話し合いに応じない夫と離婚調停で決着|親権と養育費 月6万円を確保
月3万円→月6万円
広島市安佐南区の30代女性が、離婚に応じない夫と広島家庭裁判所の離婚調停で親権を獲得し、養育費を月3万円から月6万円に引…
30代女性/広島市安佐南区
事例を読むcolumn
弁護士コラム
弁護士に相談することで、解決への道筋が見えてきます。
夫婦関係が破綻し、離婚を検討せざるを得ない状況になった場合、裁判ではなく家庭裁判所での「調停」という手続きによって離婚を成立させるケースは少なくありません。しかし、「調停を申し立てれば自動的に相手が譲歩してくれるわけではない」「実際にどんな話し合いが行われるのかわからず不安」といった声が多いのも事実です。
本記事では、離婚を真剣に考える方が、家庭裁判所の調停手続きを通じて少しでも自分に有利な条件を勝ち取るためにはどうすればよいのか、具体的なポイントを解説していきます。いわゆる「離婚調停で勝つには」という視点で、調停の流れや準備すべき資料、当日に押さえておきたい交渉のコツなどを幅広くカバーします。離婚という人生の大きな選択において、ぜひ参考にしてください。
離婚には大きく分けて「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4種類があります。もっとも一般的なのは話し合いだけで合意に至る協議離婚ですが、夫婦間の合意が得られない場合や話し合いが難航している場合は、家庭裁判所の調停委員を介して話し合いを進める調停離婚へと進むことがよくあります。
調停では、夫婦双方の意見を聞きつつ、調停委員が間に入って妥協点を探りながら合意を目指します。もし調停で折り合いがつかず不成立となった場合は、裁判に進むことが可能です。
調停では以下のような項目について協議します。
これらの項目をめぐって意見が対立することは珍しくありません。とくに親権や養育費、慰謝料などは感情面も大きく絡むため、冷静な話し合いができるよう十分に準備が必要です。
調停の場には、裁判官1名と、一般から選ばれた調停委員2名(男女1名ずつが多い)が同席します。調停委員は法律や心理学、福祉などに一定の知見を持つ人から選ばれ、夫婦それぞれの話を交互に聞きながら、落としどころを探っていきます。
自分の主張をまっすぐに伝えるのも大切ですが、調停委員に対して感情的になりすぎると逆効果になることがあります。冷静かつ的確に主張・証拠を提示する姿勢が望まれます。
離婚調停で自分の主張を裏付けるためには、客観的な証拠や資料が欠かせません。たとえば、以下のようなものをしっかり用意しておくと、調停の場で説得力が高まります。
慰謝料や財産分与の金額交渉をする際は、相手に収入を過小申告されないように、給与明細や源泉徴収票を要求するなどの手続きをしておくのも手です。
離婚調停では法的知識が必要になる場面も多々あります。とくに以下のようなケースでは、弁護士に相談しておくと安心です。
弁護士費用は安くはありませんが、相手との交渉をすべて任せられるメリットは大きいです。また、事前に30分〜1時間の法律相談を受け付けている弁護士事務所も多いので、まずは相談だけでも検討してみるとよいでしょう。
感情のままに「絶対に親権は渡したくない」「慰謝料をたくさん取りたい」と主張しても、調停委員を説得するのは難しいです。むしろ、具体的で現実的なラインを示した方が調停を有利に進めやすくなります。
「養育費は月○万円を希望し、その内訳は子どもの学費や習い事の費用がこれくらい必要だから」など、数値と理由を整理して示しましょう。財産分与についても、夫婦共同の名義や貯金額をリスト化して、自分がどの程度の取り分を求めたいのかを明確にしておくと交渉しやすくなります。
調停申立書が受理されると、家庭裁判所から第1回調停の日程が指定され、当事者双方に呼出状が送付されます。第1回目の調停では、調停委員が大まかな事情を確認し、論点を整理することが主な目的です。
通常、離婚調停は1回で終わることは少なく、数回にわたって行われます。各回の間隔はおよそ1か月程度が多いですが、家庭裁判所のスケジュールや当事者の状況によって異なります。交渉の過程で、相手が新しい証拠や提案を出してくる場合もあるので、柔軟に対応できるよう日頃から情報収集を続けましょう。
長い交渉の末に、財産分与や親権など主要な条件で合意に至った場合、調停委員が「調停調書」を作成します。これは裁判の判決と同等の効力を持つ強力な書類であり、後日相手が約束を守らない場合でも、強制執行が可能です。
ただし、一度合意して調停調書にサインすると、後から内容を変更するのは原則として難しくなります。納得いかない点がないか、しっかり確認したうえでサインしましょう。
もしも調停で折り合いがつかず、「今後も話し合いを続けても解決見込みがない」と判断された場合は、調停不成立となります。その際は離婚裁判に移行するのが通常の流れです。ただし、調停不成立後も、再度協議を試みる中で合意に達するケースがあることは覚えておきましょう。
調停委員は、夫婦間の対立を客観的に見ながら妥協点を探る役割を担っています。感情を爆発させてしまうと、調停委員があなたに対して「この人は非合理的だ」「主張が一貫していない」と判断する可能性も。逆に冷静かつ論理的に話をする姿勢を示せば、「あなたの話を真剣に聞く価値がある」と思ってもらえるでしょう。
一方、まったく感情を出さずに淡々と話すだけでは、相手の重大な過失や子どもの苦痛などが伝わりにくい面もあります。事実をベースにしながら必要な部分では毅然とした態度で臨みましょう。
離婚調停で勝つには、「すべての条件を最大限に勝ち取る」ことだけがゴールとは限りません。たとえば、親権だけは絶対に譲れないけれども、財産分与で多少譲歩してもいいというケースもあれば、その逆もあります。重要なのは、自分にとって何が最優先なのかを明確にすること。
調停委員に対しても「私としては親権の確保が何よりも大事。財産面に関してはこの程度なら譲歩できる」というように、交渉可能なラインを示しておくと、調停がスムーズに進む場合があります。
相手の不倫やDVなどの非行があった場合、その事実を調停委員にきちんと伝えることはもちろん大切です。しかし、それが単なる“人格批判”や“感情的な攻撃”に終わってしまうと、調停委員から逆に「話し合いが進まない原因」とみなされるリスクがあります。
相手を批判するのではなく、「こういう事実や証拠があり、これだけの損害や苦痛を被った。そのため慰謝料や養育環境の確保を求める」といった形で、客観的事実と請求内容を関連づける伝え方が有効です。
調停は1回あたり1時間程度で終了し、次回まで1か月ほど間が空くことがよくあります。ここで何もせずに日数を浪費してしまうと、毎回同じやりとりを繰り返すだけになりかねません。
こうした作業を積み重ねることで、調停を効率的に進めることができます。
調停の場以外で、相手と個人的に話し合いを進めることも可能です。ただし、感情的に対立が激しい場合や、DVの加害者と被害者という関係性では、直接交渉するとさらなるトラブルや精神的ダメージを招く恐れがあります。弁護士を通じてやり取りするか、あえて調停委員を仲介してもらう方が安全な場合もあるでしょう。
逆に、相手とのコミュニケーションが比較的円滑に取れるなら、調停外である程度話を詰めておき、調停で正式に合意を取り付けるとスムーズにいくこともあります。
離婚には様々な感情が伴いますが、法律的に要求が通るのは「不倫」「DV」など、民法や裁判例で定められた具体的な離婚原因と損害があるケースです。たとえば、「家族行事に積極的でなかった」「私の実家をバカにした」など、主張としては分かるものの、法的には慰謝料の対象にならない場合も多々あります。
こうした争点を過度に持ち出しすぎると、話し合いが混乱し、時間がかかる割に得られる成果が少なくなる可能性が高いです。本当に主張すべき争点を絞り込むことが、結果的に得策になる場合があります。
離婚調停は、夫婦間の話し合いがうまくいかなかったり、法的・経済的な複雑さがある場合に、第三者の調停委員を介して解決を図る仕組みです。実際には、感情のこじれや価値観の違いが大きく絡んでくるため、スムーズに進まないことも珍しくありません。そんな中、「離婚調停で勝つにはどうすればよいか?」と考えるとき、以下の点を押さえることがカギとなります。
離婚は人生の大きな転機であり、当事者にとっては非常にストレスフルなプロセスです。だからこそ、実務的な視点を持ちながら準備と対策を入念に行い、自分の権利や子どもの将来を守るために最善を尽くすことが必要です。本記事で取り上げたポイントを参考に、ぜひ「自分にとって納得のいく着地点」を見つけ、スムーズな離婚成立に向けて準備を進めてください。
この記事を監修した弁護士
代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)
広島弁護士会所属/弁護士登録番号 第57063号
所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。
平田弁護士について
おりづる法律事務所にお寄せいただいたご相談をもとに、離婚の解決事例をご紹介します。