盗撮で現行犯逮捕|示談成立で不起訴処分となった事例
現行犯逮捕・報道と解雇の不安→不起訴処分
広島市南区の30代男性が、盗撮での現行犯逮捕後に示談を成立させ、不起訴処分となった解決事例です。
30代男性/広島市南区
事例を読むcolumn
弁護士コラム
弁護士に相談することで、解決への道筋が見えてきます。
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近年、スマートフォンのカメラ性能向上や小型撮影機器の普及に伴い、盗撮が社会問題として大きく取り上げられるようになりました。SNSやネットニュースでも「盗撮」という言葉を見かける機会が増え、一度の過ちで人生が大きく変わってしまうケースも少なくありません。
「盗撮の初犯で逮捕された場合、不起訴になる可能性はあるのか?」――これは、初めて検挙された人はもちろん、その家族や周囲の人々にとって深刻な関心事でしょう。本記事では、盗撮関連の法的側面を整理しつつ、初犯時の処分、そしてどのような状況下で不起訴が検討されるのかを解説していきます。あわせて、逮捕後の流れや弁護士への相談の重要性、再発防止策などにも触れ、万が一に備えるための知識を提供します。
盗撮に関しては、明確に「盗撮罪」という名前の法律が存在するわけではありません。しかし、実際には各都道府県が制定する迷惑防止条例や軽犯罪法、あるいは刑法(住居侵入罪、威力業務妨害罪などの他罪が適用されるケースも)によって処罰の対象となります。
これらはいずれも「撮影対象者の意思に反して、その性的部分や私生活上の姿を撮影する」行為として取り締まりの対象となります。動画、静止画を問わず規制されるため、「写真なら問題ない」「カメラを動かしていなかったからセーフ」といった言い訳は通りません。
盗撮の嫌疑をかけられた場合、まずは警察に逮捕されるか、または任意での事情聴取を受ける形になります。通常、逮捕されると48時間以内に検察へ送致(送検)され、検察が勾留請求を行うかどうか判断します。勾留請求が認められると、最長で20日ほど身体を拘束される可能性があります。
検察は送致後、証拠や本人の供述内容を精査し、起訴するか不起訴とするかを決定します。迷惑防止条例違反の場合、罰金刑や拘留などの比較的軽い罰則が規定されているケースが多いため、事案によっては略式起訴(罰金刑)または起訴猶予(不起訴)がなされることもあります。
初犯といっても、犯行の手口や継続性、共犯の有無などにより、捜査機関の判断は大きく異なります。一度きりの偶発的な盗撮なのか、計画的・常習的に行われていたのかによって、その悪質性や再犯可能性が検討されることになるのです。
被害者が強いショックを受け、精神的苦痛を訴えるケースでは、たとえ初犯であっても厳しく処罰される方向に傾く可能性があります。また、盗撮された映像・画像がネット上に流出していると、被害はさらに拡大し、法的責任が重くなりがちです。
初犯の場合、本人が心から反省し、二度と同じ行為を行わないための具体的な取り組みを始めているかどうかも重要視されます。カウンセリングや治療プログラムを受ける、あるいは家族や職場の協力を得て日常生活を改善するといった姿勢を示すことで、捜査・裁判側の判断に影響が出ることがあります。
「不起訴」とは、検察が最終的に起訴をしないと決定することです。その理由にはいくつかの種類があります。
盗撮事案では、もっとも多いのが「起訴猶予」です。これは**「罪を犯したことは認められるが、社会的影響や再犯可能性、示談の成立などを鑑み、起訴までは必要ない」**と検察が判断するパターンです。
もし不起訴になれば、前科がつかないという大きなメリットがあります。前科がつくと就職や資格取得、海外渡航などに影響が出る可能性があるため、不起訴処分は人生の大きな分かれ道となるのです。したがって、本人や弁護士は、不起訴を得られるよう最善を尽くすことが多いといえます。
盗撮事件においては、被害者との間で示談が成立するかどうかが大きなポイントです。示談金を含む和解を行い、被害者が処罰を望まない旨を表明すれば、検察としても「被害者感情が収まっているため、起訴の必要性が薄い」と判断する可能性が高まります。
撮影されてしまった被害自体が比較的軽微で、周囲への拡散が確認されない場合や、犯行態様が突発的・偶発的であったケースでは、初犯という要素も相まって不起訴や起訴猶予になることがあります。ただし「軽微」という判断は客観的基準があるわけではなく、事情や情状を総合的に見て決まるため、簡単に楽観視できるものではありません。
本人に安定した仕事や家族のサポートがあり、反省や更生の意志が明確に示されている場合、検察が「社会的制裁と本人の再犯可能性の低さ」を考慮し、起訴猶予とすることがあります。カウンセリング受講やコミュニティプログラム参加など、具体的な再発防止策を講じることも大切です。
盗撮は迷惑防止条例違反であることが多いため、罰金刑が科されるケースが珍しくありません。略式起訴という手続きが採られると、公の裁判を経ずに罰金額が決まり、被疑者はその額を納付することで裁判手続きが終了します。罰金刑を科されると「前科」がつく点は注意が必要です。
前述の通り、示談が成立したり初犯で反省が認められたりすると、起訴猶予処分によって実質的に刑罰が科されずに事件が終結する場合もあります。起訴猶予は「再犯や社会的影響が低い」と検察が判断した際に適用されるため、真摯な態度や被害者への誠意ある謝罪が大きく物を言うことがあります。
悪質性が高いと判断されたり、示談が成立しなかったりした場合には、正式裁判で懲役刑・禁錮刑が科されることもあります。とはいえ、初犯の場合は執行猶予が付される可能性が高い傾向がありますが、それでも前科がつき、今後の人生に大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。
盗撮事案で検挙された場合、できるだけ早く弁護士に相談することが大切です。逮捕されているならば勾留される前に弁護士が動くことで、早期釈放の可能性を高めることができます。また、被害者との示談交渉は弁護士が仲介するほうがスムーズに進むケースが多く、不要なトラブルを回避できるでしょう。
被害者との示談が成立すると、不起訴や刑の軽減につながる大きなメリットがあります。特に盗撮事件では、被害者の感情を和らげる意味でも示談は重要視される傾向があります。適切な金銭補償と心からの謝罪を行うことで、被害者が「処罰を望まない」と表明すれば、検察の判断に大きな影響を与える可能性があるでしょう。
ただし、示談交渉を進めるには慎重な姿勢が求められます。被害者側の感情を逆なでするような金額提示や言動をとれば、逆効果になるかもしれません。また、自分で連絡を取るとトラブルが拡大する恐れがあるため、弁護士を介して行うほうが安全かつ確実です。示談書を作成する際も、法的に有効な文面を整えることが重要となります。
盗撮事件が発覚すると、たとえ初犯でも逮捕の報道やインターネットでの拡散により、職場や家族に多大な迷惑がかかる可能性があります。会社での懲戒処分や解雇、人間関係の悪化、近隣の目線など、刑罰以外の社会的制裁によるダメージは計り知れません。
再発防止には、カウンセリングや更生プログラムへの参加が有効とされる場合があります。特に、性的欲求やストレスマネジメントに課題を抱える人は専門的支援を受けることで、同じ過ちを繰り返さないための環境を整えることが大切です。本人の意思だけで解決できない場合も多いため、家族や医療機関、弁護士のサポートを積極的に活用しましょう。
盗撮という行為は、被害者に与える精神的苦痛のみならず、加害者自身の将来や社会的地位にも深刻な打撃を与えます。たとえ初犯であっても、警察や検察の捜査を経て起訴される可能性は十分にありますし、そこに至らなくとも逮捕や身柄拘束に伴う社会的信用の失墜は避けられません。
一方で、示談の成立や誠意ある反省が認められれば、初犯の場合は不起訴処分(起訴猶予)となるケースも少なくありません。被害者との示談交渉、再発防止策の実施、弁護士との連携など、適切に対処すれば、前科が付くことを回避できる可能性は高まります。
本記事で解説した通り、盗撮の問題は非常に複雑であり、法律的リスクだけでなく社会的・心理的な面にも大きな影響を及ぼします。自分自身が加害者にも被害者にもならないよう、改めてモラルや法令順守の重要性を認識し、もし万が一トラブルに巻き込まれたときは早急に専門家の助言を仰ぐことを強くおすすめします。人生を左右する重大な問題だからこそ、安易な自己判断は禁物です。法律と向き合い、適切な手続きを踏むことで、最善の結果を目指していきましょう。
この記事を監修した弁護士
代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)
広島弁護士会所属/弁護士登録番号 第57063号
所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。
平田弁護士について
おりづる法律事務所にお寄せいただいたご相談をもとに、盗撮の解決事例をご紹介します。