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【広島市で盗撮被害に遭ったら?】逮捕・解決への全手順と弁護士相談の重要性

2025.06.26 弁護士コラム

はじめに:私たちの街、広島で深刻化する盗撮問題

歴史と文化が息づき、多くの人々が行き交う広島市。平和記念公園や原爆ドーム、宮島(厳島神社)といった世界遺産を抱え、観光客だけでなく、市民の生活拠点としても活気に満ちています。しかし、その一方で、近年、スマートフォンの高性能化や小型カメラの普及に伴い、この広島の地でも「盗撮」という卑劣な行為が後を絶たず、深刻な社会問題となっています。

駅のホーム、商業施設の試着室、公共のトイレ、あるいはイベント会場や通勤・通学の電車内など、私たちの日常に潜む盗撮の脅威は、被害者に深い心の傷を残します。そして、加害者になってしまった場合もまた、その後の人生に多大な影響を及ぼすことになります。

この問題に直面した時、私たちはどのように行動すれば良いのでしょうか? 広島市という特定の地域に焦点を当て、盗撮に関する現状、適用される法律、そして万が一の事態に直面した際の具体的な対処法について、深く掘り下げていきます。私たち一人ひとりがこの問題について正しく理解し、適切に行動することが、安心して暮らせる広島の街を守る第一歩となるでしょう。

広島市における盗撮の現状と発生しやすい場所

広島市は、アストラムラインや路面電車といった公共交通機関が発達し、紙屋町・八丁堀エリアの大型商業施設、広島駅周辺の再開発地域など、常に人通りが多い場所が多数存在します。このような特性が、残念ながら盗撮事件の発生リスクを高める要因となっています。

広島市内で盗撮が発生しやすい具体的な場所

広島市内で特に盗撮行為が発生しやすいとされる場所には、以下のような特徴があります。

公共交通機関の車内・駅構内:

  • JR広島駅、横川駅、西広島駅などの主要駅構内: エスカレーターや階段、混雑したホーム、停車中の電車内などが狙われやすいです。
  • アストラムライン、広島電鉄(路面電車)の車内: 特に通勤・通学時間帯の混雑時や、車内の座席で隣に座った際などが危険視されます。

商業施設・百貨店:

  • そごう広島店、福屋八丁堀本店、広島パルコ、アクア広島センター街、広島T-SITE、エディオン蔦屋家電など: 店内のエスカレーター、試着室、公共トイレ、休憩スペースなどが狙われることがあります。特に試着室はプライバシーが守られるべき空間ですが、悪質な盗撮犯のターゲットとなることがあります。

公共施設・イベント会場:

  • 広島グリーンアリーナ、広島県立美術館、縮景園、平和記念公園周辺: 大勢の人が集まるイベント時や、観光客が多い場所では、注意力が散漫になりやすく、盗撮犯にとっては好都合な環境となり得ます。
  • 図書館、病院など: 不特定多数の人が利用する場所でも、不意を突かれる形で盗撮が行われるケースがあります。

その他:

  • 飲食店やカフェのトイレ: 特に個室型ではないタイプや、男女共用トイレなどで設置型カメラによる盗撮が発覚する事例も報告されています。
  • 路上での歩行中: スマートフォンを不自然な角度で向けている人物などがいたら警戒が必要です。

これらの場所では、常に周囲への注意を払い、不審な行動をとる人物がいないか警戒することが重要です。

広島県警察の取り組みと統計に見る傾向

広島県警察も、盗撮を含む性犯罪対策に力を入れています。繁華街や駅周辺でのパトロール強化、防犯カメラの設置推進、そして市民への防犯意識啓発などが挙げられます。しかし、具体的な逮捕者数や件数については、公開されている統計データだけでは事件の全貌を把握しきれないのが現状です。

表面化しない「潜在的な被害」も多く存在すると考えられ、被害者が気づいていないケースや、被害に遭っても警察への届け出を躊躇するケースも少なくありません。盗撮問題は、単なる迷惑行為ではなく、人権侵害という重大な犯罪であり、社会全体で撲滅に取り組むべき課題なのです。

広島市で盗撮事件に遭遇したら:被害者・加害者それぞれの対処法

盗撮の被害に遭ってしまった場合、あるいは不本意ながら加害者として疑いをかけられてしまった場合、広島という地域に即して、どのような対処法があるのでしょうか。

【被害に遭った場合】迅速な行動が解決への鍵

もしあなたが広島市内で盗撮の被害に遭ってしまったら、動揺せず、冷静に、そして迅速に行動することが何よりも重要です。

  • その場で声を上げる・助けを求める: 状況が許せば、すぐに「やめてください!」「盗撮です!」と声を上げ、周囲の人に助けを求めましょう。犯人が逃走するのを防ぎ、目撃者の確保にも繋がります。
  • 証拠の確保:
  • 犯人の特定: 犯人の顔、服装、身体的特徴、使用していたカメラやスマートフォンの種類などを記憶に留めましょう。可能であれば、写真や動画を撮ることも有効です(ただし、安全を最優先に)。
  • 犯行状況の記録: どのような場所で、いつ、どのように撮影されたのか、具体的な状況を記録しましょう。
  • すぐに110番通報: 落ち着いてからではなく、その場で、あるいは安全な場所に移動したらすぐに警察(110番)に通報してください。広島県警察の担当者が現場に駆けつけ、捜査を開始してくれます。
  • 管轄の警察署への相談: その後、事件が起きた場所の管轄警察署(例:広島中央警察署、広島南警察署、広島西警察署など)に被害届を提出することになります。最寄りの交番でも相談に乗ってくれます。
  • 証拠の提出と被害届の提出: 警察官が到着したら、状況を詳細に説明し、確保した証拠があれば提出します。被害届の提出は、刑事事件として捜査を進めてもらうために不可欠です。
  • ひろしま被害者支援センターなどの支援機関へ相談: 盗撮による精神的苦痛は非常に大きいものです。広島には、犯罪被害者の心のケアや生活再建を支援する機関があります。
  • 公益社団法人ひろしま被害者支援センター: 専門のカウンセラーや支援員が、無料で相談に応じ、警察・病院への付き添い、弁護士紹介など、多岐にわたる支援を提供しています。一人で抱え込まず、専門機関のサポートを積極的に利用してください。

【加害者として疑われた場合】広島の弁護士へ速やかな相談を

もしあなたが広島市内で盗撮行為を疑われ、警察から事情聴取を受けたり、逮捕されたりしてしまったら、その後の人生を大きく左右する重要な局面です。この段階で取るべき行動は、即座に弁護士に相談することです。

  • 黙秘権の行使と弁護士要請: 警察官による取調べでは、供述内容が後に裁判で不利な証拠となる可能性があります。「話したくない」「弁護士が来てから話します」と伝える権利(黙秘権)があります。決して焦って不利な供述をしないことが重要です。
  • 広島市内の弁護士へ即時連絡: 逮捕された場合、家族や知人に連絡し、すぐに弁護士を探してもらいましょう。広島市には多くの法律事務所があり、刑事事件に対応できる弁護士も多数います。

なぜ広島の弁護士が重要か:

  • 地の利と迅速な接見: 広島市内の警察署(広島中央警察署、広島南警察署など)への迅速な接見(面会)が可能です。逮捕直後の72時間以内は、弁護士以外は家族であっても面会が制限される場合が多く、弁護士があなたに代わって状況を確認し、適切なアドバイスをします。
  • 広島地方検察庁との連携: 勾留の判断を下すのは広島地方検察庁です。地元の弁護士は、警察や検察との連携に慣れており、効果的な弁護活動を展開できます。
  • 地域の実情への理解: 広島県迷惑防止条例など、地域の特性や運用に関する知識が豊富であるため、より的確な戦略を立てることができます。

示談交渉の開始:

  • 盗撮事件の解決において、被害者との「示談」は最も重要な要素の一つです。示談が成立すれば、不起訴処分や刑の軽減に繋がる可能性が格段に高まります。しかし、加害者自身が直接被害者と交渉することは、被害者の感情を逆撫でする危険性があり、二次的なトラブルに発展することも少なくありません。

弁護士による示談交渉のメリット:

  • 弁護士が代理人として被害者と交渉することで、被害者の感情に配慮しつつ、冷静かつ円滑な示談成立を目指すことができます。示談金の相場の提示、謝罪の気持ちの伝達、再犯防止への具体的な取り組みの提示など、専門的な知識と経験をもって交渉を進めます。
  • 再犯防止への取り組み: 事件が解決した後も、二度と同じ過ちを繰り返さないための対策は不可欠です。専門機関でのカウンセリングや治療(広島市内にも性依存症治療やカウンセリングを行う医療機関・相談機関があります)、生活習慣の見直しなど、弁護士と相談しながら具体的な再犯防止策を立て、実行に移すことが、真の更生への道となります。

広島市から発信する盗撮防止と市民意識の向上

盗撮は、個人の問題に留まらず、安心して暮らせる社会の実現を阻害する深刻な問題です。広島市全体で、市民一人ひとりの防犯意識を高め、盗撮のない街を目指すための取り組みが求められます。

街ぐるみでの防犯対策

  • 防犯カメラの増設と活用: 駅構内、商業施設、公共施設など、盗撮が起こりやすい場所への防犯カメラの設置をさらに推進し、その映像を活用した早期発見・早期解決に繋げる。
  • 不審者への声かけの徹底: 店舗や施設の従業員、駅員、公共交通機関の乗務員などが、不審な行動をとる人物に対し積極的に声かけを行うことで、犯罪の抑止に繋がります。
  • 警察官・警備員の巡回強化: 特に人混みの多い場所やイベント会場などでの巡回を強化し、盗撮犯の活動を封じる。

市民一人ひとりの防犯意識を高めるために

  • 「盗撮させない」意識: エスカレーターに乗る際は足元や後方に注意を払う、試着室やトイレを利用する際は不審な穴や物がないか確認するなど、被害に遭わないための意識を持つことが重要です。
  • 「盗撮を許さない」意識: 盗撮行為を目撃した際は、積極的に声を上げたり、周囲の人や施設関係者、警察に通報したりするなど、「見て見ぬふりをしない」勇気を持つことが、犯罪撲滅に繋がります。
  • 情報共有と啓発活動: 広島県警察や自治体、地域の防犯団体などが連携し、盗撮に関する最新情報や手口、防犯対策を市民に広く周知する活動を継続する。

最後に:安全な広島の未来のために、今できること

広島市という私たちが愛する街で、盗撮という行為が横行することは、市民の安全と安心を脅かす由々しき事態です。しかし、この問題は、私たち一人ひとりが意識を変え、行動することで、必ず改善へと向かわせることができます。

もしあなたが盗撮の被害に遭われたら、決して一人で悩まず、すぐに警察や専門の支援機関に相談してください。そして、もしあなたが過ちを犯してしまった、あるいは疑われてしまったのなら、早急に広島市内の弁護士に相談し、適切な法的手続きと真摯な反省、再犯防止への取り組みを通じて、社会復帰への道を歩み出す勇気を持ってください。

広島の街を、誰もが安心して過ごせる場所に。その願いを実現するために、今日から私たち自身の意識と行動を変えていきましょう。そして、この問題に立ち向かうすべての人々に、適切な支援と理解が届けられることを心から願っています。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

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