不同意わいせつで告訴された事案|示談により不起訴処分
告訴され逮捕の可能性→不起訴処分
広島市中区の30代男性が、不同意わいせつ事件で告訴された後、示談により不起訴処分となった解決事例です。
30代男性/広島市中区
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弁護士コラム
弁護士に相談することで、解決への道筋が見えてきます。
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近年、電車やバスなどの公共交通機関、あるいは街中で発生する痴漢被害が深刻な社会問題として取り上げられています。2023年の刑法改正によって導入された「不同意わいせつ」罪は、被害者の同意が得られない状況で行われる性的な行為全般を広く処罰することを目的としており、従来の「強制わいせつ」と同様、痴漢行為なども処罰対象となり得ます。本記事では、「不同意わいせつ 痴漢」というテーマを軸に、改正刑法の概要や痴漢の実態、被害に遭った場合の対処法、さらに加害者の処罰やリスクについて詳しく解説します。痴漢被害を防止し、性犯罪の根絶を目指すためにも正しい知識を身につけましょう。
「痴漢」とは、公共の場所や交通機関などで被害者の身体に無断で触れる、あるいは近接して性的に不快な行為を行うことを指し、多くの場合は男性が女性に対して行う性的な迷惑行為として認識されています。従来、痴漢行為に対しては都道府県の迷惑防止条例や刑法の強制わいせつ罪で処罰されてきました。強制わいせつ罪が適用されるには「暴行または脅迫」を伴うことが要件とされてきましたが、必ずしも明確な暴力や脅しが存在しないケースでも被害が深刻なことが多く、問題視されていたのです。
2023年の刑法改正により、強制わいせつ罪は「不同意わいせつ」罪へと生まれ変わりました。旧来の要件である「暴行・脅迫」がなくとも、相手の不同意が明確であれば処罰対象となる範囲が広がっています。痴漢行為も、「被害者の同意がない状態で性的行為を行った」という要件に該当すれば、不同意わいせつ罪が適用される可能性があるのです。
従来の強制わいせつ罪では、加害者の行為に「暴行・脅迫」が伴うことが要件とされていました。しかし、現実には力関係や環境的要因、被害者の心理状態などから抵抗できないケースが多く、暴行・脅迫がないという理由だけで処罰しづらい場面が存在していたのです。
こうした性犯罪被害に対してより手厚い救済を図るため、2023年の刑法改正では「不同意わいせつ」罪が新設されました。これは「被害者の同意がないのにわいせつ行為を行う」こと自体を問題視し、被害者保護を強化する一環といえます。
痴漢行為の場合も、被害者が抵抗できない状況や困惑・恐怖で声を出せない状態など「形式上の暴力行為がない」場合でも、被害者の同意がないことが明らかになれば新しい法律の適用が検討される可能性があります。
痴漢行為の多くは、人が密集しやすい電車やイベント会場などで行われます。加害者は周囲に気づかれにくいよう、軽く身体を触ったり、衣服の中へ手を入れるといった行為に及ぶことがあります。被害者は突然の出来事に驚き、恐怖や恥ずかしさから声を上げにくい状況に陥りがちです。このように、明確な暴行や脅迫がなくても、被害者の「同意」が得られていないことは明白であり、不同意わいせつ罪の構成要件を満たす可能性があります。
痴漢行為は、多くの都道府県の迷惑防止条例でも取り締まられています。迷惑防止条例違反の場合は罰金や拘留などの比較的軽い罰則が規定されることが一般的です。一方、不同意わいせつ罪が成立すれば、刑法の重い刑罰が科される可能性があります。行為の態様や被害の程度によっては、条例違反ではなく刑法で立件されるケースが増えることが予想されます。
痴漢行為が改正刑法で処罰対象となりやすくなったとはいえ、実際に起訴や有罪判決を得るためには、被害者側ができるだけ多くの証拠を確保する必要があります。
痴漢被害に遭ったら、できるだけ早く110番通報し、被害届を提出することが望ましいです。時間が経つと証拠が散逸し、加害者の特定が難しくなる可能性があります。被害届を出すことで、警察が捜査を開始し、必要に応じて加害者を逮捕や事情聴取にかけるなどの対応が進められます。
痴漢行為に該当する行為は、先述のとおり「不同意わいせつ」として1年以上10年以下の懲役刑が科される可能性があります。法改正によって罰則が強化されたことで、従来よりも重い刑が下されるケースが増えることが予想されます。また、都道府県の迷惑防止条例違反で摘発される場合でも、繰り返しの犯行や悪質性が高いと判断されれば厳罰化される可能性があります。
被害者は、加害者に対して民事上の損害賠償を請求することができます。痴漢行為によって受けた精神的苦痛、医療費、仕事を休んだ場合の逸失利益などが請求対象となり、場合によっては数十万円から数百万円の賠償金が認められることもあります。
痴漢被害を適切に取り締まる一方で、冤罪のリスクも社会問題として存在します。とくに混雑した車内では、意図せず触れてしまっただけでも「痴漢」と疑われることがあるため、双方の権利保護と慎重な捜査手続きが重要です。
万が一、自分が身に覚えのない痴漢行為で疑われたり逮捕されたりした場合は、弁護士を通じて早期に証拠の確保や主張を行うことが大切です。警察や検察による取り調べが進む前の段階で、正確に事実を伝える努力をすることで不当な立件を防ぎやすくなります。
痴漢は重大な性犯罪であることを認識し、小・中・高校などでも「性暴力は犯罪」という教育を徹底することで、加害側の発生を抑止する意識づくりが不可欠です。また、被害を受けたときにどう行動すべきかを周知する取り組みも求められています。
被害に遭った場合は、まず警察に相談し、できる限り早く被害届を出すことが望ましいです。その後、弁護士を通じて加害者への民事訴訟や損害賠償請求を検討するケースもあります。痴漢行為が刑法上の不同意わいせつに該当するかどうか、あるいは迷惑防止条例違反にとどまるのか、法的アドバイスを受けることでスムーズな手続きを進められます。
各都道府県に設置されている犯罪被害者支援センターでは、性犯罪を含む被害に遭った方への相談窓口やカウンセリング、情報提供を行っています。精神的なケアや再発防止に向けた支援も受けられるため、一人で悩まずに早めの相談を検討しましょう。
弁護士への依頼費用が心配な場合、法テラス(日本司法支援センター)の「民事法律扶助制度」を利用できる可能性があります。経済的に困難な状況にある被害者でも、費用立て替えなどの支援を受けられるため、加害者との示談交渉や裁判のハードルを下げることができます。
2023年の刑法改正により、同意のないわいせつ行為を処罰する仕組みが強化され、痴漢行為も従来より厳しく立件される可能性が高まりました。
被害者の視点からすれば、適切な時機に警察や弁護士に相談し、精神的なケアも含めてサポートを受けることが大切です。加害者側に対しては、刑事処罰だけでなく民事上の責任(損害賠償)も追及できます。また、社会全体としては、痴漢被害を早期に発見・通報しやすい環境を整え、教育や啓発を通じて加害行為を未然に防ぐ努力が求められています。
今後も、被害者が泣き寝入りすることなく、適切な法的措置を取れるよう、制度や支援体制の拡充が期待されます。一人ひとりが痴漢被害は決して些細な問題ではなく、重大な性犯罪として扱われることを理解し、もしものときには周囲と連携して行動することが必要です。
この記事を監修した弁護士
代表弁護士 平田裕也(ひらた ゆうや)
広島弁護士会所属/弁護士登録番号 第57063号
所属弁護士が150名程度いる大手法律事務所にて、約2年間にわたり支店長を務め、現在に至る。 大手法律事務所所属時代には、主として不貞慰謝料請求、債務整理及び交通事故の分野に関して,通算1000件を超える面談を行い、さまざまな悩みを抱えられている方々を法的にサポート。 その他弁護士業務以外にも、株式会社の取締役を務めるなど、自ら会社経営に携わっているため、企業法務及び労働問題(企業側)にも精通している。
平田弁護士について
おりづる法律事務所にお寄せいただいたご相談をもとに、不同意わいせつ・性犯罪の解決事例をご紹介します。