風俗でのトラブル!加害者目線で学ぶ「話し合い」の進め方と示談マニュアル

近年、夜のサービス業界で思わぬトラブルに巻き込まれてしまい、話し合いによる解決(以下、「示談」といいます。)を検討している方が増えています。とくにこの業界に初めて足を踏み入れた方の中には、無知ゆえの行き違いが原因で面倒な事態に発展してしまうケースも少なくありません。いざ問題が起こってしまったとき、当事者側(本記事では、相手方に迷惑をかけてしまった「加害者」の立場)の方は「どのように話し合いを進めればいいのか」「専門家は必要か」「示談金はどのくらい支払うものなのか」など、さまざまな不安や疑問を抱くでしょう。
本記事では、夜のサービス提供店でのトラブルに直面した際、加害者の立場としてどのように解決を図っていけばよいのかを中心に解説していきます。できるだけ専門用語は避け、初めて示談交渉に臨む方でもわかりやすいようにまとめました。問題を大きくせず、円満解決を目指すための一助となれば幸いです。
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なぜ夜のサービス提供店でトラブルが起こりやすいのか
夜の娯楽関連の施設を利用するのは、ストレス解消や大人の楽しみを求めている方が多いのが特徴です。一方で、他のサービス業と比べて「高いプライバシー性」や「性的サービスを含むデリケートなやり取り」などが絡んでくるため、以下のような要因でトラブルに発展しやすいと言われています。
コミュニケーション不足
お店側は提供できるサービス内容や注意事項を説明していても、利用者側が十分に理解していなかったり、逆に「もっと特別なサービスをしてくれるはずだ」と勝手に期待してしまったりするケースがあります。これが行き違いを生み、口論や深刻なもめ事に発展することもしばしばです。
お酒やアルコールの影響
深夜帯にお酒を飲んだ状態で店舗を利用するケースも多いです。アルコールが入ったことで理性が鈍り、通常では起こさないような行動に出てしまうことがあります。暴言や暴力行為が起これば、当然お店としても大きな問題にしなければなりません。
高額な料金設定やオプション
夜のサービス業は高いお金が動く世界です。提示された料金に不満を持ったり、オプション料金を巡ってトラブルが起こるケースもあり、「こんなに払えるわけがない」と支払いを拒否すれば、店側との対立が深刻化してしまう恐れがあります。
プライバシー性の高さ
外部に漏らしたくないという気持ちがある一方で、店員やサービス提供者と二人きりの状況でトラブルが発生しやすいことも事実です。言った言わないの水掛け論になり、どちらが正しいのか判別がつきにくい点も、大きな原因のひとつと言えるでしょう。
加害者側として気をつけたい基本姿勢
もしあなたが店側やスタッフに迷惑をかけてしまった、あるいはルール違反をしてしまった結果、トラブルに発展してしまった場合、まずは落ち着いて状況を把握し、今後の見通しを立てる必要があります。示談交渉を始める前に、基本となる心構えを確認しておきましょう。
冷静さを取り戻す
いくら相手が感情的になっているとしても、加害者側がさらに声を荒らげてしまうと、状況は悪化の一途をたどります。まずは気持ちを落ち着けて、深呼吸をするなどして冷静さを保ちましょう。特にお酒が入っている場合は、正しい判断ができなくなっている可能性があるため、少し時間を置くことも重要です。
相手の主張をしっかり聞く
トラブルの原因や相手が抱いている不満・不安を理解しないまま、一方的にこちらの都合だけを押し付けようとしても、解決への糸口は見つかりません。相手にどのような損害や被害を与えてしまったのかを知るためにも、まずは話をしっかり聞きましょう。そのうえで事実関係を整理し、自分がどの程度の責任を負う必要があるのかを冷静に考えます。
早めの謝罪が効果的
もし自分に過失や違反行為があったなら、できるだけ早い段階で誠意をもって謝罪することが、関係修復への近道です。相手は単に金銭を求めているだけではなく、自分が傷つけられたことについての謝罪や反省を求めている可能性があります。早めの段階で「申し訳ありませんでした」と言えるかどうかが、その後の話し合いをスムーズに進める大きな要因となるでしょう。
感情的な行動は厳禁
感情的になって「暴言」「恫喝(どうかつ)」「無視」などの態度に出れば、事態はさらに悪化します。相手の話をさえぎったり、怒りをぶつけたりするのではなく、あくまでも冷静かつ礼儀正しく対応することが大切です。
話し合いによる解決(示談)とは何か
法律用語で「示談」とは、当事者間の話し合いによって解決策を取り決めることを指します。民事上の紛争や刑事事件などでも頻繁に使われる概念ですが、夜のサービス業界でのトラブルにおいても、相手との関係をこれ以上悪化させず、さらに公にしたくないという動機から、よく検討される手段です。
- 示談のメリット
- 早期解決が見込める
- 相手との関係修復が比較的スムーズ
- 公になる可能性を低くできる
- 弁護士費用や裁判費用などを抑えられる場合が多い
- 示談のデメリット
- 当事者同士の話し合いが難航する場合がある
- 相場がわからず、過度な金額を請求される恐れ
- 証拠や書面が整っていないと、後日再度トラブルになる可能性
加害者側としては、示談で解決すれば刑事事件化するリスクや、裁判沙汰になるリスクを抑えられるケースもあるため、まずは話し合いの道を探ることが一般的です。
専門家(弁護士)への相談が必要なケース
夜のサービスを巡るトラブルは、金額や内容により軽微なものから重大なものまでさまざまです。示談交渉で解決できる場合でも、以下のようなケースでは早めに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
相手側が多額の金銭を要求してくる
一般的な相場を大きく超える金額を請求されたり、支払い能力を超える多額の金銭を求められたりする場合、個人同士では対処しきれない可能性があります。話し合いがこじれたり、不当な請求を受けていると判断される場合は、速やかに弁護士へ相談し、適正な金額を算定してもらうべきです。
暴力や脅迫などが絡んでいる
トラブルの中には、店側・客側どちらかが暴力や脅迫行為を行い、もはや単なるサービス内容の行き違いでは済まないケースがあります。こうした場合、下手に話を進めるとかえって危険を伴うおそれがあります。警察介入や法的措置を検討する必要があるため、専門家にアドバイスを求めることが望ましいでしょう。
第三者や別の機関がトラブルに巻き込まれている
店舗と利用者のトラブルに、ときには同伴者や別のサービス業者、さらには親族まで巻き込まれることがあります。問題が複雑化するほど、素人だけでは整理が難しくなるので、早めに弁護士に依頼して利害関係を整理してもらうことが大切です。
刑事事件化する可能性が高い
いくら当事者同士の話し合いで解決しようとしても、内容によっては警察が動き、刑事事件となる可能性があります。逮捕や前科がつくリスクを避けるためにも、特に重大な違反が疑われる場合は早めに専門家と対策を検討する必要があります。
示談交渉の進め方
夜のサービスを利用中に発生したトラブルについて話し合いを行い、示談を成立させるまでの大まかな流れは以下のとおりです。
事実関係の確認
まずはお店側の主張と自分の認識を照らし合わせ、何が原因でどのような被害が生じたかを正確に整理します。もし、店内に監視カメラなどがあるのであれば、映像の確認を求めると話がスムーズになる場合もあります。
相手の要求をヒアリング
お店側(またはスタッフ)がどのような解決策を希望しているのかを確認します。「謝罪のみで十分」「修理費や治療費など実費を負担してほしい」「慰謝料の支払いを求める」など、ケースによって多種多様です。
こちらの条件を提示する
こちら側にも一定の言い分がある場合が多いでしょう。自分が支払える範囲や、どのような解決を望んでいるかを明確に示します。ただし、あまりにも不誠実な態度をとると話し合いが決裂する可能性が高まるため、相手の主張を踏まえつつ、妥当と思われるラインを探ります。
示談書の作成
互いが納得できる条件に合意したら、示談書を作成しておくことが重要です。口約束で済ませると「そんな合意はしていない」と後から言われるリスクがあります。示談書には以下のような内容を盛り込みましょう。
- 当事者の氏名・住所などの基本情報
- トラブルの概要と責任の所在
- 示談金の金額と支払い方法(分割の場合は回数や期限)
- 今後の相互不干渉条項(再度の請求をしないなど)
- 作成日と署名・捺印
支払いと再発防止
示談金の支払いが終われば、基本的にはトラブルは解決となります。しかし、同じようなことを繰り返さないためにも、店の利用方法や規則を再確認し、自分自身の行動を振り返ることが大切です。
示談金の相場と支払い方法
トラブル内容や被害状況によって、示談金の額は大きく変動します。夜のサービス関連の事案では、「数万円〜数十万円」で解決する場合もあれば、暴力や重大な損害が絡む場合は「百万円単位」に達することもあります。
相場に影響を与える主な要素
- トラブルの種類:暴言やセクハラ程度なら比較的低額で済むことが多いですが、暴力や器物損壊、重大な怪我などが生じると高額化する傾向があります。
- お店やスタッフの対応:高級店の場合、店のブランドイメージを損なったとして高額を請求されるケースもあります。
- 話し合いの態度:真摯に謝罪し、スムーズに話し合いを進めれば低めの金額で合意に至ることもありますが、逆に態度が悪く、相手の怒りを増幅させるような対応を取ると金額が膨れ上がる可能性があります。
支払い方法について
示談金の支払いは一括が基本ですが、事情によっては分割払いを認めてもらうことも可能です。ただし、分割払いを希望する場合は、相手の信頼を得るために分割の具体的な回数と支払期限や支払いに遅延があった場合のペナルティなどを明確にしなければなりません。
店側との話し合いで注意すべきポイント
加害者側として、できるだけ穏便に解決したいという思いがある一方で、相手に押されるがまま高額な金額を支払うことは避けたいところです。以下の点に留意しつつ話し合いを行いましょう。
事実を正直に伝える
自分に不利な部分を隠そうとして嘘をつくと、後でバレた際に状況がさらに悪化します。誤解や行き違いがあった場合でも、まずは正直に伝えることが大切です。
相場を把握しておく
夜のサービスにおけるトラブルの示談金には、明確な相場が定められているわけではありません。しかし、一般的な暴行・傷害などの事例や、過去の例を元に「これくらいの範囲内であれば妥当」とされる目安は存在します。高額な要求に直面した際は、ネットや弁護士への相談を通して適正な相場をつかんでおくと安心です。
示談書の内容を熟読し、納得したうえで署名する
感情的になって「早く終わらせたい」と急ぐあまり、内容をよく確認しないまま署名してしまうのは危険です。不利な条項が入っていたり、今後も繰り返し請求される余地が残っているケースもあるため、納得できない部分があれば必ず修正を求めましょう。
無理なら専門家を挟む
自力での交渉が難しい場合、弁護士に間に入ってもらうことを検討してみましょう。特に相手が大手の店舗やグループ企業で、法務部門などを持っているような場合は、専門家を付けないと対等な話し合いが難しいこともあります。
トラブルを防ぐためにできること
加害者側になってしまった後では後悔しか残りません。もともと夜のサービスを利用する際に以下のような点を意識しておけば、そもそもトラブルを未然に防ぐことが可能です。
ルールや注意事項の確認を徹底する
利用前にお店のルールをきちんと把握しましょう。HPや受付時の説明をしっかりと読み、わからない点があれば必ずスタッフに確認を取ってください。
アルコールを飲みすぎない
過度な飲酒はトラブルの元です。普段ならしないようなミスをしてしまったり、怒りっぽくなったりする原因にもなります。お酒の力を借りないと楽しめないと感じる方もいるかもしれませんが、適量を守りましょう。
高額なサービスを安易に利用しない
無理な金額のコースやオプションを頼んでしまい、請求時に揉めるというケースはよくあります。自分の支払い能力を考え、身の丈に合った利用を心がけることが重要です。
トラブルになりそうな兆候を感じたら早めに退店する
サービス内容やスタッフとのやり取りで「これは雲行きが怪しい」と感じたら、無理をせず早めに退店を申し出ることも一つの手段です。未然にトラブルを回避するには、状況判断の早さがカギとなります。
よくあるQ&A
Q1:示談が成立したら、もう警察沙汰にはならないの?
A1:示談が成立すれば、通常は相手が刑事告訴を行う可能性が低くなりますし、書類送検された後であっても、起訴される可能性が低くなります。ただし、事件の内容や余罪がある場合などによっては、警察が独自に捜査を進めることもあります。また示談書には「相手方はこれ以上の刑事告訴や告発を行わない」と明記するケースもあるため、しっかり確認しましょう。
Q2:示談金の支払いが滞ったらどうなる?
A2:示談金を分割払いにしていた場合などに途中で支払いが滞ると、再度トラブルに発展する可能性が高いです。契約不履行で法的措置を取られることもありますので、無理のない支払い計画を立てることが大切です。
Q3:相手から契約書ではなく「領収書だけでいい」と言われたが大丈夫?
A3:後から「そんな話はしていない」と言われるリスクを回避するためにも、正式な示談書の作成をおすすめします。領収書だけでは示談条件の詳細を証明しきれない可能性があります。
Q4:お店の人に「早く払わないと会社や家族にバラす」と言われた
A4:脅迫的な言動が行われた場合、たとえ示談交渉中であってもすぐに弁護士や警察に相談しましょう。相手の要求が不当である可能性もありますし、合法的な範囲を超えた脅しは犯罪に該当する場合もあります。
10.まとめ
夜のサービスを利用している最中に問題を起こしてしまい、話し合いによる解決(示談)を検討している方は、まずは落ち着いて状況を整理することが大切です。お店側やスタッフへの真摯な謝罪を行い、どのような解決策が提示されているかを正しく把握し、そのうえで妥当な合意点を探りましょう。
- トラブルの原因や相手の要求をしっかり理解する
- 誠実な態度で話し合いに臨む
- 相場や法的リスクを把握し、不明点は専門家に相談する
- 示談書は必ず作成し、条件を明記する
一度問題を起こしてしまうと、信用回復は決して容易ではありません。しかし、真摯に反省し、適切な対応を取れば、相手との関係修復が可能なケースもあります。加害者側としては、相手をさらに傷つけることのないよう注意を払いながら、誠意をもって交渉にあたることが肝要です。
また、今後同じような出来事を繰り返さないためにも、利用時のルール確認や節度あるお酒の飲み方など、基本的なマナーを守ることを忘れないようにしてください。自らが引き起こした問題であっても、正しい手順を踏むことで、できる限りスムーズに解決へと導くことができるでしょう。
以上の内容を踏まえ、冷静に示談交渉を行い、円満解決を目指していただければ幸いです。トラブルを大きくせず、できるだけ早期に合意に達することが、双方にとって最善の道となるでしょう。もし自力での解決が難しいと判断した場合は、迷わず法律の専門家へ相談し、適切なサポートを受けてください。

この記事を監修した弁護士
代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)
所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。
