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痴漢で逮捕されたら?早期示談で未来を守るために知っておきたいこと

2025.11.05 弁護士コラム

痴漢の疑いで逮捕されるなんて、自分には関係ないと思っている方がほとんどでしょう。
でも実際には、通勤電車や人混みの中で「この人に触られた」と訴えられ、そのまま警察に引き渡されることは珍しくありません。

そんな状況に置かれたら、誰だって頭の中が真っ白になります。

「会社や家族に知られたらどうしよう…」
「無実なのに信じてもらえないかもしれない」
「前科がついてしまったら人生はどうなるんだろう」

次々と不安が押し寄せ、冷静な判断が難しくなります。

こうしたときに事件をできるだけ早く、そして良い形で終わらせるために大切なのが 早期示談 です。逮捕後の限られた時間の中で、どれだけ迅速に示談を進められるかによって、その後の結果は大きく変わります。

痴漢事件での逮捕から処分までの流れ

まずは、痴漢容疑で逮捕された場合にどんな流れになるのかを整理しておきましょう。

  • 逮捕される
    現行犯で警察に引き渡され、そのまま警察署へ。
  • 取り調べを受ける
    名前や住所といった基本情報を確認されたあと、事件の内容について詳しく事情を聞かれます。ここでの供述は、後の処分にも影響します。
  • 身柄拘束(最大72時間)
    検察に送られ、さらに裁判所が勾留を認めれば、最大20日間も警察施設に拘束されることがあります。
  • 起訴か不起訴かの判断
    最後に検察官が「裁判にかけるかどうか」を決めます。不起訴になれば前科はつきません。

この流れの中で、示談をどの段階で成立させられるかが非常に大きな意味を持ちます。

早期示談がなぜ大事なのか

痴漢事件では示談の有無が処分を大きく左右しますが、特に 早期示談 には次のようなメリットがあります。

  • 早期釈放の可能性が高まる
    示談が成立すると「逃げたり証拠を隠したりする心配がない」と判断され、勾留を避けられたり、早く釈放されるケースがあります。
  • 不起訴になる可能性が上がる
    被害者が「処罰を望まない」と意思を示すことで、検察官が不起訴を選択しやすくなります。
  • 社会的なダメージを最小限にできる
    長期間拘束されると会社や学校に伝わりやすくなりますが、早期釈放できればそのリスクを減らせます。

つまり、早期示談は「自由」「前科の有無」「社会的信用」という3つの側面を守るために欠かせない手段です。

早期示談の進め方

逮捕直後から示談を進める流れは、大まかに次の通りです。

ステップ1:弁護士に依頼する

まず最初にやるべきことは弁護士への連絡です。本人や家族が直接被害者と連絡を取るのは避けるべきで、かえってトラブルを大きくすることもあります。

ステップ2:弁護士が被害者に連絡

弁護士が代理人となり、被害者に示談の意思を確認します。最初は拒否される場合もありますが、誠意を示すことで応じてもらえるケースもあります。

ステップ3:条件の交渉

示談金の金額や支払い方法、今後の接触禁止など、具体的な条件を話し合います。ここで相場を外れた金額を提示すると交渉は難航します。

ステップ4:示談書を作成

合意に至れば、弁護士が示談書を作成します。ここに「処罰を望まない」という被害者の意思が明記されることが重要です。

ステップ5:検察官に提出

完成した示談書は検察官に提出され、最終的な処分を決める判断材料となります。

示談金はいくらぐらい?相場感を知っておこう

痴漢事件の示談で最も気になるのが「結局いくら支払うのか」という点です。
もちろんケースごとに異なりますが、一般的には 20万〜100万円前後 が多いとされています。

一般的な相場の目安

  • 軽いケース(衣服の上から触れた、手が当たった程度)
    → 20万〜40万円ほど。初犯で比較的軽度とされる場合はこの範囲で収まることが多いです。
  • 中程度のケース(下着に手を入れた、明確な接触がある場合)
    → 40万〜70万円程度。被害者の精神的負担が大きく、示談金も高めになります。
  • 重いケース(執拗な行為、長時間続いた、被害者が未成年など)
    → 80万〜120万円以上。ケースによっては150万円を超えることもあります。

示談金が高くなりやすいケース

  • 被害者が未成年である場合
  • 加害者が公務員や会社員など社会的立場のある場合
  • 報道リスクや世間の注目度が高い場合

示談金が低めで合意しやすいケース

  • 逮捕直後に迅速に示談交渉を始めた場合
  • 誠意を持って謝罪し、再発防止の姿勢を示した場合

弁護士が入るとどう違う?

示談金は「お金を払えば解決」という単純な話ではありません。
高すぎる金額を提示すれば「買収ではないか」と疑われ、逆に安すぎれば「誠意がない」と受け取られて交渉が決裂することもあります。

弁護士が入れば、過去の事例や相場感を踏まえて、被害者が納得しやすい金額を提示できます。さらに、分割払いの相談や謝罪文を添えるなど、柔軟な条件を組み合わせることで合意に持ち込めるケースもあります。

つまり、痴漢事件の示談金は「20万〜100万円前後」が多いものの、事情や交渉次第で上下します。弁護士を通して交渉することで、結果的に負担を抑えながら示談を成立させることが可能になります。

弁護士に依頼するメリット

痴漢事件の示談をスムーズにまとめるには、やはり弁護士の力が欠かせません。

  • スピーディーな対応
    逮捕直後から接見して、釈放に向けた準備を進めてくれます。
  • 交渉の代理人になってくれる
    被害者と直接やり取りするリスクを避け、冷静に話をまとめてもらえます。
  • 適切な条件で合意できる
    被害者に納得してもらえる現実的な金額や条件を提示できます。
  • 不起訴処分を目指せる
    示談書を検察官に提出し、前科がつかない解決を目指せます。

まとめ:早期示談で人生を取り戻すために

痴漢事件で逮捕されたとき、何より大事なのは「すぐに動くこと」です。
時間が経てば経つほど被害者の気持ちは固まり、示談は難しくなります。

逮捕直後から弁護士に依頼し、早期に示談を成立させることで、釈放、不起訴、社会的信用の維持といった結果につながる可能性が高まります。

痴漢事件は、放置すれば人生を大きく狂わせるものです。しかし、正しい流れで早期示談を進めれば、未来を取り戻すことは十分可能です。

一人で悩まず、まずは弁護士に相談してみてください。その一歩が、あなたの未来を守る大きな力になります。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

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