話し合いに応じない夫と離婚調停で決着|親権と養育費 月6万円を確保
月3万円→月6万円
広島市安佐南区の30代女性が、離婚に応じない夫と広島家庭裁判所の離婚調停で親権を獲得し、養育費を月3万円から月6万円に引…
30代女性/広島市安佐南区
事例を読むcolumn
弁護士コラム
離婚をしようと決めたとき、多くの人がまず戸惑うのが、どうやって離婚を進めればよいのかという点です。離婚には大きく分けて3つの方法があり、それぞれ手続きの場所も、かかる時間も、必要な条件もまったく異なります。違いを知らないまま動き出すと、遠回りになったり、不利な条件で合意してしまったりすることも少なくありません。
この記事では、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3つについて、何がどう違うのか、どのような順序で進むのかを、弁護士の視点からわかりやすく解説します。それぞれのメリットと注意点を押さえ、自分のケースに合った進め方を見極める手がかりにしてください。
弁護士に相談することで、解決への道筋が見えてきます。
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日本の離婚は、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3種類に整理できます。そして実務では、この3つを段階的に進めていくのが原則です。
まずは夫婦の話し合いで協議離婚を目指し、まとまらなければ家庭裁判所の調停へ、それでも解決しなければ最終的に裁判へと進みます。いきなり裁判を起こすことは原則としてできず、順を追っていく仕組みになっています。
実際には、離婚の大半は最初の協議離婚で成立しています。統計上はおよそ9割が協議離婚であり、調停や裁判にまで至るのは一部です。とはいえ、相手が離婚に応じない、条件で折り合えないといった場合には、次の段階へ進む必要が出てきます。それぞれの特徴を順に見ていきましょう。
協議離婚は、夫婦が話し合い、離婚することと条件に合意したうえで、離婚届を役所に提出して成立させる方法です。家庭裁判所を介さず、離婚届に夫婦と証人2名が署名すれば足り、離婚の理由も問われません。最もシンプルで、件数としても圧倒的に多い方法です。
協議離婚の主なメリットは次のとおりです。
一方で、次のような弱点もあります。
協議離婚で特に重要なのが、離婚そのものだけでなく、条件をきちんと取り決めておくことです。親権、養育費、財産分与、慰謝料、面会交流といった事柄を曖昧にしたまま離婚届だけ出してしまうと、あとから請求が難しくなることがあります。取り決めた内容は離婚協議書として書面に残し、できれば公正証書にしておくと安心です。2026年4月施行の法改正で養育費には一定の範囲で差し押さえをしやすくする仕組みが設けられましたが、高額の養育費や慰謝料、財産分与を確実にするには、引き続き公正証書の作成が有効です。
夫婦だけでは話し合いがまとまらない場合に進むのが、調停離婚です。家庭裁判所に夫婦関係調整調停を申し立て、調停委員という第三者を間に入れて、改めて話し合いを行います。
調停では、男女1名ずつの調停委員が双方の言い分を交互に聞き取り、合意点を探っていきます。夫婦が同じ部屋で顔を合わせる必要は基本的になく、別々に話を聞いてもらえるのが特徴です。協議離婚と同じく合意に基づく手続きなので、離婚の理由は問われません。話し合いがまとまれば調停離婚が成立し、その内容は調停調書に記載されます。この調停調書は、確定した判決と同じ効力を持つため、約束が守られない場合には強制執行の根拠になります。
調停離婚のメリットと注意点を整理すると、次のようになります。
なお、調停を経なければ離婚の裁判を起こすことはできません。これを調停前置主義といいます。いきなり訴訟へ進めないのは、できる限り当事者の合意による解決を尊重するためです。ただし、相手が行方不明であるなど調停が事実上不可能な場合には、例外的に調停を経ずに裁判へ進めることもあります。
調停でも合意に至らなかった場合、最後の手段となるのが裁判離婚、すなわち離婚訴訟です。家庭裁判所に訴えを提起し、裁判官の判断を求めます。これまでの2つと決定的に違うのは、夫婦の合意がなくても、判決によって離婚が成立する点です。相手が最後まで離婚を拒んでいても、判決が確定すれば離婚できます。
ただし、そのためには法律で定められた離婚原因に該当している必要があります。
民法770条1項は、裁判離婚が認められる事由を定めています。2026年4月の法改正を経た現在、その事由は次の4つです。
かつては、配偶者が回復の見込みのない強度の精神病にかかったときも事由のひとつとされていましたが、2026年4月施行の改正でこの項目は削除されました。現在、精神疾患が問題となるケースは、4つ目の婚姻を継続し難い重大な事由に当たるかどうかという観点から判断されます。性格の不一致やその他さまざまな事情も、この4つ目の事由に該当するかが争点になることが多くあります。
裁判離婚の利点は、相手が拒否しても結論を出せることです。一方で、判決までに1年から2年程度を要することもあり、費用もかかります。手続きは公開の法廷で行われ、主張を裏づける証拠も欠かせません。また、離婚の原因をつくった有責配偶者からの離婚請求は、原則として認められにくいという点にも注意が必要です。
このほか、調停が細部を除いてほぼまとまっている場合に、家庭裁判所が職権で離婚を成立させる調停に代わる審判という方法もありますが、適用される例は多くありません。また、訴訟の途中で双方が歩み寄れば、和解によって離婚が成立する和解離婚や、相手が請求を全面的に受け入れる認諾離婚というかたちで決着することもあります。裁判まで進んでも、必ず判決で終わるとは限らないということです。
ここまでの内容を、判断の軸ごとに比較すると次のようになります。
こうして見ると、当事者の負担が小さいのは協議離婚ですが、合意ができない相手に対しては調停や裁判という強い手段が必要になる、という関係が見えてきます。
離婚は、協議・調停・裁判という3つの方法を、原則としてこの順番で段階的に進めていきます。まずは話し合いによる協議離婚を目指し、まとまらなければ家庭裁判所の調停へ、それでも解決しなければ裁判へと移っていくのが基本的な流れです。
どの段階にあっても、親権や養育費、財産分与といった条件をどう取り決めるかが、その後の生活を大きく左右します。相手が話し合いに応じない、不利な条件を迫られている、何から手をつければよいかわからないといった場合は、早い段階で離婚問題に詳しい弁護士へ相談することで、見通しを立てやすくなります。自分の状況に合った進め方を選ぶことが、納得のいく解決への近道です。
この記事を監修した弁護士
代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)
広島弁護士会所属/弁護士登録番号 第57063号
所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。
平田弁護士について
おりづる法律事務所にお寄せいただいたご相談をもとに、離婚の解決事例をご紹介します。