婚姻費用算定表の使い方|子供2人の場合
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3種類の表の選び方・年齢が変わるタイミング・計算例を徹底解説
子どもが2人いる場合の婚姻費用算定表は、子どもが1人のときより使い方が複雑です。2人の子どもの年齢の組み合わせによって使う表が3種類に分かれており、どの表を選ぶかによって金額の目安が変わります。
また、子どもが成長して15歳の誕生日を迎えると使う表が切り替わり、金額も上がります。子どもが2人いると、この切り替えが最大2回発生します。見落としやすい点なので、正確に把握しておくことが重要です。
この記事では、子供2人のケースに絞り、使う表の選び方・具体的な計算例・年齢変化による表の切り替えタイミング・金額が増減する特別な事情を解説します。
子供2人のとき使う表は3種類ある
婚姻費用算定表は全部で10種類あり、子どもなし(表10)・子1人(表11・12)・子2人(表13〜15)・子3人(表16〜19)に分かれています。子供2人の場合は2人それぞれの年齢区分(14歳以下か15歳以上か)の組み合わせで次の3つの表を使い分けます。
| 表の番号 | 第1子の年齢 | 第2子の年齢 | 金額の傾向 |
|---|---|---|---|
| 表13 | 0〜14歳 | 0〜14歳 | 3種類の中では低め |
| 表14 | 15歳以上 | 0〜14歳 | 中程度 |
| 表15 | 15歳以上 | 15歳以上 | 3種類の中では最高 |
年齢の区切りは15歳です。子どもが15歳の誕生日を迎えた時点で15歳以上の区分に移ります。2人の子どもがともに14歳以下であれば表13、一方が15歳以上になれば表14、両方が15歳以上になれば表15という流れで、子どもの成長とともに使う表が段階的に変わっていきます。
なお算定表の表記では年齢の高い子を第1子と呼びます。たとえば12歳と8歳の兄弟なら12歳が第1子、8歳が第2子です。どちらも14歳以下なので表13を使うことになります。
子供2人の場合に金額が高くなる理由
算定表の金額は、子どもの人数が増えるほど高くなります。これは、婚姻費用の計算に使われる生活費指数が子どもの人数分だけ積み上がる仕組みによるものです。
生活費指数とは、家族の中で各人に割り当てられるべき生活費の比率を示す数値で、親1人を100として子どもの年齢別に定められています。子どもが2人いる場合、2人分の指数が合算されます。
| 年齢区分 | 生活費指数 | 子2人分の合計指数 |
|---|---|---|
| 14歳以下 | 62 | 2人とも14歳以下の場合:62+62=124 |
| 15歳以上 | 85 | 1人が15歳以上の場合:85+62=147 |
| (参考)親 | 100 | 2人とも15歳以上の場合:85+85=170 |
子1人・14歳以下(指数62)と比べると、子2人・ともに14歳以下(指数124)では生活費の割り当てがほぼ2倍になります。それに応じて算定表の金額も子1人のケースより大幅に高くなります。
上の子が先に15歳を迎えて指数が85に上がると合計は147となり、さらに金額が増えます。2人とも15歳以上になれば指数の合計は170に達し、子1人・15歳以上(85)の2倍に相当します。子どもの成長に伴い段階的に金額が増えていく点は、子2人ケースの大きな特徴です。
具体的な計算例|子供2人の3パターン
2人とも14歳以下のケース(表13)
条件:義務者(夫)年収500万円(給与)、権利者(妻)年収150万円(給与)、子2人・10歳と7歳
表13を使い、縦軸500万・横軸150万の交点を読み取ります。この条件では月額目安はおおむね12〜14万円程度になります。同じ年収で子1人・10歳(表11)のケースが8〜10万円程度になることが多いため、子2人で4万円前後の差が生じます。子どもの年齢が上がって表14・15に移るにつれて、この差はさらに広がります。
第1子が15歳以上・第2子が14歳以下のケース(表14)
条件:義務者(夫)年収500万円(給与)、権利者(妻)年収150万円(給与)、子2人・16歳と10歳
表14を使います。上の子が高校生以上の年代に入り教育費が増す分、表13より金額が高くなります。同条件では月額目安はおおむね14〜16万円程度になるケースが多いです。表13から表14への切り替えは、上の子が15歳の誕生日を迎えた月から適用されます。
2人とも15歳以上のケース(表15)
条件:義務者(夫)年収500万円(給与)、権利者(妻)年収150万円(給与)、子2人・17歳と15歳
表15を使います。2人とも高校生以上で生活費指数が最も高い組み合わせのため、子2人の中では金額が最高水準になります。同条件では月額16〜18万円程度になるケースも見られます。ただし子どもが自立すれば算定表の対象から外れるため、この金額が永続するわけではありません。
シミュレーターで自分のケースを確認する
上記はあくまで目安の数字です。双方の年収と子どもの具体的な年齢をもとに算定表ベースの金額を手早く確認したい場合は、以下のシミュレーターが便利です。
婚姻費用シミュレーター
表の切り替えタイミングを見逃さない
子どもが2人いると、算定表の切り替えが最大2回発生します。上の子が15歳になるとき(表13→表14)と、下の子が15歳になるとき(表14→表15)です。それぞれのタイミングで算定表上の金額が上がるため、権利者は切り替えに応じた増額を義務者に求めることができます。
すでに調停や審判で金額が決まっているケースでは、子どもが15歳を迎えても自動的に金額は変わりません。見直しを求めるには、改めて婚姻費用分担調停を申し立てるか、相手方と協議して合意書を更新する必要があります。
義務者(払う側)にとっても、子どもが自立した後は算定表から外れる(金額が下がる)タイミングがあります。2人目の子どもが成人等により算定対象外になった時点では、子なし(表10)相当の計算に変わります。離婚が成立している場合は婚姻費用自体がなくなるため、離婚の進行状況とともに節目を管理することが大切です。
算定表が使えない・金額が変わる特別な事情
2人の子どもを双方が1人ずつ育てているケース
算定表は権利者が子ども全員を引き取っていることを前提に作られています。子どもが2人いて義務者と権利者がそれぞれ1人ずつ引き取っている場合、算定表をそのまま使えません。この場合は標準算定方式の計算式で双方が負担すべき養育費を計算し、差し引いた差額を婚姻費用として精算する方法がとられます。計算が複雑になるため弁護士または調停での算定が現実的です。
私立学費が2人分かかるケース
算定表に含まれる学校教育費は国公立学校の水準を前提にしています。子どもが2人ともに私立学校に通っている場合、それぞれについて別居前から継続して私立に通っていたかどうか、双方の学歴・収入から私立進学が相当かどうかが判断され、相当と認められれば公立との差額分が加算されます。1人分でも認められるのが難しいところ、2人分となるとより詳細な事情の説明が必要です。
住宅ローンを義務者が負担しているケース
義務者が別居後も婚姻住居のローンを払い続けており、権利者と子ども2人がそこに住んでいる場合、算定表の金額から住居費相当分を差し引く方向で調整が認められることがあります。子ども2人のケースは金額自体が大きいため、住宅ローン負担による減額交渉が金銭的に意味を持つ場面も多くなります。
まとめ|子供2人の算定表活用ポイント
子供2人の場合の婚姻費用算定表は、2人の年齢の組み合わせによって表13・14・15の3種類を使い分けます。2人とも14歳以下なら表13、片方が15歳以上なら表14、両方が15歳以上なら表15です。
子どもの数が増えるほど生活費指数の合計が上がるため、子1人のケースと比べて金額は大幅に高くなります。さらに子どもが成長して15歳の誕生日を迎えるたびに使う表が切り替わり、金額も段階的に上がります。子が2人いると切り替えのタイミングが最大2回あるため、どちらの誕生日も把握しておくことが実務上の重要なポイントです。
双方が子どもを1人ずつ引き取るケースや私立学費・住宅ローンの事情がある場合は、算定表から増減する可能性があります。自分のケースに特別な事情があるときは、シミュレーターで目安を確認したうえで弁護士に相談し、正確な金額の見極めと交渉の戦略を立てることをおすすめします。
この記事を監修した弁護士
代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)
所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。