column

弁護士コラム

  • HOME>
  • 弁護士コラム>
  • 協議・調停・裁判離婚の違いと進め方|弁護士がわかりやすく解説

協議・調停・裁判離婚の違いと進め方|弁護士がわかりやすく解説

2026.07.19 弁護士コラム

離婚をしようと決めたとき、多くの人がまず戸惑うのが、どうやって離婚を進めればよいのかという点です。離婚には大きく分けて3つの方法があり、それぞれ手続きの場所も、かかる時間も、必要な条件もまったく異なります。違いを知らないまま動き出すと、遠回りになったり、不利な条件で合意してしまったりすることも少なくありません。

この記事では、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3つについて、何がどう違うのか、どのような順序で進むのかを、弁護士の視点からわかりやすく解説します。それぞれのメリットと注意点を押さえ、自分のケースに合った進め方を見極める手がかりにしてください。

一人で悩んでいませんか?

弁護士に相談することで、解決への道筋が見えてきます。

  • ✓ 初回相談無料
  • ✓ 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります。
  • ✓ 全国どこからでも24時間年中無休でメール・電話・LINEでの相談ができます。
弁護士に相談

離婚には3つの方法がある

日本の離婚は、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3種類に整理できます。そして実務では、この3つを段階的に進めていくのが原則です。

まずは夫婦の話し合いで協議離婚を目指し、まとまらなければ家庭裁判所の調停へ、それでも解決しなければ最終的に裁判へと進みます。いきなり裁判を起こすことは原則としてできず、順を追っていく仕組みになっています。

実際には、離婚の大半は最初の協議離婚で成立しています。統計上はおよそ9割が協議離婚であり、調停や裁判にまで至るのは一部です。とはいえ、相手が離婚に応じない、条件で折り合えないといった場合には、次の段階へ進む必要が出てきます。それぞれの特徴を順に見ていきましょう。

協議離婚 夫婦の話し合いで決める

協議離婚は、夫婦が話し合い、離婚することと条件に合意したうえで、離婚届を役所に提出して成立させる方法です。家庭裁判所を介さず、離婚届に夫婦と証人2名が署名すれば足り、離婚の理由も問われません。最もシンプルで、件数としても圧倒的に多い方法です。

協議離婚の主なメリットは次のとおりです。

  • 短期間で成立させられる
  • 費用がほとんどかからない
  • 離婚の条件を当事者の自由に決められる
  • 第三者に事情を知られず、非公開で進められる

一方で、次のような弱点もあります。

  • 相手が合意しなければ、まったく前に進まない
  • 取り決めが口約束になりやすく、後でトラブルになりやすい
  • 力関係によっては、不利な条件を飲まされてしまうことがある

協議離婚で特に重要なのが、離婚そのものだけでなく、条件をきちんと取り決めておくことです。親権、養育費、財産分与、慰謝料、面会交流といった事柄を曖昧にしたまま離婚届だけ出してしまうと、あとから請求が難しくなることがあります。取り決めた内容は離婚協議書として書面に残し、できれば公正証書にしておくと安心です。2026年4月施行の法改正で養育費には一定の範囲で差し押さえをしやすくする仕組みが設けられましたが、高額の養育費や慰謝料、財産分与を確実にするには、引き続き公正証書の作成が有効です。

調停離婚 家庭裁判所で第三者を介して話し合う

夫婦だけでは話し合いがまとまらない場合に進むのが、調停離婚です。家庭裁判所に夫婦関係調整調停を申し立て、調停委員という第三者を間に入れて、改めて話し合いを行います。

調停では、男女1名ずつの調停委員が双方の言い分を交互に聞き取り、合意点を探っていきます。夫婦が同じ部屋で顔を合わせる必要は基本的になく、別々に話を聞いてもらえるのが特徴です。協議離婚と同じく合意に基づく手続きなので、離婚の理由は問われません。話し合いがまとまれば調停離婚が成立し、その内容は調停調書に記載されます。この調停調書は、確定した判決と同じ効力を持つため、約束が守られない場合には強制執行の根拠になります。

調停離婚のメリットと注意点を整理すると、次のようになります。

  • メリット:第三者が間に入るため冷静に話し合える、相手と直接対面せずに済む、成立した合意に強い効力がある
  • 注意点:成立まで数か月から1年程度かかることがある、平日に裁判所へ出向く必要がある、あくまで話し合いであり相手に離婚を強制はできない

なお、調停を経なければ離婚の裁判を起こすことはできません。これを調停前置主義といいます。いきなり訴訟へ進めないのは、できる限り当事者の合意による解決を尊重するためです。ただし、相手が行方不明であるなど調停が事実上不可能な場合には、例外的に調停を経ずに裁判へ進めることもあります。

裁判離婚 判決で決着をつける

調停でも合意に至らなかった場合、最後の手段となるのが裁判離婚、すなわち離婚訴訟です。家庭裁判所に訴えを提起し、裁判官の判断を求めます。これまでの2つと決定的に違うのは、夫婦の合意がなくても、判決によって離婚が成立する点です。相手が最後まで離婚を拒んでいても、判決が確定すれば離婚できます。

ただし、そのためには法律で定められた離婚原因に該当している必要があります。

裁判で離婚が認められる法定離婚事由

民法770条1項は、裁判離婚が認められる事由を定めています。2026年4月の法改正を経た現在、その事由は次の4つです。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • その他、婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

かつては、配偶者が回復の見込みのない強度の精神病にかかったときも事由のひとつとされていましたが、2026年4月施行の改正でこの項目は削除されました。現在、精神疾患が問題となるケースは、4つ目の婚姻を継続し難い重大な事由に当たるかどうかという観点から判断されます。性格の不一致やその他さまざまな事情も、この4つ目の事由に該当するかが争点になることが多くあります。

裁判離婚の利点は、相手が拒否しても結論を出せることです。一方で、判決までに1年から2年程度を要することもあり、費用もかかります。手続きは公開の法廷で行われ、主張を裏づける証拠も欠かせません。また、離婚の原因をつくった有責配偶者からの離婚請求は、原則として認められにくいという点にも注意が必要です。

審判離婚や和解による解決もある

このほか、調停が細部を除いてほぼまとまっている場合に、家庭裁判所が職権で離婚を成立させる調停に代わる審判という方法もありますが、適用される例は多くありません。また、訴訟の途中で双方が歩み寄れば、和解によって離婚が成立する和解離婚や、相手が請求を全面的に受け入れる認諾離婚というかたちで決着することもあります。裁判まで進んでも、必ず判決で終わるとは限らないということです。

3つの違いを整理する

ここまでの内容を、判断の軸ごとに比較すると次のようになります。

  • 合意の要否:協議・調停は合意が必要、裁判は合意がなくても判決で成立
  • 離婚理由の要否:協議・調停は理由を問わない、裁判は法定離婚事由が必要
  • 手続きの場所:協議は当事者間、調停・裁判は家庭裁判所
  • 期間の目安:協議は最短数日、調停は数か月から1年、裁判はさらに長期
  • 費用:協議はほぼ不要、調停は比較的少額、裁判は最も高額になりやすい
  • 強制力:協議の口約束は弱い、調停調書や判決は強制執行の根拠になる

こうして見ると、当事者の負担が小さいのは協議離婚ですが、合意ができない相手に対しては調停や裁判という強い手段が必要になる、という関係が見えてきます。

まとめ

離婚は、協議・調停・裁判という3つの方法を、原則としてこの順番で段階的に進めていきます。まずは話し合いによる協議離婚を目指し、まとまらなければ家庭裁判所の調停へ、それでも解決しなければ裁判へと移っていくのが基本的な流れです。

どの段階にあっても、親権や養育費、財産分与といった条件をどう取り決めるかが、その後の生活を大きく左右します。相手が話し合いに応じない、不利な条件を迫られている、何から手をつければよいかわからないといった場合は、早い段階で離婚問題に詳しい弁護士へ相談することで、見通しを立てやすくなります。自分の状況に合った進め方を選ぶことが、納得のいく解決への近道です。

代表弁護士 平田裕也

この記事を監修した弁護士

代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)

広島弁護士会所属/弁護士登録番号 第57063号

所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。

平田弁護士について

初回相談は無料です

お気軽にご相談ください。

9:00~24:00 / 定休日:なし

広島の弁護士に無料相談する

PRACTICE AREA取扱分野

TOP

050-5445-1846

MAILFORM