不同意のわいせつ行為に関わるトラブルで困ったとき、どうすればいいのか?

知らないうちに当事者になる時代へ
ある日突然、警察から「少しお話を伺いたいのですが」と連絡が来た。まったく予想していなかった出来事に、頭が真っ白になる――そんな現実が、今の日本では起こり得ます。
2023年の刑法改正によって、「同意がない性的接触」に対する社会的・法的な目線は大きく変わりました。たとえ一方に悪意がなかったとしても、もう一方の心情や状況によっては、それが重大な犯罪として扱われてしまうことがあるのです。
この問題に直面したとき、最初にすべきことは、感情的にならずに冷静に状況を見つめること。そして、自分だけで抱え込まず、法的な知識と経験をもつ専門家の力を借りることです。
本記事では、こうした事態に巻き込まれてしまった人に向けて、適切な対処法と心構えを、できるだけわかりやすく丁寧に解説していきます。
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同意のないわいせつ行為とは何か?
「拒否されていない」は同意とは限らない
これまで日本の刑法では、相手が抵抗しなかった、あるいは明確に拒否しなかった場合には「同意があった」とみなされやすい傾向がありました。しかし、法改正により、相手が自発的に同意していたかどうかが判断の中心に据えられるようになりました。
つまり、無言や無反応、状況的に断りづらい空気があった場合であっても、同意のない接触は処罰の対象になりうるのです。これは、加害者側にとって非常に厳しい現実でもあります。
どこまでが処罰対象になるのか?
「キスをした」「肩に手を回した」「ふざけて胸に触れた」など、意図的な性的目的がなくとも、相手が不快に感じればそれは違法とみなされる可能性があります。
状況次第では、冗談のつもりでも、刑事事件に発展するリスクがあるということを忘れてはなりません。
捜査が始まったらどうなるのか?
逮捕されると生活は一変する
仮に逮捕された場合、警察での取り調べから始まり、48時間以内に検察へと送致されます。その後、さらに10日間(延長含めて最長20日)の勾留が決定することもあります。
この間、仕事や学校に行くことはできず、身柄を拘束された状態が続きます。報道機関に知られることは稀ですが、職場や家族に知られてしまう可能性もあります。
前科がつくと将来にも影響が
起訴され、有罪が確定すると前科がつきます。前科があると、就職、海外渡航、資格取得など、あらゆる将来の選択肢に影を落とすことになります。たとえ罰金刑であっても、その履歴は消えることはありません。
いま何をすべきか?最初の一歩が未来を左右する
焦らず、誰にも話さず、すぐに専門家へ
突然の取り調べや任意同行に戸惑い、「自分の口で説明すれば誤解は解ける」と思う人も少なくありません。しかし、誤ったタイミングでの発言や供述は、逆に自分を不利な立場に追い込むことがあります。
そうした事態を避けるためにも、まず必要なのは、法的手続きを熟知した専門家に相談すること。これは、状況を的確に把握し、最も安全な対応を選ぶために欠かせないステップです。
一人で交渉はしない
仮に相手との示談を希望しても、本人同士のやり取りではトラブルや逆効果になることもあります。誠意を伝えるつもりが、かえって「脅し」や「口止め」と受け取られてしまうことさえあります。
法律の知識をもとに、第三者として冷静に話を進められる専門家の存在が、相手の理解と解決への近道になるのです。
専門家に相談すると何が変わるのか?
示談の成立や不起訴の可能性が広がる
早期に対応することで、被害者と和解できる場合があります。示談が成立すれば、検察が起訴を見送る、つまり不起訴となる可能性も出てきます。これは前科を回避できる大きなチャンスです。
実際、過去の事例でも、初犯かつ深い反省が見られる場合は、不起訴処分となったケースが多くあります。
精神的な支えにもなる
逮捕や捜査を受けると、想像以上のストレスに襲われます。不安や孤独の中で、状況を正しく理解し、手続きの見通しを立ててくれる存在がいることは、精神面での大きな支えとなります。
被害を受けた側にも相談の権利がある
ここまで「疑いをかけられた側」に焦点を当ててきましたが、被害を受けたと感じた側にも、当然ながら法的な保護と選択肢があります。
「声を上げたいけれど、どうしていいかわからない」「周囲に知られるのが怖い」――そんなときこそ、専門家の支援を受けるべきです。
刑事告訴や民事での損害賠償請求など、自分を守るための行動には法的な知識が不可欠です。そして近年は、女性相談員や女性の法律家も多く活躍しており、安心して声を届けられる環境が整いつつあります。
よくある疑問とその回答
同意があったつもりでも処罰されるの?
可能性はあります。相手が「断れなかった」と感じていた場合や、状況的に無理やりと捉えられた場合、後から問題化するケースがあります。
話を聞いてくれるだけでも相談できる?
もちろん可能です。法律事務所では、正式な依頼の前段階で無料相談を設けていることが多く、話を聞いてもらうだけでも不安が軽くなることがあります。
結局、相談料はいくらかかる?
相談料は事務所によって異なりますが、初回無料のところも多くあります。また、事件の解決までにかかる費用についても、事前に明確に提示されるので安心です。
まとめ:あなたの未来を守るために
「こんなことで人生が終わるなんて」――そう思ってしまうのも無理はありません。ですが、正しい対応を取れば、人生を立て直すことは十分に可能です。
重要なのは、できるだけ早く、信頼できる専門家に状況を相談すること。これが、自分を守るための最善の選択肢です。
同じようなトラブルで悩んでいる人は決して少なくありません。一人で抱え込まず、一歩踏み出してみてください。その一歩が、人生を守る鍵になるかもしれません。

この記事を監修した弁護士
代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)
所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。
