column

弁護士コラム

  • HOME>
  • 弁護士コラム>
  • 共同親権で何が変わる?2026年4月施行の民法改正を全項目解説

共同親権で何が変わる?2026年4月施行の民法改正を全項目解説

2026.04.20 弁護士コラム

一人で悩んでいませんか?

弁護士に相談することで、解決への道筋が見えてきます。

  • ✓ 初回相談無料
  • ✓ 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります。
  • ✓ 全国どこからでも24時間年中無休でメール・電話・LINEでの相談ができます。
弁護士に相談

親権・親子交流・財産分与・婚姻中別居のルール変更を初めての方にもわかりやすく

2026年4月1日から、離婚に関する法律が大きく変わりました。共同親権の導入がニュースになっていますが、実際には親権だけでなく、親子交流・財産分与・養育費・婚姻中の別居時のルールなど、離婚にまつわる多くの事柄が同時に見直されています。

いま離婚を考えている方も、すでに離婚を経験している方も、自分の生活に何がどう関係するのかを整理しておく必要があります。

この記事では、2026年4月施行の民法改正で変わった点を、初めて読む方でもわかるように項目ごとに解説します。

今回の法改正で変わること|全体像

今回の改正は父母の離婚後の子の養育に関する見直しを目的とした民法等の改正で、2024年5月に成立・公布され、2026年4月1日に施行されました。一言で言うと、離婚後も子どもの利益を守るために、父母双方が責任を持って育てる仕組みを整える改正です。

変わった主な項目を一覧で示すと次のとおりです。

変更項目主な内容
①親権のルール共同親権の選択肢が追加(単独親権も引き続き選べる)
②親子交流のルール面会交流が親子交流に改称。祖父母等との交流も明文化
③婚姻中別居のルール婚姻中でも別居している場合の親子交流のルールが新設
④養育費のルール法定養育費(月2万円/人)の新設、差し押さえ手続きの簡略化
⑤財産分与の請求期間離婚後2年以内→5年以内に延長
⑥親の責務の明確化親権・婚姻関係の有無にかかわらず養育責務を負うことが明文化

親権のルールが変わる|共同・単独の選び方と意思決定

共同親権と単独親権、どちらを選ぶか

これまで離婚後の親権は、父か母のどちらか一方に決めなければなりませんでした。これが単独親権です。

改正後は、父母の話し合いで共同親権(父母の両方が親権を持つ)を選ぶことが可能になりました。共同親権を義務づけるものではなく、引き続き単独親権を選ぶことも当然できます。

協議が整わない場合は家庭裁判所が判断しますが、虐待やDVのおそれがあるときは家庭裁判所が必ず単独親権にしなければならないという安全装置も設けられています。

共同親権になると何を2人で決めるのか

共同親権を選んだ場合、すべてのことを相手と相談しなければならないわけではありません。子どもの生活への影響が大きい重要事項についてのみ、父母が共同で決めることになります。

共同で決める必要がある重要事項の例:

  • 子どもの転居(監護者とともに転居する場合)
  • 進路に影響する進学先の決定(高校に進学しない選択なども含む)
  • 緊急ではない入院・手術などの医療行為への同意
  • 子ども名義の銀行口座の開設など、財産に関する決定

一方、子どもの日常的な世話や教育(食事・習い事・日常の通院など)は、子どもと一緒に暮らしている親が単独で決めることができます。また、病気の急変など緊急の場合も単独で判断できます。

父母の意見が対立したときはどうなるか

共同で決めるべき事項について父母の意見が合わない場合、どちらかが家庭裁判所に申し立てて、裁判所が一方をこの件の親権行使者として指定することができます。

意見が対立するたびに裁判所を使うことになるため、共同親権を選ぶ場合は父母間の話し合いができる関係であるかどうかが現実的に重要なポイントになります。

監護者を決める仕組み

共同親権の場合でも、父母の一方を監護者と定めることができます。監護者になった親は、子どもの住まい・日常的な養育・職業の決定といった監護に関する事項を単独で行使できます。

監護者を定めない場合は、共同での意思決定が求められる場面が増えるため、実務上は監護者を決めておくケースが多くなることが予想されます。監護者ではない方の親も、親子交流を通じて子どもの養育に関わることができます。

面会交流が親子交流に改称|ルールも強化

名称変更の意味

これまで面会交流と呼ばれていた制度の名称が、改正法では親子交流に変わりました。

単に名前が変わっただけではありません。面会という言葉には会うことのイメージがありますが、親子交流とすることで、直接会うだけでなく電話・ビデオ通話・手紙・プレゼントのやり取りなど、多様なかたちの交流が含まれることが明確になりました。子どもと離れて暮らす親との関係をより広くとらえる趣旨です。

祖父母など親族との交流も明文化

今回の改正で新たに加わった重要な点として、祖父母など父母以外の親族との交流のルールが設けられました。

子どもの利益のために特に必要があると認めるときは、家庭裁判所が祖父母などの親族と子どもが交流できるよう定めることができるようになりました。

これまでは祖父母が孫と会う機会を求めても法的な根拠が弱く、難しい状況でしたが、制度上の根拠ができたことで、離婚後も子どもが祖父母と関わり続けやすくなりました。

親子交流の試行的実施制度

調停・審判などの家庭裁判所の手続き中に、親子交流をためしに行う試行的実施という制度が新設されました。

まだ取り決めが成立していない段階でも、裁判所が子どもの状況を確認しながら交流の機会を設けることで、子どもへの影響を見極めながら実情に合った取り決めができるようになります。

婚姻中の別居でも親子交流のルールが生まれた

改正前は、離婚後の面会交流については民法に規定がありましたが、婚姻中に父母が別居している場合(離婚はまだしていない状態)については、親子交流に関する法律上のルールが明確ではありませんでした。

改正法では、婚姻中に別居している場合も、離婚後の親子交流と同様に、父母の協議で親子交流の内容を定めることができるようになりました。協議が整わない場合は、家庭裁判所の審判等で定めることも可能です。

これにより、離婚前の別居中においても子どもが非同居の親と継続的に関われる仕組みが法律上で整いました。別居中の親が子どもに会えないまま長期間が過ぎるという事態を防ぐ意味があります。

財産分与の請求期間が2年から5年に延長

これまでの問題点

離婚後の財産分与は、離婚から2年以内に請求しなければ権利が消えるのがこれまでのルールでした。この2年という期間が短すぎるという指摘が長くありました。

離婚後に生活を立て直すことで精一杯で、財産分与の手続きに着手できないまま期限を迎えてしまうケースがあったほか、相手が財産を隠していた場合に調査する時間が足りないという問題もありました。

改正後は5年以内に

改正法では、財産分与の請求期間が離婚から5年以内に延長されました。3年間の延長は、多くの当事者にとって実質的な救済につながる変更です。

また、財産分与の手続きをスムーズに進めるため、家庭裁判所が当事者に財産情報の開示を命じる制度も設けられました。正当な理由なく開示しない場合は10万円以下の過料の対象になります。財産を隠す行為に対する抑止力として機能することが期待されています。

すでに離婚している場合の扱い

財産分与の期間延長(2年→5年)は、2026年4月1日の施行後に離婚したケースに適用されます。施行前に離婚している場合、請求期間はこれまでどおり2年のままです。離婚から2年が経過していない場合は施行後も旧ルール(2年)が適用されるため、注意が必要です。

親の責務が法律で明確になった

これまでも親が子どもを養育する義務は当然のこととされていましたが、改正法ではその内容が民法上に明文化されました。

  • 父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもを養育する責務を負う
  • 子どもが親と同程度の生活水準を維持できるよう、扶養する義務がある(生活保持義務)
  • 子どもの意見に耳を傾け、人格を尊重しなければならない

これにより、離婚して親権を持たない側の親も、子どもへの責任から切り離されることはないという原則がより明確になりました。養育費の支払いや親子交流は、親権の有無に関係なく双方が担うべき責任として位置づけられています。

DVや虐待がある場合の保護

共同親権の導入に対して最も懸念されるのが、DVや虐待が背景にある場合でも相手と継続的に関わらされるリスクです。改正法はこの点に一定の配慮をしています。

家庭裁判所が親権者を定める際、次のいずれかに当たる場合は必ず単独親権にしなければならないと明文で規定されています。

  • 一方の親が子どもの心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき
  • 父母の一方が他方から身体的暴力や精神的に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがあるなど、共同して親権を行うことが困難であると認められるとき

身体的なDVや虐待に限らず、精神的な暴力(モラルハラスメント)も含まれます。また、おそれがあるという要件のため、実際の被害が発覚する前から保護が働く仕組みです。

ただし、DVや虐待の事実を裁判所に認めてもらうためには、それを裏付ける証拠や具体的な説明が重要になります。DVの被害を受けている方は、弁護士や配偶者暴力相談支援センターに早めに相談することを強くおすすめします。

まとめ|共同親権で変わること・変わらないこと

2026年4月の民法改正は、離婚後の子どもの養育を中心に、親権・親子交流・財産分与・婚姻中別居など広い範囲にわたります。

変わったことの核心は、離婚後も両親が子どもに関わり続ける仕組みを整えたという点です。共同親権の選択、親子交流の充実、養育費の確保強化、財産分与請求期間の延長、いずれもその方向性にあります。

一方で変わらないことも重要です。共同親権は強制ではなく選択できます。DVや虐待がある場合は単独親権になります。子どもの日常の世話は同居親が単独で判断できます。

すでに離婚している方については、自動的に共同親権にはならないこと、財産分与の期間延長は施行後の離婚に限られること、一方で養育費の差し押さえ手続きの簡略化は施行後に発生する養育費から適用されることを把握しておきましょう。

自分のケースにどの変更が関係するかわからない場合は、弁護士や法テラスに相談して整理することをおすすめします。

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

初回相談は無料です

共同親権についてはまずご相談ください。

9:00~24:00 / 定休日:なし

TOP

050-5445-1846

MAILFORM