盗撮で弁護士に相談するとどうなる?依頼の流れと弁護活動を解説
盗撮で捜査の対象になった、あるいは家族が逮捕されてしまった。そんなとき、弁護士に頼んだほうがよいとは分かっていても、相談したら実際にどう事が進むのか、弁護士が何をしてくれるのかは、なかなかイメージしづらいものです。
この記事では、盗撮事件で弁護士に相談・依頼した場合に、どのような流れで手続きが進み、弁護士が各段階で具体的に何をするのかを解説します。相談の入り口から解決までの全体像をつかむことで、いま何をすべきかが見えてくるはずです。
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盗撮で弁護士に相談する方法と流れ
まず、相談の入り口から見ていきましょう。多くの法律事務所では、盗撮を含む刑事事件について無料相談を設けており、電話やメール、対面で受け付けています。事件のスピードに対応するため、夜間や休日も相談を受け付けている事務所もあります。
相談の進み方は、本人が逮捕されているかどうかで変わります。逮捕されていない在宅の段階であれば、本人が直接相談に行くことができます。一方、すでに逮捕されている場合は、家族が代わりに相談し、弁護士に接見を依頼するのが一般的です。
ここで知っておきたいのが、逮捕直後の面会に関するルールです。逮捕されてから検察官へ送致されるまでの間、家族であっても本人と面会することは基本的にできません。しかし弁護士であれば、この段階から接見、つまり本人と直接会って話すことができます。弁護士は時間の制限なく接見できるため、逮捕直後の不安な時期に、本人へ助言を届けられる唯一の存在になります。相談から委任契約に進めば、弁護士は見通しと費用を示したうえで、正式に弁護活動に着手します。
弁護士が動ける時間は限られている
依頼を考えるうえで意識しておきたいのが、時間の制約です。逮捕された場合、検察官が起訴・不起訴を決めるまでの期間は、最長でも23日ほどしかありません。在宅で捜査が進む場合も、いつ処分が決まるか分からない緊張状態が続きます。
この限られた時間のなかで、取調べに対応し、身柄の解放を求め、被害者との示談をまとめ、不起訴へとつなげていく必要があります。だからこそ、相談・依頼は早ければ早いほど、打てる手が増えます。
段階ごとに弁護士は何をするのか
では、弁護士は具体的にどのような活動を行うのでしょうか。局面ごとに見ていきます。
取調べへの対応をサポートする
捜査段階でまず重要になるのが、取調べへの対応です。取調べで作成される供述調書は、一度署名してしまうと後から内容を覆すのが非常に難しく、その後の処分を大きく左右します。弁護士は接見を通じて、取調べで何に注意すべきか、黙秘権をどう使うべきかといった点を具体的に助言します。
在宅事件の取調べは任意の取調べであり、本来応じる義務はなく、途中で退席することもできます。事前に弁護士と方針を決めておけば、呼び出しのたびに落ち着いて対応でき、不利な供述を避けやすくなります。
身柄の解放に向けて動く
逮捕・勾留されている場合、弁護士は一日も早い身柄の解放を目指して動きます。刑事手続きには、身柄拘束を解くための法的な手段がいくつも用意されています。
- 勾留が決まる前であれば、検察官や裁判官に対して、勾留しないよう働きかける。身柄を引き受ける家族の存在や、職場・学校に通う必要があることなどを具体的に主張する
- 勾留が認められてしまった場合は、その決定の取消しを求める準抗告を行う。これは別の裁判官の合議体があらためて判断する手続きで、示談の成立などを理由に釈放が認められることもある
- 勾留が延長された場合も、同様に準抗告で争える
- 起訴された後も身柄拘束が続く場合は、保釈を請求して解放を目指す
国選弁護人は勾留が決まった後でなければ動けないため、勾留そのものを防ぐ働きかけは、早期に就いた弁護士だからこそできる活動です。
被害者との示談を進める
盗撮事件で不起訴を実現するうえで、中心となるのが被害者との示談です。弁護士は、被害者の心情に配慮しながら、本人に代わって謝罪と被害弁償を行い、許す意思を得られるよう交渉します。被害者の連絡先は通常、弁護士を介してしか得られず、本人や家族が直接接触すれば事態を悪化させるため、ここは弁護士に委ねる必要があります。示談が成立すれば、不起訴や処分の軽減に大きく近づきます。
検察官に不起訴を働きかける
捜査段階における弁護活動の最大の目標は、不起訴を獲得することです。弁護士は、示談が成立したこと、本人が深く反省していること、再発防止に取り組んでいることなどを意見書にまとめ、検察官に提出します。こうして、刑罰を科す必要性が低いことを具体的に伝え、起訴を見送るよう求めていきます。
不起訴処分には種類がある
弁護活動の到達点となる不起訴ですが、ひとくちに不起訴といっても、いくつかの種類があります。
- 起訴猶予:犯罪の事実は認められるものの、反省や示談などの事情を考慮して、検察官が起訴を見送るもの
- 嫌疑不十分:有罪を立証するだけの証拠が足りないと判断されるもの。否認している事件などで目指す
- 嫌疑なし:犯人でないことが明らかな場合
盗撮を認めている事件では、起訴猶予による不起訴を目指すのが基本になります。いずれの不起訴であっても、前科はつきません。捜査の対象になった記録である前歴は残りますが、これが資格制限などにつながるものではありません。なお、不起訴の理由は本人に告知されないのが原則ですが、弁護士が検察官に確認すれば、教えてもらえることが多くあります。
起訴された場合の弁護活動
努力の甲斐なく起訴された場合でも、弁護活動は続きます。起訴には、公開の法廷で審理される公判請求と、書面審理で罰金が科される略式起訴があります。略式起訴であれば、比較的早期に手続きが終わります。
公判となった場合、弁護士は執行猶予の獲得や刑の軽減を目指して弁護します。被害者がいる事件では、起訴された後も示談交渉を続けることが、有利な判決につながります。起訴前に示談が間に合わなかったとしても、あきらめずに交渉を続ける意味は十分にあります。
まとめ
盗撮で弁護士に相談すると、まず接見や面談を通じて見通しが示され、依頼すれば取調べ対応の助言から身柄解放の活動、被害者との示談、検察官への働きかけまで、段階に応じた弁護活動が始まります。捜査段階での目標は不起訴の獲得であり、それが実現すれば前科を避けて生活を立て直すことができます。
刑事手続きは、相談が早いほど取れる選択肢が広がります。盗撮で捜査を受けている、家族が逮捕されたという場合は、まずは無料相談を活用し、刑事事件に詳しい弁護士に早めに状況を伝えることが、解決への第一歩になります。
この記事を監修した弁護士
代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)
広島弁護士会所属/弁護士登録番号 第57063号
所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。
平田弁護士について