚した後も父母の両方が子どもの親権を持つ共同親権が選べるようになりました。共同親権と単独親権のどちらを選ぶかは、離婚後の暮らしに長く影響します。

共同親権と聞いて、子どもが父母の家を交互に行き来するのか、元配偶者とずっと連絡を取り続けないといけないのか、再婚したらどうなるのかといった疑問が浮かぶ方は多いはずです。

この記事では、離婚後に共同親権を選んだ場合の実際の生活——子どもの住まい、学校や転居の決め方、子どもと離れて暮らす親の関わり方、再婚時の変化——を初めての方にもわかりやすく解説します。

離婚後の共同親権とは何か|婚姻中との違い

まず共同親権と聞くと、婚姻中の親権と同じではないかと思う方がいるかもしれません。実は日本では婚姻中の父母は当然に共同親権です。問題は離婚後です。

これまでの日本の法律では、離婚すると必ずどちらか一方だけが親権を持つ単独親権になりました。どれほど子どもに愛情があっても、親権を持たなかった側の親は法的な親権者ではなくなりました。

2026年4月施行の改正民法は、この仕組みを変えました。離婚後も、父母が話し合いで共同親権にすると決めれば、両方が親権を持ち続けることができます。離婚しても婚姻中と同じように、子どもに関する重要な決定を2人で行う関係が続きます。

婚姻中との大きな違いは、父母が別々に暮らしているという点です。子どもの日常的な世話をするのは主に一緒に住んでいる親になる一方、転居・進学先・重要な医療行為などの重要事項については、離れて暮らすもう一方の親と合意して決める必要があります。

子どもはどこに住む?共同親権と監護者

共同親権は子どもが両家を行き来するとは限らない

共同親権と聞くと、子どもが父と母の家を交互に行き来するイメージを持つ方がいますが、必ずしもそうではありません。

共同親権とは両親ともに親権を持つという法的な状態を指します。子どもの実際の生活拠点をどこにするかは、親権とは別に話し合って決めることです。多くのケースでは、子どもは主に一方の親の家で暮らし、もう一方の親とは定期的に交流する形になると考えられます。

父母双方の家を行き来する交互養育を選ぶことも制度上は可能ですが、子どもの生活の安定や学校との関係を考えると、現実的には主たる生活拠点を一方に定めるケースが中心になると予想されます。

監護者を定める意味

共同親権を選んだ場合、子どもと日常的に生活を共にして世話をする親を監護者として定めることができます。監護者に指定された親は、子どもの住まい・日常的な養育・職業の決定といった監護に関する事項を単独で行えます。

監護者を明確にしておくことで、日々の生活の判断で毎回相手の同意を求める必要がなくなり、子どもの生活が安定しやすくなります。離婚時に共同親権を選ぶ場合は、監護者を誰にするかも同時に決めておくことを強くおすすめします。

なお、監護者に指定されなかった親は、監護者として認められた範囲での養育には関与できませんが、親子交流の機会を通じて引き続き子どもと関わることができます。

2人で決めることと1人で決められること

共同親権で離婚後の生活が変わる最も大きなポイントは、子どもに関する重要な事柄について、元配偶者と合意しなければ決められない場面が生まれることです。ただし、すべてを2人で決めなければならないわけではなく、日常のことと重要なことで扱いが異なります。

単独で決められること(日常の行為)

子どもの日常的な世話や教育に関わることは、子どもと一緒に暮らしている親が単独で決めることができます。

  • 毎日の食事・着替え・お風呂などの身の回りの世話
  • 通学ルートや日常的な外出
  • 習い事(医療行為を伴わない通常の習い事)
  • 日常的な医療(定期健診・風邪の診察など)
  • 学校行事への参加

緊急の場合——子どもの急病で即座に手術の同意が必要なとき、DVや虐待の危険から子どもを安全な場所に避難させる必要があるときなど——も、単独で判断・行動できます。

2人で決める必要があること(重要事項)

子どもの生活に大きな影響を及ぼす重要事項については、父母の合意が必要です。

  • 子どもの転居(子どもと一緒に遠方へ引っ越すこと)
  • 進路に影響する進学先の決定(例:高校進学をしないで就職するといった判断)
  • 緊急でない入院・手術などの重大な医療行為への同意
  • 子ども名義の銀行口座の開設や、子どもの財産に関わる決定

この区分けは、共同親権を選ぶ前に実際にこれだけの事柄を元配偶者と相談しながら決めていけるかを現実的に考えるための重要な判断材料になります。

転居・引越しはどうなるか

共同親権を選んだ場合に特に多くの人が気になるのが、転居の問題です。

子どもの転居は重要事項にあたるため、原則として元配偶者の同意が必要です。仕事の転勤・実家に帰りたい・生活費を抑えるために安い物件に移りたい——こういった事情があっても、子どもを連れて引っ越す場合は相手の同意が必要になります。

合意が得られない場合は家庭裁判所に申し立てて判断を仰ぐことになりますが、時間と労力がかかります。転勤が多い仕事についている方や、将来的に実家に戻ることを考えている方にとっては、この点が共同親権を選ぶかどうかを左右する重要な要素になることがあります。

一方で、子ども本人が転居するわけでなく、監護者ではない側の親が転居する場合は相手の同意は不要です。問題になるのは、あくまで子どもを連れての転居です。

子どもと離れて暮らす親の関わり方

親子交流は子どもの権利

共同親権を選んだ場合でも単独親権を選んだ場合でも、子どもと離れて暮らすことになった親との交流(親子交流)は子どもの権利として保障されます。

改正法では、従来面会交流と呼ばれていたこの制度の名称が親子交流に改められました。直接会うことだけでなく、電話・ビデオ通話・手紙のやり取りなど多様な形での交流を含む広い概念として位置づけられています。

単独親権を選んだ場合でも親子交流の機会は持てますが、共同親権を選ぶとその親は親権者として子どもの重要事項について意見を言う権限を持つ点が異なります。

共同親権における非監護親の立場

共同親権のもとで子どもと離れて暮らす親(非監護親)は、親権者として子どもの重要事項の決定に関与できますが、日常の養育については監護者が単独で担います。

非監護親が監護者の日常的な判断に不当に干渉することは許されません。たとえば、子どもの食事内容や習い事の細かい内容にまで口を出し続けるような行為は、制度上認められた範囲を逸脱します。

逆に、監護者が正当な理由なく相手を子どもの重要な決定から排除しようとすることも問題です。共同親権を選んだ以上、双方が子どもを中心に置いて協力する姿勢が求められます。

再婚したらどうなる?

再婚だけでは共同親権は変わらない

共同親権の状態で一方が再婚した場合、再婚したことだけで共同親権の状態が変わるわけではありません。引き続き元配偶者との共同親権が続きます。

再婚相手が子どもと関わる機会が増えたとしても、それだけで元配偶者が子どもの親権者でなくなることはありません。

再婚相手と子どもが養子縁組をした場合

子連れで再婚し、再婚相手と子どもが養子縁組(いわゆる連れ子養子)をした場合、親権関係が変わります。

改正民法では、子どもが養子縁組をした場合には養親(再婚相手)とその配偶者である実親が親権者になると明確化されました。この場合、元配偶者(離婚した側)は親権を失います。つまり、共同親権の状態で再婚相手との養子縁組が成立すると、もう一方の実親(元配偶者)の親権は自動的に終了します。

ただし、親権を失っても子どもとの法律上の親子関係がなくなるわけではありません。親子関係は永続するものであり、養子縁組によって面会交流を打ち切ることはできません。

共同親権のもとで養子縁組をする手続き

子どもが15歳未満の場合、養子縁組には親権者の同意が必要です。共同親権の状態では、元配偶者の同意も必要になります。

元配偶者が養子縁組に反対する場合、これまでは事実上、養子縁組が不可能な場面がありました。改正法では、父母間の意見対立を家庭裁判所が調整する手続きが新設されました。裁判所が子どもの利益のために特に必要があると認めれば、元配偶者の同意なしに養子縁組を進めることができるようになります。

共同親権と単独親権、どちらが自分に合うか

共同親権と単独親権のどちらを選ぶかは、その後の暮らしに長く影響します。一般論としてこちらが正解とは言い切れず、家庭の状況によって判断が変わります。

共同親権が向いているケース

元配偶者との関係が子どものためになら協力できる状態にあること、元配偶者も子どもへの愛情があり積極的に関わりたいと考えていること、子どもも両親の関与を望んでいること——こうした状況であれば、共同親権は子どもの利益に資する可能性があります。

また、親権争いが激化すると離婚手続きが長引き、子どもが板挟みになるリスクがあります。共同親権であれば、どちらかが親権を取れなかったという状況を避けられるため、協議が比較的スムーズに進むこともあります。

単独親権が向いているケース

DVや虐待の被害がある場合はもちろん、元配偶者との信頼関係が修復困難で、子どもに関する事柄でまともな話し合いが期待できない場合は、単独親権の方が子どもの生活を安定させやすいことがあります。

将来的に転勤や引越しの可能性がある仕事についている場合、あるいは遠方の実家に戻りたいと考えている場合も、転居のたびに相手の同意が必要になる共同親権の制約は現実的に重い負担になることがあります。

単独親権を選んでも、親子交流の取り決めをきちんとしておけば、子どもと離れた側の親との関係は維持できます。

まとめ|離婚後の共同親権で変わること・変わらないこと

離婚後に共同親権を選んだ場合に変わること——それは、子どもに関する重要な決定を元配偶者と合意しなければならない場面が生まれるということです。子どもの転居・進学先・重大な医療行為がその代表例で、合意できなければ家庭裁判所に申し立てる手間が生じます。

変わらないこと——子どもの日常的な世話は一緒に暮らしている親が担います。養育費の支払い義務は共同・単独に関わらず続きます。子どもと離れた側の親との親子交流の権利も変わりません。

共同親権は万能ではありません。元配偶者との協力関係が築けない状況では、子どもの生活の安定を損なうリスクがあります。DVや虐待の背景があるケースで共同親権を選ぶことは、被害者と子どもの安全を脅かすおそれがあります。

離婚後の親権をどうするかは、子どもの将来を大きく左右する決断です。自分と子どもの状況を冷静に見つめ、必要であれば弁護士に相談しながら、子どもにとって最善の選択を考えてください。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

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